2015年7月26日
小金沢(大菩薩)連嶺:日帰り
雁ヶ腹摺山:赤富士、黒富士、ストレスフリー。

姥子山から雁ヶ腹摺山をのぞむ。


ここ最近、腰痛に顔面神経麻痺と体調を崩した私。明確な原因は不明だが要因のひとつにストレスがあるのは間違いない。ただ、一言にストレスと言ってもその種類は多様だ。

環境的ストレス:暑さ、寒さなど
身体的ストレス:痛み、痒みなど
精神的ストレス:人間関係など
科学的ストレス:薬やパソコン(電磁波?)など


肝心なのは自分が受けやすいストレスの種類を知った上で、その状況から離れたり、負担を軽減するように適したストレス解消法を見つければ良い訳だ。

さて、自分の場合は・・・うむ、山歩きだな。(結論ありき)

一時的に身体的ストレスは増えるだろうが、その他のストレスからは解放されるに違いない。そうと決まれば、リハビリの名のもとで山歩きに出発だ。




大峠から夜の富士山。


悪くした腰の具合もだいぶ動くようになってきた。そこで、そろそろ山『登り』をしてみよう。

行き先は旧五百円札の絵柄にもなっている雁ヶ腹摺山。大月市が制定する秀麗富嶽十二景にも選定されている事もあり、富士山の眺めはさぞかし絶景だろう。

本来であれば麓の最寄り駅から歩きたいところだが、現在の体調を考慮して大峠からの最短ルートで雁ヶ腹摺山を目指す。そして体調次第では、秀麗富嶽十二景の一番山頂として雁ヶ腹摺山と一対となっている姥子山にも行ってみよう。

まだ薄暗く、朝焼けが始まる前の大峠から登り始める。

久し振りとなる山登りに少々の不安はあったが、その静けさと涼しげな空気感に早くもストレス解消を感じる。夜明け前で控えめな鳥のさえずり以外は静けさを保っている山中。ここは科学的ストレス、ゼロ空間だ。

ヘッドランプで足元を照らしながら登ってゆくと、樹林の間から覗く空が赤く染まってきた。日の出時刻前に山頂に辿り着ければよいが、時間的に無理なのは分かっている。それでもついつい歩調は早くなってしまう。

朝焼けに染まる赤富士。


焦りで精神的ストレス、アップ。

流石に呼吸が乱れてきた。

身体的ストレスもアップ。

それでも、身体の動きはまずまずだ。腰に若干の違和感はあっても痛みが無いのは実に素晴らしい事で、ベタでも健康体のありがたみを感じてしまう。引き続き自分の身体を観察しつつ登りに徹する。

焦りを押さえつつ登ること1時間弱で雁ヶ腹摺山に到着した。

秀麗富嶽十二景なだけに開放的な山頂を想像していたが、こちらの予想に反して樹林に覆われていた。しかし、富士山方面だけがあつらえたかのように空間が開かれている。

正面に朝焼けで染まる赤富士の姿が浮かぶ。下方に広がる草地や両側の樹木が洒落た額縁のようで、うまい具合に富士山の姿を引き立たせている。

なるほど、旧五百円札の絵柄になるのもうなずける景色だ。

雁ヶ腹摺山山頂に朝日が射し込みます。


日が昇り気温も上がってきたのか、虫たちの動きが活発化してきた。立ち止まっていると、すぐに毒を盛りに飛来する環境的ストレス状況から逃れるべく、同じ秀麗富嶽十二景一番山頂となる姥子山へ向かう。

雁ヶ腹摺山から姥子山へは400m近く下らなければならない。ピストン山行の今回は下りた分だけ登り返さなければならない事になる。

後々の事を考えると体調は気になるのだが、今現在は爽快気分なので行かないテは無い。

清々しさを絵に描いたような朝日の射し込む樹林帯を颯爽と下ってゆく。あまり人が来ないのか地面はフカフカしている。山道脇には数輪ながらヤマオダマキも可憐に咲いている。

何とも心地好い。
ストレスフリー状態だ。

林道を渡ってしばらくすると下りが終わり、姥子山への登りが始まる。少し登れば姥子山山頂に到着だ。

姥子山からの景色。


雁ヶ腹摺山とは異なり、ここは圧倒的に開かれた山頂だ。狭い岩場からなる姥子山山頂からは、すっかり青空となった景色に黒富士が悠々と鎮座して見える。この天気ではきっと見事な景色に歓喜する富士登山者で賑わっているのが容易に想像できる。

そんな登山者を判別できる距離ではないが、微動だにせず鎮座する黒富士を眺めながら朝食を頂く。その後、ぼんやりとトンボを眺めたり、木彫りをコリコリとしたり、ストレスとは無縁の贅沢な時間を過ごす。

さて、そろそろストレス世界へ戻らなければ。
姥子山東峰にある姥子神社に参拝をしてから来た道を引き返す。

登り返しでは焦りもなく、ようやく自分のペースが戻ってきたのか呼吸が安定している。だが、膝に異変が。

痛い?

