2015年2月7日
小金沢(大菩薩)連嶺:日帰り
大菩薩嶺:丸川、大菩薩、石丸、上日川、冬の峠巡り。

近所の橋の上から大菩薩嶺方面。


大菩薩嶺エリアの峠巡りに出掛ける。

冬期のメイン登山口となる裂石ゲート前の駐車場から丸川峠、稜線伝いに大菩薩峠、石丸峠、そして上日川峠へ下山する、まさに峠を巡るプランとなる。

本日はヨメが車で出掛けてしまうため、その前に登山口まで送ってもらう。自宅から数分の距離だからこそ頼める事だ。

まあ、断られても歩いて行っちゃう訳だが。




日の出前の静けさ。


日の出前の6時過ぎ。

ヨメに丸川峠分岐駐車場まで送ってもらう。駐車場には既に数台の車が停まっており、この時期でも土日は満車状態となる。駐車場や帰りの運転の心配をする事なく純粋に山歩きできるのは地元住民の特権だ。

登り始めると体調の良さがわかる。本日は黙々と歩ける体調に間違いない。そのせいか、身体も頭も覚醒している感じがする。

個人ではどうにもならない事から、どうでも良い些細な事まで、あれこれと考えながら登る。考えただけでは答えなど出ないし、答えを導きだしたと思っても一時的に納得しているだけ。そもそも、全てにおいて共通の答えなどあるのだろうか。それでも考える事を止めるべきではないと感じる。考えを止めず、足元ばかりではなく前も見て登り続ける。

おっ。山歩きの最中らしい格言めいた発想だ。
こんな一時的な答えに満足したところで丸川峠に到着した。

そろそろ稜線に乗ります。


丸川峠には木彫りのお地蔵さんと、その傍らに同じく木彫りの小人(?)が雪の中にひっそりとたたずんでいた。そして、すぐ側には山小屋『丸川荘』がある。冬期は無人かと思いきや、山小屋のご主人がいたので、小屋の中で休ませてもらう事にする。

丸川荘の中には木彫りの雑貨やお釈迦様の像など、多くの木工作品が並べられていた。話を聞くと、全てご主人の手作りと言う。今思えば、丸川峠にあった木彫りのお地蔵さんと小人もご主人作か(未確認)。

多数ある作品を眺めていると山桜のカップに目が止まる。大きさや風合いも私好みだ。「木目も色々だから手にとって他のモノとも比べてみて」と言われたが、一通り見比べた結果、最初に目に止まったカップを購入した。こういうモノは第一印象が大事。早くも今後の山行のお供になりそうな予感がする。
※木彫りのカップは熱湯を注いで数時間おいても漏れがないか検査をしているそうです。

そして、ここのコーヒーは注文を受けてから豆を引いて淹れてくれる本格派。ご主人の独学という話だが、お客さんに好評らしく、ご主人の人柄から何だか慈悲深い味わいがしそうだ。マイカップ持参だと割引きもしてくれるらしいので、次回は購入した山桜カップを持ってこよう。

1時間ほどゆっくりさせてもらい、次の峠である大菩薩峠へ出発した。

丸川峠のお地蔵さんと小人(?)。


丸川荘には木工作品が多数あります。


山桜の手彫りカップを購入。

丸川峠から大菩薩嶺までは、この時期でも比較的人が多いようで、雪面には踏み跡が明確に残されている。丸川荘で休憩中、立て続けに登山者が通り過ぎていった様子を見る限り、もう駐車場は満車になっていそうだ。

明確な踏み跡を辿って歩き始めると、あれだけゆっくり休んだのに息が切れる。調子に乗ってペースを上げ過ぎたのか、うつむいてハアハアと息を吐きながら無心で歩く。『考えを止めず前を見て云々』と先程出した答えを早くも覆されつつ、黙々と大菩薩峠へと向かう。

まずは大菩薩嶺を登りきってそのまま通過。樹林帯が途切れて見晴らしの良い雷岩まで来ると、ガスで真っ白なうえに冷たい風が吹きすさんでいた。

歩き始める前に、大菩薩嶺山頂付近だけに雲が掛かっている事を確認している。日の出と共に雲が上がる事を期待していたが、どうやらその願いは叶わなかったらしい。それにも挫けずに、真っ白な稜線に突入した。

