2015年2月28日
奥秩父:日帰り
飯盛山:それぞれの山行スタイル、それぞれアリ。

長野県の飯盛山(めしもりやま)を歩きます。


『飯盛山』と書いて『めしもりやま』。
『いいもり』ではなく素直に『めしもり』。

この山名に魅力を感じずにはいられない『飯盛山』を歩きにいく。

『飯盛山』は予想から微塵も外れず飯を盛ったような山容で、パンの国では出てこないだろう日本昔話を連想させる素敵な名称だ。

ゆっくり歩いても2~3時間あれば周回できる手軽さは、みっちり歩きたい今の私にとっては少々物足りないかも知れない。

しかし、そこは飯盛山。おかずよりも主食好きな私には魅力的なのだ。




ロッヂ飯盛山の駐車場からスタート。


飯盛山は奥秩父山塊の端に位置する標高1643mの山。

登山口の標高は既に1300mを越え、最寄り駅の清里駅ですら標高1200mを越えている。そのため気軽に高山散歩をするには最適で、時期になれば高山植物が咲き誇り、見張らしも抜群と聞いている。獅子岩登山口から登る予定だったが、清里駅からの道路が路面凍結(?)で通行止だったため、平沢登山口からの入山に変更して山歩きをスタートした。

まずは八ヶ岳を背にして、なだらかな樹林帯を進む。程よい積雪が歩きやすく、静けさと空気の清涼感が実に心地よい山道だ。

呼吸が乱れるか乱れないかの絶妙なペースで登っていると、マウンテンバイクに乗ったご夫妻が下ってきた。

極太タイヤのマウンテンバイク。


山道を走るトレイルランナーやマウンテンバイク乗りは、マナーの悪さを耳にしても良い評判を聞いた事がない。もっとも、悪い評判を広めてしまうのは極一部の人間によるものだろう。実際、私としてもマナーの悪さを実感した事はなく、むしろマナーが良いとすら感じている。このご夫婦も同様に自転車を脇に寄せて丁寧に道を譲ってくれた。

通りすがりに立ち話をすると、麓でペンションを営んでいるご夫婦で、その話振りから地元愛がひしひしと伝わってくる。それはそうとマウンテンバイクが凄かった。何と言ってもタイヤが極太。これなら少々の雪道もへっちゃらそうだ。

極太タイヤのマウンテンバイクにまたがり颯爽と下ってゆくご夫婦を見ながら、楽しみ方は色々とあるものだと感心する。マウンテンバイクか・・・アリだな。

しばらく登り続けると視界が開けてきた。

薄い雲が掛かっていて快晴とは言えずとも、周囲を取り囲む名峰群は明瞭に浮かび上がっている。この開放的で素晴らしい眺めを前にして、走り出したい気分に駆られる。(実際に少し走る、そして息切れ)

こんもりと盛られたビジュアルの飯盛山。


しばらく歩くと、こんもりと盛られたビジュアルの飯盛山が見えてきた。昔話のような山盛り飯と言うよりも、仏様に供えるご飯のような上品な盛り具合で、その整った斜面には何人かの登山者が登っている。

山頂付近には植生保護のための網(?)が敷かれて、山道を外れないよう柵で仕切られている。そのせいか、人ひとりが通れる程の狭い山頂まで一方通行の様相となっている。混雑時に来てしまうとスーパーのレジ待ち気分になってしまいそうだ。

この日はレジ待ちする事もなくスムーズに山頂へ到達。絶好の位置関係で富士山、赤石山脈、八ヶ岳、秩父山塊、浅間山など絶景を提供してくれた。

飯盛山を下り、隣接するなだらかな丘のような平盛山で昼食をとる。「『平盛』って間違いなく『飯盛』にインスパイアされてるよな」と思いつつ休憩していると、大きなワンコ連れのご夫婦がやって来た。

