2013年12月28日
奥秩父:日帰り
両神山:ほぼ日陰のお供山行。

朝焼けに染まる両神山。


今年中に両神山に登っておきたいヨメが、年末差し迫ったこの時期に決行。

標高1723mの両神山は既に積雪しており、クサリ場なども凍結の恐れがある。
ヨメの単独では心配なので、しょうがなくお供として付いていく事にした。

自分が登りたいだけだろう?
何をおっしゃるか。

まあ否定はしないが。



日向大谷の駐車場から会所の分岐までの区間は、積雪無しで日当たりも良く快適。


天気は最高。
朝焼けに染まる両神山を眺めながら、登山口となる日向大谷へ車を走らせる。

風も穏やかで気持ちよい山歩きが期待できそう。
もうウキウキ。(※自分が登りたいだけ)

今回のルートは両神山で最も一般的な表参道コース。

両神山に来るのはこれで3度目の私。
それぞれ別のルート、別の季節、別の状況だったので、3度目とは言っても新鮮さがある。特に季節の違いは大きい。

日向大谷の駐車場から会所の分岐までの区間は、積雪無しで日当たりも良く快適だった。
しかし、ここからの表参道コースは谷間歩きとなり積雪も目立つ。

何よりも日陰となるため寒々しい。
見上げれば青空や日差しを受ける暖色系の稜線が見えるというのに、身の回りは寒色系一色だ。

日陰は寒色系一色。


そして、末端冷え性である私の指先は早くも死んでいる。

楽しみたいのに凍えてしまうとは・・・。
唇を真っ青にしながらプールで泳いだ小学生の頃の気分だ。

山道は積雪していても所々で土が露出しており、ガリガリに凍てついている訳ではない。
この状況ではアイゼンはまだ必要ないか。

雪が降り始めるこの時期の山道状態は、アイゼン脱着のタイミングが難しい。
こまめに脱着すれば良いのだろうが、誰もがこう思っているはず。

「面倒臭い」と。

ここは余程危険な地形に出会さない限り、慎重な歩みで乗り切る事にする。

寒々しい状況を登り続けて、沢の音が遠ざかる頃にようやくお日さまと再会。
死んでいた指先の感覚が戻り、鳥のさえずりや木々を揺らす風の音が心地よく感じられるくらいの余裕が出てきた。

日に当たるだけでこうも違うものか。

しばらくすると2階建ての立派な清滝小屋(無人小屋)が見えてきた。
ここ数日は誰も来ていない様子で、うっすらと新雪の積もった山道には野ウサギの足跡しかない。

立派な清滝小屋(無人)。


清滝小屋で休憩していると、また体が冷えてきた。
指先は真っ先に死んでいる。

ここからの登りはまたしても日陰。
指先の感覚回復のためにも張り切って登らなければ。

ここからは急坂になるので、休憩ついでにアイゼンを装着しておく。

この標高にもなると土が露出している箇所はなく、圧雪された山道はアイゼンが良く効いて歩きやすい。
快調な歩みで七滝沢コースとの合流地点を越える。

ここからは時期こそ違えど2年ほど前に登った事のあるルート。
記憶とは大したもので、見覚えのある景色に懐かしい気分にもなれる。

その記憶通り、表参道の難所であるクサリ場が出現した。

雪面に張り付いているクサリは見るからに冷たそう。
素手で握ったら皮が貼りつきそうだ。

グローブ越しとは言え、このクサリを握るのには躊躇してしまう。
ここまでの登りで、せっかく息を吹き返しつつあった指先なのに。
でも致し方ない。

極力、クサリを握らないようにしながら、クサリ場を乗り越えた。
でも指先はまたしても死んだ。

見るからに冷たそうなクサリ。


二つの神社が並ぶポイントに到着。

まずは両神神社本社。

オオカミが狛犬の両神神社には独特の雰囲気がある。
神社特有の神聖さとは異なる奇々怪々な世界観だ。

そしてすぐお隣の両神御嶽神社本社。

こちらも独特な雰囲気で、ポップな感じの狛犬が鎮座。
アメリカ育ちで、今にもジョークのひとつでも飛ばしそうな表情をしている。

このどちらの神社も落書きだらけ。
中には切なる祈願もあるかもしれないが、程度の低い落書きの代表格である相合傘などは完全にアウトだろう。

いや、まてよ。
ここまで登って書き残す位だから、修行の要素も含まれているし、一種の祈願ではあるか。

・・・。

いや、アウトだろう!


