地元山形の友人KがGWを利用して関東方面に来る事になった。
現在山形滞在中の私もGWは千葉の自宅に戻っているので、東北とは違う雰囲気の山を案内するにはいい機会だ。
と言う事で大菩薩連嶺縦走の旅に出掛けた。
初日は大菩薩峠登山口バス停近くの駐車場に駐車。そこから1~2時間ほど歩き、上日川峠のテン場でテント泊。
2日目は大菩薩嶺に登り、小金沢山、牛奥ノ雁ケ腹摺山を経て湯ノ沢峠の避難小屋で宿泊。
3日目は滝子山まで縦走を続けて初狩駅に下山。後は電車、バスを乗り継ぎ、駐車場まで戻るスケジュールだ。
初日の今日は、駐車場から上日川峠まで1~2時間ほど歩くだけの行程。それでも中央道のGW渋滞に巻き込まれれば、テン場の到着は夕方頃になってしまうだろう。
案の定、中央道は大渋滞。
一向に進んだ気にならない道路状況にイライラも募り、「お前ら、渋滞を予想して早めに行動しておけよ!」と、誠に身勝手な発想が頭を巡る。こんな、「お前もな!」と確実に言い返されるような事を思いつつ、何とか目的地の駐車場に到着した。
準備を整え、出発する頃には16時をまわっていた。
さすがにこの時間にもなると下山者ばかりで登りは誰もいない。
登り始めて30分もしない内にミゾレ(?)が降ってきた。
天気はすぐに回復したもののミゾレが降るほどの気温だ。今晩はヌクヌクと過ごせそうにない。
ボチボチと歩いて暮れなずむ上日川峠のテン場に到着。
この峠から発する上日川(かみひかわ)はその昔、三日血川(みっかちがわ)と呼ばれ、渓流が血に染まり三日間消えなかったという『古屋惣蔵片手千人切り』の伝承がある。
これは後で知った事なのだが、事前に知らなくて良かった・・・。(いい大人が『血』にビビり過ぎ)
テントを設営し、付近をぶらぶらと散策していると、ロッヂ長兵衛の向かいにバス停を発見。
大菩薩嶺方面のバスは塩山駅発のみと思っていたのだが、甲斐大和駅からも出ていたようだ。しかもこの上日川峠までバスが来ているではないか。
そうとわかっていればここまで車で来るスケジュールにしたのに・・・と、己の事前リサーチ不足を嘆き、友人Kには「麓から登ってこその大菩薩嶺だよな。な!」と、論点をすり替えておいた。
日もすっかり暮れたところでメシの時間だ。
米を炊き、サンマの缶詰をおかずに梅しらすを混ぜ込んだ炊き立てゴハンをかっ喰らう。
缶詰は山に持って行くには重いしゴミもかさばるしで敬遠していたのだが、最近は気にしなくなった。重かろうがかさばろうがウマイものを食べたい欲求にはかなわないのだ。
思いのほか気温は低い。
あまりに寒いため、食後はテント内へ直行。
隣のテントからは「おおぅ、さみぃ、さみぃよー」と単独行オヤジの独り言が聞こえてくるほどに気温は低い。
その点、私は先週に雪上テント泊をしておいたのが良かったのか、見知らぬオヤジの寒がる様子を聴き流しながら快適に就寝できた。
夕食の締めに宇宙食のたこ焼き。その味の再現力に驚きだ。
お腹も満たされたし、明日からの大菩薩連嶺縦走はガツガツ歩けそうだ。