名はそら、8歳である。


そのワンコからはベテラン登山家の風格が漂い、私など足元にも及ばない頼り甲斐ある体格をしている。いざとなったら救助すらしてくれそうだ。そんなワンコと共にキャンピングカーで全国の山歩きを楽しんでいるご夫婦。こんな山行スタイルもアリだ。

登山者ごとに異なる山行スタイルで楽しまれている飯盛山は、その名の素朴さ通りに親しみやすいのか、短時間ながらも他登山者から様々な山行スタイルを感じられた。自分の山行スタイルに執着せず、新たに取り入れられる要素として大いに参考になったな。

飯盛山を満喫した後は、八ヶ岳の麓の小淵沢まで車を走らせてネパールカレーの店『タラ』に寄る。

ここのご主人はインド生まれのネパール人でなんと空手の師範代。世界各国に弟子を持ち「先生!」と慕われているご主人は、大の山好きでもある。その山行スタイルは己と向き合う山岳信仰に共通する要素が大きく、日本人以上に日本的な印象を受ける。山(自然)との関わり方が自然体、かつ厳しく真剣なのだ。

言葉にすると小難しくても実際は至ってシンプルなこの山行スタイル、個人的に大アリです。

飯盛山帰りにちなんだ山盛りご飯とネパールカレーを頂きます。


『タラ』のご主人と話をしつつ、飯盛山帰りにちなんだ山盛りご飯とネパールカレーを美味しく頂いて、満足げに山行を終えた。

漫画的山行記録

『飯盛山』と書いて『めしもりやま』。

そんな日本昔話を連想させる素敵な名称の飯盛山を歩きます。

平沢にあるロッジ飯盛山から歩き始めます。

最寄りの清里駅からでも充分歩ける距離です。

道標があるので迷う事はなさそうです。

歩きやすい積雪具合になりました。

山頂からマウンテンバイク登場。

この極太タイヤ。

このマウンテンバイクのオーナーは長野でペンションを営んでいました。
詳しくはこちら。
シーナック・キャビン

歩きを続行。

早くも視界が開けてきました。

上空にはトンビ?

見えてきました飯盛山。

開放的な景色もあって爽快感は抜群。
つい走り出したくなります。

わーい。

わーい、わーい。

ハアハア・・・。

山頂付近は植生保護のため網(?)が敷かれています。踏まないでね。

飯盛山山頂です。

南東に富士山。

北西に八ヶ岳。

北には浅間山。

東に秩父山塊の金峰山。

南西には赤石山脈も見えて四方八方絶景です。

昼食をとるためお隣の平盛山に向かいます。

『平盛山』って間違いなく『飯盛山』にインスパイアされてるよな・・・。

ここからの飯盛山は盛りが良く見えます。

メシじゃなくパン。

赤岳から延びる真教寺尾根、県界尾根。迫力あります。

八ヶ岳東側の裾野。野辺山宇宙電波観測所も見えます。

ワンコ登場。名はそら、8歳である。

下山します。

寄り道なしで下山。

天気は崩れず穏やかなまま山行終了です。

折角なので近くの観光名所『清泉寮』に立ち寄ります。

氷のリース。しわくちゃリボンがシーズン終わりを物語ってます。

ジャージーカプチーノで一息。

帰りは小淵沢まで車を走らせてカレー屋に寄ります。

ネパールカレーのタラさんです。

飯盛山帰りなので当然大盛り。
(主食好きなアングル・・・)

あー、至福。

ちなみにインド生まれのネパール人であるご主人は、山好きであり空手の師範代でもあります。
お店情報はこちら。
TARA -Mountain Spice-

本日の行動時間は2時間程度でしたが良い山行でした。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

飯盛山(めしもりやま)
標高1643m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

ロッヂ飯盛山(平沢)[着] 10:55 - [発] 10:55
 ↓ 75分 
飯盛山[着] 12:10 - [発] 12:15
 ↓ 10分 
平盛山[着] 12:25 - [発] 13:20
 ↓ 40分 
ロッヂ飯盛山(平沢)[着] 14:00 - [発] 14:00

行動時間:2時間5分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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