独特の雰囲気がある両神神社本社。


両神神社本社の狛犬(阿形)。


両神御嶽神社本社の狛犬(阿形)。

いつの間にか指先が完全復活している。
ここまで来れば日当たり良好、山頂までもう少しだ。

気を抜かずに山頂直下の岩場を登り、本日はまだ誰も踏み入れていない両神山山頂へと到達した。

山頂から見えるのは、寒い季節独特の清涼感ある青い空と、折り重なって広がる秩父の山々。

どんなに素晴らしい写真家でも歴史に名を残す文豪や画家でも、こういった自然の景色を完全に表現する事はできないだろう。
私ごときの表現力では微々たるモノどころか、むしろマイナスポイントだ。

だからこう言ってやるのさ。

「行けばわかるさ」ってね。

という妄想をしていたら、体が冷えてきた。
はい、下山、下山。

山頂はすぐそこ。


折り重なって広がる秩父の山々。


体が冷え切ってしまう前に下山。

アイゼンを引っ掛けてつまずかないよう、慎重に下る。
途中、アイゼンを外すタイミングを早まってしまったが、足を滑らせて尻餅をつく事なく日向大谷の駐車場へと無事に下山した。

私と同じく末端が冷えやすいヨメも、今回の山行には満足した様子。
無事に下山できて、お供として付いてきた甲斐があったというモノ。

何?自分が登りたかっただけだろう?

まあ否定はしないが。

漫画的山行記録

ヨメのお供で両神山へ。

え?自分が登りたいだけだろう?

まあ否定はしませんが。

朝焼けに染まる両神山。

日向大谷の登山口から歩き始めます。

では登山届を出して出発。

ここからは聖域です。

印の結び方が難解。

この辺りはまだ積雪していません。

ちょっと怖いんですが・・・。

沢を渡ります。

不動明王様、目ぇ真っ赤ですが鼻炎ですか。

寒々しい日陰の谷間歩きが続きます。

八海山。『山』と言うほどピークっぽくはないんですが。

まだ日が当らなくて寂しげです。

ああ、ようやく日向。あったかーい。

不動明王も日光浴。

ぽっちゃりした鳥がさえずってます。

弘法様は右上で顔だけ出しています。

清滝小屋に到着。

ここ数日は野ウサギしか訪れていないようです。

アンティーク感溢れる石仏。

ようやく尾根にのりました。

クサリ場の始まり。

また日陰入り。寒い・・・。

2年前はなかった階段が設置されていました。

エスハチにアイゼン初装着。

両神神社までやってきました。

阿(あ)形というよりはイ形。

両神山の狛犬はニホンオオカミです。

両神神社に参拝して、隣接している御岳神社奥社にも参拝します。

御岳神社の狛犬はアメリカンジョークでも言ってそうな造形です。

なあボブ、聞いてくれよ。

何だい?トム。

このウィンナー、実は尻尾なんだ。

へぇ、そうかい。てっきり君自慢のチ・・

おっと、神社で下ネタはご法度だぜ。

罰当たりな妄想を慙愧して、山頂まで登りを再開します。

日差しが恋しい。

山頂までもう一登りです。

真っ青な空の下、両神山山頂で参拝。

両神山山頂の更に頂へ立つ。

折り重なる秩父の山々。

気持ちよく下山します。

独特の雰囲気を放つ両神神社を通過。

清滝小屋にはプチかまくらがありました。

ちょっと休憩。

両神山は修験道色が強く、あちこちに石仏が安置されています。

浄化してくれそうな沢の流れ。

無事に聖域入口まで戻ってきました。

駐車場へ戻って無事に下山。

お疲れ様でした。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/日帰り/8時間以上歩行/マイカー登山

両神山(りょうかみさん)
標高1723m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

日向大谷[着] 07:40 - [発] 07:40
 ↓ 140分 
清滝小屋[着] 10:00 - [発] 10:50
 ↓ 115分 
両神山[着] 12:45 - [発] 12:55
 ↓ 80分 
清滝小屋[着] 14:15 - [発] 14:45
 ↓ 115分 
日向大谷[着] 16:40 - [発] 16:40

行動時間:7時間30分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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