いや、痛みは気のせいだろう。気にしないように雁ヶ腹摺山まで登り返す。

やっぱり痛い?

雁ヶ腹摺山から下山を始めると気のせいにできない程に膝の痛みは増し、その痛みを認めざるを得ない状態となってしまった。

旧五百円札の絵柄となった雁ヶ腹摺山からの富士山。


身体的ストレス急上昇か?と思いきや、意外と受け入れている自分がいる。

もっとも自分の好きな事をした結果だ。悔やむどころか赤富士、黒富士の絶景を満喫したのだからむしろ満足だ。あとは無事に帰るだけ。

途中、少々危うい足取りにもなったが無事に大峠へと下山完了。痛む膝を受け入れつつ本日のリハビリ(か?)山行は終了した。

何となく良いように書いたが、実際は「膝の痛みなんてすぐ治るでしょ、へへへ」と高を括っているだけ。未だ顔半分が麻痺している状態なのにどうなる事やら。(他人事・・・)

漫画的山行記録

大月市が制定する秀麗富嶽十二景の一番山頂となる雁ヶ腹摺山/姥子山を歩いてきます。

まだ夜明前の大峠より夜富士。

ヘッドランプを付けて出発です。

しばらくすると樹林の間から覗く空が赤く染まってきました。

朝日に焼ける赤富士。

朝の静けさに赤富士が浮かびます。

雁ヶ腹摺山の途中には急斜面が少々あります。

草原に出ました。山頂はすぐそこ。

雁ヶ腹摺山山頂です。

ココは旧五百円札の絵柄にもなった富士山の景勝地です。

遥かなる富士をのぞむ。

富士山が静かにたたずんでいます。

一方、樹林帯には清々しく朝日が差し込んでいます。

続いて姥子山へ向かいます。

雁ヶ腹摺山から姥子山へは400m近く下らなければなりません。

木漏れ日を浴びながら姥子山へ向かいます。

山道脇にはヤマオダマキ。

朝日を受けて眩しいミドリ。

林道を横断します。

ここから少し登れば姥子山です。

姥子山山頂に到着。

岩場で狭い山頂からは開放的な景色が広がっています。

爽快感あふれる景色です。

この贅沢な景色を眺めながら朝食を頂きます。

食後は木彫りをコリコリ。

球体を彫る事で木目を理解できると教わりました。いかがでしょう。

時にはトンボをボーっと眺めたりもして贅沢な時間を過ごします。

姥子神社のあるお隣のピークにも行ってみます。

姥子神社に参拝。

さーて、奥に見える雁ヶ腹摺山を登り返して帰路に就くかー。

マイペースで登り返します。

再び戻ってきた雁ヶ腹摺山より富士山(旧五百円札バージョン)。

またお会いしましたね。

ココは休憩したくなるスポット。

だいぶ下りてきました。

御硯水の水場。

うまいッ!

無事に下山しました。

すっかり夜が明けた大峠より昼富士。

夜富士、赤富士、黒富士、札富士、昼富士と富士山を満喫(こじつけ多数)した山行となりました。

帰りに道の駅『甲斐大和』で地元のおばちゃんが作ったトマトをつまんで帰ります。

まだ体調は万全ではありませんが満足の山行となりました。

おわり

漫画的山行記録
(新規ウィンドウ表示)

本日の山行情報

単独行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)
標高1874m
詳細(外部リンク)
姥子山(うばこやま)
標高1503m

本日のスケジュール

大峠[着] 04:24 - [発] 04:24
 ↓ 35分 
雁ヶ腹摺山[着] 04:59 - [発] 05:14
 ↓ 45分 
姥子山(西峰)[着] 05:59 - [発] 06:02
 ↓ 4分 
姥子山(東峰)[着] 06:06 - [発] 06:06
 ↓ 1分 
姥子山(西峰)[着] 06:07 - [発] 06:39
 ↓ 55分 
雁ヶ腹摺山[着] 07:34 - [発] 07:37
 ↓ 39分 
大峠[着] 08:16 - [発] 08:16

行動時間:2時間59分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

この山域の関連記事