2015年12月19日
小金沢(大菩薩)連嶺:日帰り
笹子雁ヶ腹摺山:先人の峠越えを偲ぶ。

笹子嶺を越えてきます。


私はスターウォーズっ子だ。

1作目こそ劇場で見れてはいないが、それ以降の作品は欠かさず劇場で見ている。スターウォーズと言えば、誰もが耳にしたことがあるであろう有名なテーマ曲が流れるオープニング。劇場で味わうあのオープニングの高揚感がたまらないのだ。

そんなスターウォーズ最新作が昨日より公開中。

が、しかし、山へ。
スターウォーズっ子とは言え、快晴の天気予報を見逃すわけにはいかない。

「遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・」で始まるテーマ曲を脳内に流しつつ、スターウォーズ気分で歩いてこよう。




明るい上部を目指して登ります。


本日の目的地は笹子嶺。

『笹子嶺』とは笹子雁ヶ腹摺山付近一帯の総称を指す。国道、高速道路、鉄道と3本のトンネルが通っている笹子雁ヶ腹摺山から、米沢山、お坊山、大鹿山を越えて曲り沢峠から下山するスケジュールとした。

これだけのトンネルが開通する以前の生活では、峠越えの不便さが容易に想像できる。付近には『米背負峠』なる名称の峠があることからも当時の苦労がうかがえる。今回は日帰り山行のため荷物は少ないが、実際に峠越えをすることで当時の営みを肌で感じてこよう。

笹子駅付近の登山口まで送ってもらい、墓地の奥にあった山道から、まずは笹子雁ヶ腹摺山を目指す。

真下に国道が通っているだけあって、車のエンジン音がひっきりなしに聞こえてくる。気にしないようにしても耳に入る現代の音を受け入れ、なだらかで歩きやすい山道を進む。

散り積もる落ち葉は、ふかふかと心地よかった秋の様相から変わって、土に還るためしっとりと地面に馴染んでいる。そんな落ち葉の感触を足裏で味わいながら歩く。気がつけば下方から聞こえていた現代的エンジン音も風の音に溶け込み、すっかり馴染んでいた。

笹子雁ヶ腹摺山山頂からの眺め。


背に朝日を浴び、自分の影を追いながら歩くこと1時間強で、快晴の笹子雁ヶ腹摺山に到着した。

綺麗なベンチの正面には、御坂山地越しの富士山が優雅に鎮座して見える。それもそのはず、この山頂はいくつもの名スポットとして選定されており、いくつもの山頂道標が並んでいた。



もう、大人気。(行政に?)
周囲に誰もいなくとも、山頂道標だけは大いに賑わっていた。

こんな名スポットの笹子雁ヶ腹摺山だが、私にとっては雁腹シリーズの一座。今回で雁腹をコンプリートできた私は大満足だ。

【雁腹シリーズとは?】
  • 旧五百円札の撮影地として有名な雁ヶ腹摺山
  • 小金沢(大菩薩)連嶺の主稜線上の牛奥ノ雁ヶ腹摺山
  • 御坂山地との境に位置する笹子雁ヶ腹摺山

注)『雁ヶ腹摺』の語感に惹かれた私が勝手にシリーズ化しただけです。

笹子雁ヶ腹摺山から米沢山へは一部クサリ場のある細尾根です。


さて、ここからは稜線歩き。まずは米沢山へ。

この区間は細尾根となるため油断はできない。慎重に岩場やクサリ場を越えて米沢山まで来れば、その後の山道は広くなり、快晴のマッタリ尾根歩きには申し分ない状況となる。

完全に落葉した木々が取り囲む広い尾根道は、好天もあって寂しさよりも清々しい程の解放感に溢れている。この開かれた尾根道をお坊山、大鹿山と歩き、下山ポイントの曲り沢(平ッ沢)峠まで進む。

歩行欲をそそられる広い尾根道はまだ先へと続いている。時間的にも余裕があり、天気も相変わらず穏やかで優しげな日差しが周囲を照らしている。そして何よりも、この先には名称を聞くだけで登りたくなってしまう『オッ立(おったて)』と呼ばれる山がある。

