2015年5月31日
小金沢(大菩薩)連嶺:1泊2日
丸川荘:暇を作って山中で木彫り。

浄化してくれそうな爽やかな樹林帯を歩きます。


ここのところ休日返上で仕事をしている。「している」と言うよりは、せざるを得ない状況。常に『暇』を確保しておきたい私としては痛恨のスケジューリングミスだ。

ウェブ関連業務を生業としている私は、文字通り一日中パソコンに向かい合っている。今週も土日返上でパソコンと共に過ごすか・・・と、あきらめに似た覚悟を決めていたところ、思いもよらず時間調整のチャンスが到来した。

このチャンスは見逃せない。

多少の無理矢理感は否めないが山歩きに出発だ。




柳沢峠から丸川峠へのルートは静かでおすすめ。


今回の目的地は近場の丸川荘。

仕事後の15時過ぎから登り始めてまったりと素泊まり。翌日は午前中に下山してまた仕事を再開する。こんな仕事の合間を縫った山行ができるのも山の近くに住む者の特権だ。一見、ドタバタと慌ただしそうなスケジュールでも、ひとたび山中に入ってしまえば『暇』を堪能できる事間違いなしだろう。

昼過ぎからの急な湿度上昇に夕立を心配したが、麓から見る限り山陵に雲は掛かっていない。何とか夕方まで天気はもってくれそうだ。とは言え、到着が遅くなるため丸川荘に一報入れてから歩き始めた。

今回は柳沢峠から丸川荘へ向かう。

人気のある大菩薩峠エリアの雰囲気とは異なり、苔生した静かな山道を楽しめる個人的におすすめのルートだ。このルートにはキツい登りが一切無く、多少の岩場や足場の狭いトラバースがあっても全体的に歩きやすい状態となっている。気温の上がる夏期でも北側に面した樹林帯のお陰で、涼みながら歩けるのもおすすめできるポイントだ。(ちなみにヒカリゴケも見れます)

夕暮れ間近の静かな樹林帯を2時間程歩いて丸川荘に到着した。

先客は既に夕御飯の最中で、その美味しそうな香りに誘われて、こちらも持参した夕食を早速食べ始める。

ランプの灯る静かな山小屋でゆったりとした時間を過ごします。


丸川荘のTさん(イニシャルで言っても該当者は一人ですが)も交えて、ランプの灯る静かな山小屋でゆったりとした時間を過ごす。先程まで忙しく仕事をしていたとは思えないリラックス気分となっている。バカ騒ぎするでもなく、あれこれ思い悩むでもなく、ただぼんやりと静かに流れる山中の時間に身を任せるのみ。

素晴らしきかな『暇』な時間。

忙しさも大いに結構だが、精神衛生的にも暇は欠かせない私だ。

そんな暇を利用して木彫りの下書きをしておく。

実のところ今回の山行には、忙しさからから脱却する目的以外に『木彫り』と言う裏目的を用意している。背負ってきた無駄に大きいザックには、その材料と道具一式が入っているのだ。

丸川荘の只木さ・・・もといTさんは木彫り職人でもある。以前に丸川荘で購入したTさん作の木彫りのマグカップは私のお気に入りで、今では山行のお供に欠かせない装備のひとつとなっている。そんなご縁もあって、Tさんから木彫りの材料となる山桜の板と丸ノミ、木槌を頂いている。

「それならば丸川荘で木彫りをしよう」と言う事で、材料と道具一式を背負って今に至っている訳だ。

山中で木彫りだなんて如何にもステキ(妄想)だ。とは言え、登山者の多い時間帯では流石に迷惑になるだろう。そこで、まだ登山者が登って来ないだろう早朝に、Tさんの元で木彫りを実践だ。




材料となる山桜の板と丸ノミ、木槌。木彫りの準備OK。


翌早朝、軽い散歩の後、丸川荘前のスペースで木彫りの準備を整える。

早朝の清々しい空気感で満たされているこの場所は、目の前に富士山も拝めて木彫り初体験の環境としては申し分無い。むしろ贅沢すぎるくらいだ。

鳥のさえずりを聞きながら心穏やかにノミと木槌を持っていざ、木彫り。

一刀目。

ノミを打つ木槌の音が静かな山中に響く。予想以上に響き渡る音に若干気は引けたが何だか心地よい。

二刀目、三刀目と続けてノミを打つ。

こーん、こーん。
ちゅきん、ちゅきん。(※鳥のさえずり)

木彫りに関する技術や経験を全く持ち合わせていないが、ただ単純にノミを打つ行為が心地よい。ノミを打つ音が振動となって手から伝わってくる。山と言う環境のせいか、多忙な仕事の時とは異なる集中力の覚醒を感じる。

