2012年3月4日
奥多摩:日帰り
御前山:ドロドロからシャリシャリ、そしてガリガリ。

久しぶりの山歩き。

ここのところ「お金はないが忙しい」という面白みに欠ける状態が続いたため、冬用装備を買い揃えることができなかった。

厳冬期にテント泊。
そして澄んだ空気の中、独り星空を眺める(凍えながら)、といったロマンチスト全開の企画はまた来年に持ち越しだ。

今回の行き先は奥多摩三山のひとつ、御前山(標高1405m)。
久しぶりの山歩きで、雪山初心者の私にとっては丁度良い気がする。

事前チェックによると麓は泥道で、山頂付近は積雪10cm程度とのこと。
あるものを着込んでその上にレインウェアを身に着ければ寒さも何とか凌げるだろう。
念のため12本爪のアイゼンも持っていくことにした。(冬用ウェアがないのにアイゼンは持っている不思議)

階段マニアには堪らないこの勾配。


奥多摩氷川キャンプ場に車を止め、駐車場向かいの登山道入り口から早速登り始める。

積雪ゼロ。
と言うか雪も見当たらない。

気温も寒くは感じず、着込み過ぎたか少々暑いくらいだ。
登山口からすぐの愛宕神社へ続く急な階段を登ると早速汗ばんできた。
ザックに入れている12本爪アイゼンも重いばかり。

本格的に山道に入ると、事前チェックの通り泥道だ。
しかし、少しばかり標高が上がってくると空気の感じが変わり、山道にも雪が見え始めた。
ぐちゃぐちゃだった山道も気がつけばシャリシャリになっている。

ガリガリ山道に注意。


シャリシャリ状態の山道をさらに登ると、突然積雪も多くなり、足場を確保しながら登らないと滑ってしまう程のガリガリ状態。
ほんの数百メートルの標高差なのに、これほど変貌してしまうとは冬山恐るべし。(3月は「冬」ではないか?)

とはいえ、まだ標高1000mチョイ。
場所によっては土も露出しているだけに、12本爪のアイゼンをつけるには大げさすぎる。

他の登山客も4~6本爪で事足りているようだし、仮に滑っても滑落するような危険地帯はほとんどない。
滑って捻挫や露岩に強打しないように注意すれば、アイゼンなしでも山頂まで行けそうだ。
ここは汗をかかない程度にゆっくりと慎重に登ることにする。

ポツンと寂しげな御前山山頂。標識上の忘れ物がより寂しさを演出。


こんな初心者特有の慎重さを持続させて、滑って転ぶこともなく御前山山頂へ到着。

これで奥多摩三山(大岳山、御前山、三頭山)を全て登ったことになる。
特に意識した訳ではなかったためか、達成感と言うより30円アイスで「当たり」が出たようなちょっとしたお得感だ。

山頂はガスがかかって何も見えない。
これで強風でも吹いていようものなら即刻下山するところだが、本日は有り難いことに無風。
周囲の山々は見れなくとも、真っ白な世界の中、雪氷の造形美を凍えることなく堪能することができた。

滑るように下山。


程良く体も冷えてきたところで下山開始。
来た道を引き返すのも癪なので、奥多摩湖へ抜けてバスで戻ることにした。

奥多摩湖へ抜ける大ブナ尾根は、勾配はキツイのだが雪がクッション代わりになり、アイゼンをしていない東北人の私は滑るように降りていくことができた。
とは言え、中々の急勾配。
下りだから良いものの登りの場合は東北人でもアイゼンを着けたほうが賢明だ。

下山途中、御前山目指して登ってきた若人たちとすれ違い、軽く挨拶を交わした。
見ると一人はスニーカー。
チャレンジャーと言うかなんと言うか、若人って「賢明」不要の生き物だな。(アイゼン未装着の者が言う資格なし)


奥多摩湖バス亭前の小河内ダム。至って穏やか。


ようやく奥多摩湖が見えるところまで下山すると、これまでの雪景色がウソのようにすっかり無積雪状態になった。
そして油断したところで根っこに足を滑らせ尻強打。

アイゼンなしで滑って転ばずここまで来たのに、山歩きはどこでどうなるかわからないものだな。
スニーカー若人の尻も無事ならいいが。

本日の写真

ハクキンカイロで寒さをしのぐ。

駐車場向かいがすぐ山道入口。

夜見たら泣いてしまうオブジェクト多数。

全然雪なし。これなら楽勝。

オシッコ我慢の像(適当)。

愛宕神社へは急な階段が待っています。

階段を登りきったところ。

愛宕神社。

小さな祠。

一向に積雪の気配なし。

若干積雪。気温も温かなためか山道はぐちゃぐちゃ。

ケルン。皆さん積むのがお上手で。

所々細尾根。でも積雪なしなので問題なし。

天狗様。やっぱり鼻がポイント。

少々険しくなってきたが積雪無しのため問題なし。

登る登る。

山道がぐちゃぐちゃからシャリシャリに。

クサリ大好きな方は右へ。

クサリ場。根っこがツルツルで地味に危険。

空気が冷たくなってきた。

シャリシャリ山道がついにガリガリ山道に。

氷の造形。

鋸山山頂。

雪山っぽくなってきた。

標識完備で迷いなし。

大ダワ。道路を渡って御前山へ。

パーマン風レスキューのお世話にならないように進みます。

積雪が多くなってきた。

鞘口山。

辺りはすっかりガスの中。

寒くなってきた。無風なのが大きな救い。

クロノ尾山。

青空でないのが残念。

ザクザクと進みます。

御前山山頂に到着。

ポツンと寂しげな山頂の様子。

後は下山のみ。

寒いが雪山もイイ。

本来なら何かが見えるはず。

惣岳山。

アイゼンなしなので滑るように下ります。

下山するに従い、積雪量もグッと減ってきた。

本日初めての展望。奥多摩湖がようやく見えた。

すっかり雪もなくなり、気温も上昇。

この大ブナ尾根、何気に急勾配です。積雪がなくてよかった。

微妙な眺望の展望台。

ダムを造るってある意味凄いチャレンジ精神だ。

今しがた下りてきた大ブナ尾根。

本日は風もなく、湖面も穏やかそのもの。

ゴールの奥多摩湖バス亭。

バス亭前で、焼き芋屋さんがあざとく待機。

本日の山行情報

複数人山行/日帰り/8時間以上歩行/マイカー登山

愛宕山(あたごやま)
標高507m
急な階段を登ると愛宕神社があります。
鋸山(のこぎりやま)
標高1109m
御前山(ごぜんやま)
標高1405m
詳細(外部リンク)
惣岳山(そうがくさん)
標高1341m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

氷川キャンプ場[着] 07:05 - [発] 07:05
 ↓ 20分 
愛宕神社[着] 07:25 - [発] 07:25
 ↓ 135分 鋸尾根
鋸山[着] 09:40 - [発] 09:40
 ↓ 160分 
御前山[着] 12:20 - [発] 12:50
 ↓ 20分 
惣岳山[着] 13:10 - [発] 13:10
 ↓ 110分 大ブナ尾根
小河内ダム[着] 15:00 - [発] 15:00
 ↓ 10分 
奥多摩湖バス亭[着] 15:10 - [発] 15:10

行動時間:7時間35分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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