2014年3月8日
奥多摩:日帰り
川苔山:赤杭尾根でクタクタに。でも、山イイな。

好天下の川苔山山頂。


久し振りの山歩き。

確定申告や仕事に追われ、関東では深刻な大雪被害もあった2月は家に籠りきりとなってしまった。

本日の天気は良好で、気温は低くても山歩き日和としては良さそうな状況だ。
仕事の都合もあり、行こうか行くまいか迷ったりもしたが、こんな時は面倒臭がらずに思いきって行動するに限る。

うっすらと朝焼けの始まる頃に始発電車に乗って出発した。



目的地は奥多摩エリアで人気の高い川苔山。

川井駅から赤杭(あかぐな)尾根伝いに川苔山を目指し、鳩ノ巣駅へと下山するスケジュール。
川苔山は、川井駅から奥多摩駅の区間にある各駅のどこからでも登れる、電車利用の登山者には嬉しい山だ。

【川苔情報】
山中の道標にも国土地理院の地形図にも『川乗山』と記されているが、『川苔山』が正しいそうです。
川苔(淡水の緑藻)が採れる谷がある事が由来とされています。


道路脇に干された洗濯物。ほのぼのです。(でもパンツは止めたほうがいいですよ)


川井駅で下車すると気になっていた積雪はほとんどなく、好天もあって何だか春らしい。
道路脇に干された洗濯物がハタハタとなびく風景は、厳しい冬期には無いほのぼのとした雰囲気がある。でも、道路脇でブリーフを干すのは止めたほうがいい。(間近で目撃)

赤杭尾根へと登り始めると、倒木あり急登ありで結構荒々しい様子。
それでもひとたび尾根に乗ってしまえば傾斜も緩み、俄然歩きやすくなった。

あー、久し振りの山歩き。
やっぱり山、イイな。

穏やかな天候下で気分良く歩いていると、背後から鈴の音色が急接近してきた。
トレランの人か?と思ったらワンコだ。

私には目もくれず、何事もなかったように追い越してゆくワンコ。

しばらく歩くとライフルを担いだ猟師さんがいた。
どうやら先程のワンコは猟犬だったようだ。

「さっき、ワンコが走っていったけど、おじさんのですか?」
「あー、イハラさんのだなー。」

(イハラさん、誰?)と内心思いつつ、話を聞くと、一般の狩猟期間は2月で終了しているため、依頼を受けて害獣駆除(イノシシ、シカ等)に来ているとの事だった。
ご苦労様です。

私は赤いウェアを着ているので、手負いのイノシシと思われて止めを刺されないように注意する。
小心なのか、要らぬ心配か。

だいぶ溶けたとは言え、まだ積雪しています。


標高を上げるにつれて積雪も目立ってきた。
良い具合の積雪量なので、途中にあるいくつかのピークを経由しながら、文字通り赤杭尾根を歩いてみる。

夏期ではヤブなどで過酷そうな斜面も、思う様闊歩できるのが積雪期山歩きの醍醐味なのだ。

ズマド山、721m峰を乗り越えて、中間地点の赤杭(赤久奈)山に到達した。

・・・疲れた。

この1ヶ月間は座りっぱなしの毎日で、運動と言えば近くのコンビニまで歩く程度。
日々のトレーニングなど皆無。

そりゃあ、疲労もするか。

急がず騒がずタップリと休憩をとってから、「よっこらせ」と再出発した。

名もなき721m峰。


川苔山に向かう途中、『エビ小屋山』と変わった名称のピークがある。

国土地理院の地形図では、破線(山道)はエビ小屋山山頂を経由する事なく川苔山へと続いており、分岐点となるだろう鞍部からは、見るからに斜度のキツそうな尾根が立ちはだかっている。
鞍部にあった道標には『川苔山へは林道を直進』と記されており、エビ小屋山のピークを踏む必要など全く無い。
疲れているし、尚の事ラクしたい。

が、何故だろう。

エビ小屋山山頂へと延びる赤杭尾根に足が向いてしまう。
興味なのか、小っさなプライドなのか。

尾根に取り付くと見た目通りに傾斜はキツく、変化がなく同じ調子で山頂まで続いている。
これが堪える。

締まった雪面は蹴り込んでも爪先が掛かる程度。
スパイクか軽アイゼンがあればもっと楽に登れたかもしれないが、本日はワカンしか持ってきていない。

ぼやいても仕方がないので、爪先で全体重を持ち上げてヒイヒイと悶えながら登り続ける。
今になって振り返ると、本日のメインはエビ小屋山だと言っても過言ではない。

「ぬおーーっ!!」っと、振り絞った気合いでエビ小屋山に登頂。

そこには何も無い。
エビを型どったメルヘンチックな小屋などあるわけも無い。

ふっ、達成感があれば十分さ。
(※達成感もさほど無い)