初、木彫りです。


まだ荒彫り段階ですが、何となく器っぽいのが彫れました。


彫らずに一枚板でも良いのでは?なんて言わないで。

無心に木彫りすること1時間(体感で)。

木槌で手を打って悶絶する事もなく荒彫りは完了した。初体験にしてはまずまずの出来映えに満足もしたが、山中の木彫り行為自体がすこぶる気持ちよかった。

材料と環境を提供してくれて、あれこれと考えさせずにとにかく実践を勧めてくれた只木さ・・・もといTさんには感謝だ。(あと、早朝から騒がしくしても受け入れてくれた親子登山者にも感謝)

帰り道にはヒカリゴケの発見に喜び、下山後の和風ソフトクリーム(柳沢峠にて絶賛販売中)でクールダウン。更に『番屋茶屋』の絶品よもぎだんごを頬張り、『大菩薩の湯』で汗を流して昼過ぎには帰宅。

そして、丸川荘から連れて帰った新たなアイテム『丸鍋』。吹きこぼれナシで美味しく炊けると評判の『丸鍋』は丸川荘の人気商品のひとつで、丸鍋愛好家たちがそれぞれの丸鍋を持って集う『丸鍋の会』なるイベントもあったらしい。

なんてマイノリティな集いなんだろうか。(個人的には大好物です)

木彫りに始まり、コーヒー、ヒカリゴケ、丸鍋、よもぎまんじゅう、温泉・・・。

忙しさの合間でもこんな充実の時間をおくれるなんて、まったく『暇』ってヤツは最高だな。

幻想的な色味のヒカリゴケ。


丸川荘の秘かな人気商品『丸鍋』。


『番屋茶屋』の絶品よもぎだんご。ちょくちょく食べに行ってます。

漫画的山行記録

仕事の合間を縫って丸川荘へ泊まりに行ってきます。

柳沢峠を15:30に出発。今のところ夕立の心配はなさそうです。

夕暮れの樹林帯。朝とは違った静けさです。

丸川峠に到着。

こんにちはー。

到着した丸川荘では既に先客が夕食中でした。

こちらも早速、持参した夕食を頂きます。

食後、ランプの灯る静かな山時間が流れます。

この時間を利用して木彫りの下書き。

実は、丸川荘へやってきたのは、山中での木彫り体験が目的なのです。

木彫り職人でもある丸川荘の只木さんから頂いていた、山桜の板と道具一式を背負ってきました。

こちらが一式です。

翌早朝、静かな山中で木彫り初体験です。

そして、翌朝。

丸川荘前のスペースをお借りして木彫りの準備が整いました。

では、レッツ木彫り。

打つべし!

早朝の山中にノミを打つ音が響き渡ります。

打つべし!打つべし!

無心で彫る事、1時間。

まだ荒彫り段階ですが器っぽいのが出来ました。

早速、只木さん作の木彫りのマグカップをディスプレイしてみましょう。

ほう、いい具合じゃあないか。

更にディスプレイ。

別に彫らなくても板のままで良かったのでは?なんて言わないで。

木彫りの後は、丸川荘ではお馴染みの挽きたて珈琲を頂きます。

只木さん作の木彫りマグカップで頂きます。いいでしょう。

そして!

丸川荘の人気商品のひとつ『丸鍋』をゲット!

これで美味いおコメが食べ放題だっ!

さーて、色々と満足したところで下山します。

帰り道に岩陰を覗くとそこには・・・。

幻想的に光を反射させるヒカリゴケを発見。

こちらは撫でたくなる普通のコケ。

目に優しい新緑の樹林帯を緩やかに下ります。

山ツツジも映えます。

浄化される気分です。

柳沢峠まで戻ってきました。

柳沢峠の和風ソフトクリームでクールダウン。

そして、大菩薩エリアで個人的にお勧めしたいのがコレ。

『番屋茶屋』のよもぎだんご。

よもぎの風味が凝縮された逸品です!

売り切れ必死なので予約しておいた方がいいですよ。

今回は仕事の合間だった割に充実の山行となりました。

さて、また時間を作るために働きますか。

その前に一休み。(仕事しろ)

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/1泊2日/小屋泊/ハイキング/マイカー登山

丸川荘(まるかわそう)
標高1685m

本日のスケジュール

柳沢峠[着] 15:57 - [発] 15:57
 ↓ 125分 
丸川荘[着] 18:02 - [発] 10:06
 ↓ 0分 
丸川荘[着] 10:06 - [発] 10:06
 ↓ 107分 
柳沢峠[着] 11:53 - [発] 11:53

行動時間:3時間52分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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