2012年4月30日
奥多摩:3日目
雲取山:巻いて巻いて奥多摩小屋。

何とか電波の届く場所を探してメールを確認すると、近所のKさんが奥多摩小屋でテント泊するために向かっているとの情報を得た。
笠取小屋から飛龍山を越えたら、三条の湯まで下り幕営しようかと思っていたが、奥多摩小屋で合流するのも楽しそうだ。

早速、日の出前に出発。

笠取小屋から将監峠へ抜ける巻き道には、いくつもの沢があります。


笠取山、唐松尾山、竜喰山のピークを経て奥多摩へ抜けたい気持ちもあったが、今の体力では多分しんどいだけ。
巻ける箇所は全て巻いて奥多摩小屋を目指すことにする。

巻き道をフル活用しても奥多摩小屋まで10時間程かかるスケジュールなのだが、気分は上々、体調も万全で歩行欲に満ち溢れている。

笠取小屋から将監峠へ抜ける巻き道は、いくつもの沢を越えなければならない。
しかし木橋などの山道整備のおかげでラクラク進むことができる。

途中の沢で顔を洗えば気分もスッキリ。
積雪はなく、休憩も必要ないくらいに絶好調の歩みだ。
ただ、調子に乗りすぎると、昨日までに蓄積されたお尻の筋肉が悲鳴をあげてしまうので、程良く休憩しながら距離を稼いでゆく。

飛龍山の登りの一部に氷がこんもり盛られています。注意!


あっという間(といっても3時間)に将監峠に到着。
将監小屋には立ち寄らず、本日最初の登りである飛龍山へと向かう。

飛龍山の登りでは昨日までの辛かった記憶が蘇ることなく丁度いいペースで登っていける。
不思議なもので体が順応してきたのか、ザックの重みにも慣れた感じで、疲労とうまく付き合えるようになっている。

飛龍山の登りではまだ積雪箇所もあり、氷がこんもり盛られているツルンツルン箇所もあるため油断はできない。
かと言ってアイゼンを着けるまでもない。


いい感じで飛龍権現神社(祠)の分岐に到着。
飛龍山頂には行かず、代わりと言っては何だが禿岩に立ち寄ってみる。

南西側の見晴らしが最高の禿岩からは、霞んでいて視界良好とはいえなくとも大菩薩嶺や富士山を眺めることができた。
禿岩にはこれから甲武信ヶ岳方面へ向かうソロ縦走者が休憩しており、同じ奥秩父主脈縦走者として同じ思いを共有しながらしばらく語らった。

北天のタルより、雲取山をはじめ、石尾根を眺めることができます。


禿岩でたっぷり休憩した後は、北天のタル、狼平を経て、いよいよ本日最後の登りである雲取山に取り掛かる。

傾斜がキツく、本日初めて汗ばむ歩きとなる。
息を整えて淡々と登ってゆくと、これまで疲労していたお尻の筋肉がウソのように力強く登りに貢献してくれている。

「そうか、それほどまでに雪道は辛かったのか・・・よしよし」と自分のお尻を愛でながら(変態!)雲取山頂に到着。

雲取山頂に着いた途端、周囲にいる登山者の雰囲気がガラリと変わった。
皆、装備も服装もオシャレな感じで、観光地的な明るい雰囲気がある。

缶ビールで乾杯したり、道標の前で集合写真を撮ったりと、それぞれ思い思いの山頂を楽しんでいる。
黙々と縦走して得られる楽しさとは別物だとしても、こんな感じで山頂を楽しむのも悪くないな。

奥多摩小屋のテン場。双眼鏡でKさんを確認!


後は石尾根伝いに奥多摩小屋へ下って行けば本日の行程は終了だ。
先程、禿岩で会ったソロ縦走者から、「奥多摩小屋には缶ビールしかなかったですよ」との情報を得ていたのだが、完全下戸の私はジュース類が補充されていることを期待しつつ奥多摩小屋へと向かう。

なかった。

ガッカリしながら水場で喉を潤す。
(※水も普通に美味しいです)


見た目は美しくないがウマイ!


既にテントを設営してくつろいでいたKさんとも合流することができ、縦走3日目にしてようやく食欲が完全復活。
Kさんが残してくれたモツ煮込みを頂いて、モツ煮込み卵雑炊を作る。

持参していた長ねぎと七味も投入して、もうマズイ訳がない夕食をたっぷりと堪能した。
食後はマットに横になって、おぼろ月を眺めながらチョイ寝。

縦走初日から疲れが蓄積されていくどころか、体が順応して体調も良くなり、気分にもゆとりが出来てくるなんて不思議だ。
明日も引き続き、山歩きを楽しむか。

本日の写真

本日は目的地まで距離があるため、薄暗いうちに出発。

木橋多数あり。

巻き道経由でどんどん距離を稼ぎます。

豊富な水量の沢。

いくつもの沢を渡って行きます。

シカの仕業か?クマじゃないよね・・・。

黒エンジュ分岐。

またもや沢。

またまた沢。

石で整備された山道。

夏ならひんやりして涼しそう。

木橋がなければとても渡れそうにない。

苔で覆われた倒木。

かなり崩れています。

山の紳土分岐。「紳士」じゃなくて「紳土」。

広々とした笹原。

鹿の抜け毛?

将監峠(しょうげんとうげ)。

将監小屋が見えます。

ちょっと乾燥している苔地帯。

存在感のある岩。

細く切れ落ちている谷。

飛龍山(大洞山)が見えてきた。

チチブシロガネソウ、か?

場所によってはガリガリ。ここはかなり滑る。

緑の濃い時期になってきた。

禿岩からうっすらと富士山。

飛龍権現神社(祠)の分岐。

おっと、道を間違えた。

雲取山や幕営地の奥多摩小屋のテン場が見えてきた。

空中遊歩道。整備に感謝。

この辺りでもまだ積雪あり。

北天のタル分岐。「タル」って何だ?弛み?

奥多摩小屋のテン場が良く見えます。(双眼鏡で)

黙々と歩きます。

歩きやすいが、いいかげん疲れてきた。。

小さな鞍部に広がっている「狼平」。

本日最後の登りで雲取山山頂へ。

この山道は傾斜がキツイ。

雲取山山頂に到着。

広々した石尾根縦走路を進みます。

奥多摩小屋のテン場を眺めます。本日の行程も残り僅か。

本日の山行情報

単独行/3日目/テント泊/縦走/電車・バス登山

雲取山(くもとりやま)
標高2017m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

笠取小屋[着] 04:55 - [発] 04:55
 ↓ 175分 
将監峠[着] 07:50 - [発] 08:05
 ↓ 155分 
禿岩(飛龍山)[着] 10:40 - [発] 11:15
 ↓ 50分 
北天のタル[着] 12:05 - [発] 12:30
 ↓ 85分 
狼平[着] 13:55 - [発] 14:10
 ↓ 80分 
雲取山[着] 15:30 - [発] 15:55
 ↓ 45分 
奥多摩小屋[着] 16:40 - [発] 16:40

行動時間:9時間50分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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