2012年4月29日
奥秩父:2日目
破風山:山男達に導かれて奥秩父をゆく。

日の出と共に出発。


昨晩はリンゴしか食べなかったせいか、起きると腹が減っている。

今日は笠取小屋まで進んでおきたいが、雪道のため余計に時間がかかるだろう。
しかも昨日のヘロヘロ振りでは更に時間がかかること必至。

米を炊いて朝食をバッチリ摂ってから日の出と共に出発、体力温存も兼ねて甲武信小屋から巻き道を活用だ。

巻き道に踏み込むと古いトレースしか残っておらずわかりづらい状態。
確認しながら数歩進むと、ズボッと腰辺りまで雪に埋まってしまいジタバタと脱出するも、これだけであっさり息が切れてしまった。

この調子ではまずいと思い、巻き道をあきらめて昨日通った木賊山を登り返すことにした。
早速、無駄に体力を消耗してしまった感じ。

ハァハァと疲れていても富士山はキレイです。


朝日を浴びながらマイペースで木賊山を越え、破風山へと向かう。
朝一番で出てきたので雪面がパリパリと締まって、そっと歩けば踏み抜いてしまうこともなさそうだ。

と、思いきや破風山への雪道はあまり歩かれた形跡が少なく、やはりズボッと埋まってしまうことが度々あった。

足を引き抜くことでも体力を消耗してしまうが、崩した体制を瞬間的に整えようとする力がバカにならず、これだけで一気に息が上がる。
歩き方がなっていないのか、いつもより荷物が重いせいか、単に体力がないせいか、雪道の山歩きがここまで堪えるとは・・・。


休み休み破風山を登って行くと、私より後に甲武信小屋から出発してきた方達が追いつき、アッサリと追い越して行く。
さすがに皆さん淡々とした歩みだ。

雁坂峠までもう少し。


もうマイペースに徹して頻繁に休憩しながら歩みを進めるものの、だんだんと気が滅入ってしまい、「途中の雁坂小屋で泊ってそのまま西沢渓谷に下山しちゃおうかな・・・」という気持ちが強くなってきた。
「下山したらとりあえずマック食っとくか」と、俗なことを想像しつつ、何とか破風山、雁坂嶺を越えて日本三大峠の一つ「雁坂峠」に到着した。

雁坂峠では甲武信小屋で知り合ったベテランおじさん達がのんびりと休憩していた。
雁坂小屋に泊って西沢渓谷に下山することを話すと、「下山するのぉ?笠取小屋まで行っちゃおうよ」と、軽いノリで励ましてくれる。

この先アイゼンは必要なくなる、傾斜もゆるくなるからラク、などと話を聞いているうちに当初の予定通り笠取小屋まで行ける気になってきた。(単純)
「ヨッシャー、行ってみるか!」と笠取小屋を目指すことにしたが登り始めるとやはり辛く、ベテランのおじさん達に次々と追い越されて、置いてけぼりにされた感じになる。

「何だか楽しめてない」

ふと、そんなことが頭に浮かぶ。

縦走の最終目的地ばかりを意識するあまりに、一つ一つの山を乗り越えた達成感が薄くなっていたようだ。
それに加え、先ばかり急いで楽しむことを忘れてしまっていた。

ここはあくまで自分のペースで楽しめる山歩きに変更だ。

計画的に用意していたリンゴをお構いなしで食べちゃう。


急がず焦らず立ち止まって気になる景色を撮影、お楽しみアイテムの双眼鏡で景色を堪能。
疲れそうになったらマットに寝転がり休憩、その場所が気持ち良かったらそのまま昼寝。
朝食用に取っておいたリンゴも、おやつ代わりに構わず食べる。

何でもかんでも我慢すればいいってもんじゃないな。
予約を入れている訳でもないし、夕暮れまでに小屋にたどり着けなければビバーク体験も楽しそうだ。

こんな気持ちで歩みを進めると、同じように疲れはするが楽しい気分になって心地よい疲れに変わってきた。


笹原の広がる「雁峠」に到着すると、私と同じソロ縦走者の若人がテントを設営していた。
雁峠は風の通り道になっているらしく、昼過ぎに到着して風の様子を見ながらテント設営するか迷っていたらしい。