川苔山はあちらとなります。


ここまで来れば川苔山はもうすぐ。
ただ、部分的に細尾根箇所があるので、油断せずに確実な足場を選んで進む。

そして、最後の登りを一気に登りきって、本日の目的地である川苔山山頂へ到着した。

川苔山山頂には1m程の積雪があった。
荷物を降ろして、雪の上で大の字に寝転がる。

風もなく天気も良好。
疲労はあっても気分は晴々。

やっぱり山、イイな。

寝転んだままイヨカンを食べる。
山中で瑞々しいフルーツ。これがまた至福。

寝転がって撮影。


ザックの中で揉まれた黒コッペの成れの果て。


山中で瑞々しいイヨカン。至福。

気持ち良く山頂での休憩を堪能し、程よく疲労回復したところで鳩ノ巣駅への下山を開始した。

せっかくなので本仁田山にも寄ってみようかと思ったが、目の前に現れた本仁田山の立派な山容に、私の気分はあっさり萎えた。

興味もプライドもへったくれも無い。
ボクはもう疲れたよ・・・。

薄暗い樹林帯はホラーな雰囲気。


と言う事で、本仁田山はまたの機会にして大人しく下山する。

以前、川苔山で捻挫した事のある私。
普通の林道を下山中、小石に足を乗せて足首を捻ったのだ。

全治1ヶ月。
直ぐに治療しなかった事もあって、その後3ヶ月間ほど接骨院へ通院した苦い経験がある。

そんな思いを繰り返す訳にはいかない。
疲れていても気を抜かず下ってゆく。

溶けかけの雪は踏み抜きやすく、尚且つよく滑る。
既に何人もの被害者がいたのは間違いなく、雪面を踏み抜いた跡があちこちに残っていた。

滑って尻餅をついて誰かに目撃されなかったかキョロキョロしたりもしたが(小心)、怪我する事なく鳩ノ巣駅へと下山。
天気にも恵まれ、久し振りの山歩きは満足のうちに終える事ができた。

いやぁ、今日は疲れた。
でも、やっぱり山はよかったな。




帰りに三鷹駅で下車して、ハイカーズデポ(アウトドアショップ)と春の湯(銭湯)に寄ってきました。

店員さんからも番台さんからも親切にされた私はすっかり三鷹ファンに。
オススメです!

漫画的山行記録

関東の大雪被害が治まってきたので山歩きへ。

川井駅から赤杭尾根伝いに川苔山を目指します。

好天で洗濯日和。

道標があったのでここから入山します。

いきなり急登。

積雪が出てきました。

絞り過ぎ。

ひっそりとズマド山。

さらに奥へ。

721m峰。

踏み跡は無いですが山道明確。

赤杭山南面の採石場。

所々で結構な雪が残っています。

採石場真上の赤杭山。

そうだね、山だね。

エビ小屋山。

尚、エビの形の小屋などないので期待しないで。

黙々と川苔山へ向かいます。

休憩と言う名の写真撮影。

細尾根には注意。

狼住所(おおかみすんど)。

寝ころんで空を仰ぐ休憩。

うっすら富士山が見えます。

川苔山までもう少し。

赤杭尾根伝いに川苔山へ到着しました。

ザックの中で揉みに揉まれた黒コッペ。

ま、食べれるだけ幸せ。

さて、鳩ノ巣駅へ下ります。

尾根筋は急なので油断できません。

あちら本仁田山。今から登るのは・・・やめよう。

大山祗ノ命が祀られている石祠。

大ダワの分岐点。本仁田山へはまたの機会に。

薄暗い樹林帯はちょっとホラーな雰囲気。

樹林を見上げてラスト休憩。

すっかり夕暮れの様相です。

大根山ノ神を祀る祠。

踏み抜きの罠が多数。

日が沈む前に下山しました。

ねぎらいの言葉、ありがとう。

線路を渡れば、

鳩ノ巣駅。

疲れたけど、やっぱり山イイな。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

単独行/日帰り/8時間以上歩行/電車・バス登山

ズマド山(ずまどやま)
標高690.2m
赤杭山/赤久奈山(あかぐなやま)
標高932.6m
エビ小屋山(えびこややま)
標高1147m
川苔山(かわのりやま)
標高1363m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

川井駅[着] 08:20 - [発] 08:20
 ↓ 70分 
ズマド山[着] 09:30 - [発] 09:30
 ↓ 65分 
赤杭山[着] 10:35 - [発] 10:55
 ↓ 60分 
エビ小屋山[着] 11:55 - [発] 12:00
 ↓ 80分 
川苔山[着] 13:20 - [発] 13:55
 ↓ 55分 
大ダワ[着] 14:50 - [発] 14:50
 ↓ 95分 
鳩ノ巣駅[着] 16:25 - [発] 16:25

行動時間:7時間5分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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