積雪はそこそこあり、深いところでは膝下まで雪に埋もれる。そして寒い。寒くて鼻水が出る。ガスで視界は悪く周囲に誰も居ない事を良い事に、鼻水は垂らしっぱなしだ。

尾根を外さないように大菩薩峠へ標高を下げてゆくと、寒さが和らぎ視界も利くようになってきた。それと同時に大菩薩峠にある介山荘も見えてきた。到着した大菩薩峠には、何人かの登山者が休憩しており、皆さんこの天気にガッカリしている様子。私も同じくガッカリで、この天気では景色も見れず石丸峠へ行っても楽しめそうにない。

雷岩はガスで真っ白。そして風が寒い。


大菩薩峠まで来ました。晴れないかなぁ。


大菩薩峠の休憩所で天気の様子を見ます。晴れないかなぁ。

休憩所でお茶を飲みながらしばらく様子を見ていると青空が見え始めた。やはり青空はいい。もう下山する気分になっていたが、青空効果のおかげで予定通り石丸峠へと向かう。

ここからの踏み跡は薄く、本日は誰も歩いた形跡がない。あるのは縦横無尽に駆け抜けたのだろう真新しいシカの足跡のみだ。

シカの足跡に惑わされず、地形を把握しながら小ピークを越えると、石丸峠へと下降する雪原が現れた。この場所に関して、広大な笹原の斜面を颯爽と下った過去の山行記憶が鮮明に甦る。丁度よく青空も広がりつつあり、文句無しに爽快感は高まった。

石丸峠めがけて雪面を一気に駆け下ります。


踏み抜いてしまうと腰近くまで埋まってしまう雪面をゴロゴロと駆け(転げ?)下りる。ワカンを持っていたのだが今更装着するのも面倒となり、少々夏道を外してまっさらな雪面を転がるように石丸峠へと下った。

爽快爽快。今回の山行は実はここが目的だったりもする。
目的を果たせてスッキリ爽快だ。

石丸峠から上日川峠へ向かう山道は、ここ数日、人の歩いた形跡がなくても分かりやすい程にシカの足跡が付いていた。あらぬ方向へ誘導されないように注意しつつも、ほぼ山道伝いに足跡が残されているため、結果的にシカに導かれている格好となる。

何度か林道を横切り、何度か沢を渡って本日最後の峠となる上日川峠に到着した。空は青空でポカポカと暖かいこの様子では、きっと大菩薩嶺も晴れているのだろう。『下山したら晴れました』パターンここにあり。(よくある)

下山したら晴れ。よくあるパターンです。


上日川峠では、数年前の遭難騒動(2013年5月5日記録参照)でご迷惑をお掛けした『ロッヂ長兵衛』が開いていたので直接お詫びに伺う。当時の事をご主人は覚えており、「何はともあれ無事で学べたらよかったよ」とあたたかい言葉を掛けてくれた。

それにしても縁とは異なもの。狙った訳でもないのに遭難騒動を引き起こした張本人がこのエリアに引越して来るなんて・・・。

上日川峠からは、難なく大菩薩峠登山口バス停まで下山した。

徒歩だと気になる場所へ気軽に立ち寄れるのが嬉しい。バス停の手前には『裂石山』の山号を持ち、大菩薩峠や周辺地名の由来由縁のある『雲峰寺(うんぽうじ)』がある。仁王門では威圧感のある仁王像が見られ、その背後にもドキリとする眼差しがあった。(是非その目で確かめて下さい)

丁度、バスがやってくるタイミングだったが、折角なので散歩がてらに歩いて帰る。散歩と言いつつヘトヘトになって、最後は自宅付近の塩山荘の温泉(入浴550円)に浸かって峠巡り山行を締めくくった。

本日は結構な距離を歩いた疲れもあって、最後の温泉ではもうね、トロけました。

『雲峰寺(うんぽうじ)』への階段。本日一番の急登かも。


大菩薩峠や周辺地名の由来由縁のある『雲峰寺(うんぽうじ)』。


高アルカリ温泉が入れる塩山荘。オススメです。

漫画的山行記録

丸川峠、大菩薩峠、石丸峠、そして上日川峠と、冬の峠巡りに行きます。

ヨメは車でお出かけ。
そこで、出発前に大菩薩の登山口である丸川峠分岐駐車場まで送ってもらいました。

日が昇る前に丸川峠へ向けて山歩きスタート。

静けさの中で登ります。

考え事をしながら黙々と登ります。

稜線に出たようです。

丸川峠に到着。ん?奥にあるのは・・・。

手彫りのお地蔵さんでした。小さい方は、誰?