『雁ヶ腹摺』に次ぐステキな語感。

変わった山名に興味津々の私は、そんな些細な理由でオッ立まで散策続行だ。

木々に囲まれた代わり映えしない景色は続くが、気分はこの広い尾根道のように穏やかで晴々としている。自然な感じで歩く私の存在も多少は山に馴染んだだろうか。

広く開放的な尾根道が続きます。


開放的で素朴な雰囲気を持つオッ立に到着。
周囲に誰も居ないとは言え、「オッタテ!」と不審者まがいの記念撮影をしたことに若干の後悔を覚えつつ曲り沢峠へと引き返した。

曲り沢峠から景徳寺方面へは下山しやすい快適な山道が続き、難なく今回の山行は終了した。

終始快適な山歩きに、先人による峠越えの苦労を共有できたとは到底思えないが、峠を介して山に馴染んだ生活の営みを想像することはできた。

そんな先人の峠越えを偲ぶ山行に、スターウォーズ気分、何処へやら。

漫画的山行記録

小金沢(大菩薩)連嶺の南端に位置する笹子嶺を歩いてきます。

笹子嶺の真下には国道、高速道路、鉄道、それぞれ3つの笹子トンネルが通っています。

そんな笹子トンネルを越える山歩きスタートです。

少々分かりづらいですが登山口は墓地の奥にあります。

墓地内を通過して山道へ。

木々の間に覗く青空めがけて登ります。

小さな鉄塔を通過。

針葉樹の針葉が散り積もって巨大なケモノの上を歩いているようです。

無給電中継装置、と言うらしい。つまり電波の反射板。

笹子雁ヶ腹摺山に到着。

笹子雁ヶ腹摺山の山頂にはいくつもの道標があります。

まずは山梨県による『山梨百名山』。

大月市による『秀麗富嶽十二景』。

そして甲斐大和(甲州市)による『大和十二景』。

何だか大人気です。(行政に?)

富士山を眺めながら綺麗なベンチで小休止。

さて、歩きを再開。

米沢山までは細尾根の岩場があります。

富士と鉄塔。

クサリ場もあり。

米沢山に到着。

続いて奥に見えるお坊山へ。

まだ落ちずに粘る枯葉。

こちらは日本庭園の様相。

お坊山に到着。

名無しの標識の先は・・・、

お坊山東峰です。

昼食タイム。

歩きを再開して大鹿山へ向かいます。

大鹿峠を通過。

大鹿山山頂は目の前。

可愛い道標のある大鹿山に到着。

ここから下山しますが、この先のオッ立(大立山)まで行ってきます。

完全に落葉した見通しのよい尾根道です。

オッ立に到着。

オッタテ!

不審者まがいの記念撮影に若干の後悔を覚えつつ引き返します。

油断するとすぐ暗くなる時期なので早々と下山。

曲り沢峠(平ッ沢峠)からの下山は歩きやすい斜度です。

ちょっと違う所に下山しました。

帰りは田野の湯で汗を流します。

本日越えてきた笹子トンネルには、今日も多くの車が行き交っています。

トンネルなら数分、峠越えなら数時間。

トンネル開通前の峠越えの苦労がうかがえます。

昔の人の脚力が達者になる訳だ。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

単独行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

笹子雁ヶ腹摺山(ささごがんがはらすりやま)
標高1357.7m
詳細(外部リンク)
米沢山(よげさわやま)
標高1357m
お坊山(おぼうやま)
標高1421m
大鹿山(おじかやま)
標高1236m
オッ立(おったて)
標高1301m

本日のスケジュール

新田登山口[着] 08:30 - [発] 08:32
 ↓ 76分 
笹子雁ヶ腹摺山[着] 09:48 - [発] 09:51
 ↓ 60分 
米沢山[着] 10:51 - [発] 10:55
 ↓ 30分 
お坊山[着] 11:25 - [発] 11:26
 ↓ 7分 
お坊山東峰[着] 11:33 - [発] 12:16
 ↓ 45分 
大鹿山[着] 13:01 - [発] 13:02
 ↓ 16分 
オッ立[着] 13:18 - [発] 13:28
 ↓ 49分 
曲り沢峠登山口[着] 14:17 - [発] 14:32
 ↓ 9分 舗装道路
田野の湯[着] 14:41 - [発] 14:43

行動時間:4時間52分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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