指定のテン場ではないとはいえ、ゴミを散らかす訳でも、焚火する訳でもない。
ただ、誰もいない広い笹原で独り一晩過ごすだなんて・・・コイツ、楽しんでやがるな。

雁峠まで来たら笠取小屋はもうすぐ。
のんびり歩いてきたとはいえ、無事、日が沈む前に笠取小屋に到着した。

ここまで導いてくれたベテランおじさん達。


既に到着して、お酒も入ってすっかりくつろぎモードになっているベテランおじさん達からは、

「お疲れさん」
「無事に来れたねぇ」

と声をかけられ何だか嬉しくなる。

そんなベテランおじさん達と夕食をともにして、「明日は予定通り奥多摩を目指しますよ!」と気分良く宣言。

何はともあれ、終わりよければ全て良し。
明日もガッツリ歩くか!(懲りてない)

本日の写真

テン場から日の出を拝みます。

朝一番の雪道を登って行きます。

八ヶ岳が綺麗に見えます。

この辺りは登山客が多く、雪が締まっていて歩きやすい。

清々しさ満点。

ここから登山者がグッと減ります。

踏む抜くと腰まで足が埋まってしまいます。

これから登る破風山。

富士山が浮かび上がります。

破風山避難小屋。

霞んで見える富士山。

重い荷物、慣れない雪道で辛い登り。

写真は爽やかですが、ヒイヒイいいながら登ってます。

休憩がてら、振り返って木賊山をパチリ。

やーっと西破風山山頂。しんどかった。

雪上に寝転んで休憩タイム。

富士山と広瀬ダム。絵になる。

雪焼けしそうな好天。

東破風山に到着。

雪道の下りはちょっとラク。

青い空。

ストック大活躍です。

なぜか皆、枝が落ちている。

雁坂嶺に到着。

ここを下れば雁坂峠です。

日本三大峠の雁坂峠に到着。

水晶山山頂。

シカの仕業か。

この辺りでも部分的に積雪があります。

古礼山山頂。

何気にベンチ。

笹原を快適に下ります。

山中に寝ころんでリンゴをかじる幸せ。

燕山。

眼下に見える雁峠から笠取山へと続きます。

笹原をジグザグに下りて雁峠到着。

雁峠避難小屋。使えるのか?

疲れて少しの登りもしんどい。

笠取小屋に到着。

ここまで導いてくれた先輩山男達。

じゃんじゃん出ている水場。

この場所にテント設営。お疲れ様でした。

本日の山行情報

単独行/2日目/テント泊/縦走/電車・バス登山

木賊山(とくさやま)
標高2469m
詳細(外部リンク)
破風山(はふうさん)
標高2318m
雁坂嶺(かりさかれい)
標高2289m
水晶山(すいしょうやま)
標高2158m
詳細(外部リンク)
古礼山(これいさん)
標高2112m

本日のスケジュール

甲武信小屋[着] 04:55 - [発] 04:55
 ↓ 35分 
木賊山[着] 05:30 - [発] 05:30
 ↓ 75分 
破風山避難小屋[着] 06:45 - [発] 06:55
 ↓ 70分 
西破風山[着] 08:05 - [発] 08:30
 ↓ 45分 
東破風山[着] 09:15 - [発] 09:15
 ↓ 105分 
雁坂嶺[着] 11:00 - [発] 11:15
 ↓ 25分 
雁坂峠[着] 11:40 - [発] 12:00
 ↓ 65分 
水晶山[着] 13:05 - [発] 13:15
 ↓ 35分 
古礼山[着] 13:50 - [発] 14:10
 ↓ 90分 
雁峠[着] 15:40 - [発] 15:55
 ↓ 20分 
笠取小屋[着] 16:15 - [発] 16:15

行動時間:9時間25分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

この山域の関連記事