丸川荘に立ち寄ります。

丸川荘にはご主人手作りのお釈迦様や雑貨など木彫り作品が多数があります。

山桜の手彫りカップを購入。今後の山歩きのお供にしよう。

丸川荘のご主人と話込んでたっぷり休憩したところで山歩き再開です。

数日前に降り続いた雪もさほど影響なく普通に歩けます。

大菩薩嶺に到着。山頂付近は雲に覆われています。

雷岩。風が寒い・・・。

ガスで真っ白。寒いし、鼻水は垂れるし・・・。

切りの良い地点。

賽ノ河原の避難小屋が見えてきました。

大菩薩峠にある介山荘が見えてきました。

大菩薩峠に到着。晴れないかなぁ。

休憩所で丸川荘で購入した山桜カップを早速使います。

休憩所の窓ガラス。晴れないかなぁ。

晴れ間が見えてきたので石丸峠へ向けて出発。

ここからはあまり人が来ないのか、踏み跡はうっすらです。

小ピークを越えて石丸峠が見えてきたー。

上日川ダムを眺めながら転がるように下ります。

この辺りで膝ぐらいまで雪に埋もれるのでワカンが便利です。

石丸峠を通過して上日川峠へ。

下山してから晴れてきた・・・よくあるパターン。

人の踏み跡は薄いですがシカの足跡はタップリあります。

林道に合流。

少しばかり林道を歩きます。すっかり晴れやがって。

ここからまた山道です。

しばらく歩くとまた林道に出ます。

林道を横断してまた山道へ。

沢を越えます。

積雪も薄くなってきました。

また沢を越えます。

上日川峠に到着しました。

無事な下山に乾杯。(まだです)

後は裂石まで下山します。

先日、この区間を歩いた時はアイゼンが必要な程にツルツルでした。

ですが、積雪があるためアイゼンが無くても下山出来そうです。

無事に下山。

千石茶屋のベンチで一息付きます。

もう積雪なし。

丸川峠分岐駐車場まで下ってきました。うわ、満車。

この環境でも立派に生きてます。

雲峰寺に寄ってみます。本日一番の急登か。

仁王像が睨みを利かせています。その後ろにも・・・。

雲峰寺。なんだか歴史を感じます。

天然記念物になっている雲峰寺のサクラです。

大菩薩峠登山口バス停まで下りてきました。

ここからバスで帰ろうかと思いましたが、散歩がてらに歩いて帰宅します。

塩山エリアは樋口一葉にゆかりがあるようです。と言うか、樋口家のゆかりの地です。(※樋口一葉は東京生まれ)

岩間温泉というのがあったので寄ってみます。

予約の泊り客がいないと立ち寄り湯は入れませんでした。

代わりに岩間温泉の隣にある神部神社に参拝。

近所の橋から正面に大菩薩嶺を拝みます。

最後に塩山荘の温泉(入浴550円)でとろけて帰宅。

結構歩いて疲れた・・・。

おわり

漫画的山行記録
(新規ウィンドウ表示)

本日の山行情報

単独行/日帰り/8時間以上歩行/自宅から徒歩

大菩薩嶺(だいぼさつれい)
標高2057m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

丸川峠分岐駐車場[着] 06:10 - [発] 06:10
 ↓ 90分 
丸川峠[着] 07:40 - [発] 08:50
 ↓ 65分 
大菩薩嶺[着] 09:55 - [発] 09:55
 ↓ 45分 
大菩薩峠[着] 10:40 - [発] 11:10
 ↓ 25分 
石丸峠[着] 11:35 - [発] 11:35
 ↓ 70分 
上日川峠[着] 12:45 - [発] 13:00
 ↓ 75分 後半は舗装道路
雲峰寺[着] 14:15 - [発] 14:30
 ↓ 5分 舗装道路
大菩薩峠登山口バス停[着] 14:35 - [発] 14:45
 ↓ 65分 舗装道路
岩間温泉[着] 15:50 - [発] 15:55
 ↓ 15分 舗装道路
塩山小田原温泉『塩山荘』[着] 16:10 - [発] 16:10

行動時間:7時間35分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

この山域の関連記事