2011年6月26日
奥多摩:2日目
飛龍山:迫るバス時間、尽きる水。

そんなに慌てて何処へゆく。焦りなさんな。


寝過した。

念のため携帯のアラームをセットしていたが、まるで気がつかず寝過してしまった。
人のアラームで起こされるのはいい気分ではないもの。周囲の方、申し訳ない。

腹が減ると本当に力が出なくなることを経験済みのため、朝からどん兵衛をかっ喰らい、テントを撤収、飛龍山へ向かって出発した。

帰りはお祭バス亭からバスに乗るのだが、いかんせん便数が少ない。
14時28分のバスを逃すと、次は2時間以上も待たなければならない残念なバス時刻だ。

バス時間に間に合わせたいという思いと、寝過した時間を挽回したいという思いとで多少焦ったのか、早くもペースを乱して息切れ、小休止。
息も整い冷静になったところで再出発した。

小雨が降ったり止んだりと、ひんやりした空気をゆっくり吸いながら着実に登っていく。
私のような素人でも安全かつ快適に歩けるよう登山道は整備されているものの道は狭い。

山頂に近付くほどガスが濃くなり、一層気温も下がってきた。
ガスの中「北天のタル」を通過し、飛龍山山頂へと黙々と歩いていると、山頂への小さな標識がポツリ。

下ばかり見ていると通り過ぎてしまう標識。見過ごさないで。


この標識の存在感の薄さに気がつかず通り過ぎてしまう人は少なくないと思う。
私も2~3歩ばかり通り過ぎた。危ない危ない。

晴れていても展望が期待できない飛龍山山頂だったが、ガスがかかっているせいもあって本当に何も見えやしない。
ただ、ガスの中に広がるコケの森は幻想的な雰囲気満点。
「コンニチワ」と物の怪が現れてもおかしくない森の中でマイナスイオンを大量摂取しながら小休止できた。

これまで誰とも合っていないのだが、姿は見えないだけで周りからは獣の気配をビンビンに感じる。
実際、頻繁にガサガサと物音がするため、鉢合わせないように熊鈴などで自分の存在をアピールしながら歩く事をお勧めしたい。
ちなみに私の熊鈴は途中で壊れてしまったので、「ん、んんっ!」と必要以上に咳払いをしてきた。

ガスってますが、これはこれで幻想的。


飛龍山から前飛龍への道は草木やクモの巣をかき分け、倒木を乗り越え、岩を登りと、ちょっとしたアスレチック気分。
お世辞にも歩きやすいとは言えず、途中、湿った落ち葉で足を滑らせ、勢い余って前回り受け身をしてしまったが、よくよく考えると危険極まりない。
好きな人は好きかも知れないが、嫌いな人は相当嫌いなコースだろう。
転倒したものの私は大好きです。(無事だったから言える。)

熊倉山まで下ってくる頃にはガスも晴れ、山道も広く歩きやすくなってきた。
ふと時計を見ると、予定のバスに間に合いそうな時間だ。

「よっしゃ!」と勝利を確信して勝ち誇る(何に?)のも束の間、ハイドレーションの水が飲みずらくなったと感じ、ザックを開けて水の残量を確認してみると2口程度しか残っていない。
今日は下りが多いから大丈夫だろうと水を少なめに汲んできたが甘かった。

少しずつ口に含ませ、大事に飲んできた水もサヲラ峠でとうとう尽きた。
ホースに溜まっている水も吸いつくし、「下山したら冷えた清涼飲料水を一気飲みしてやる!」と自分に言い聞かせて歩き続ける。

広々とした丹波天平(たばでんでいろ)はちょっとした公園のようで、ピクニックに来た家族がお昼を広げていてもおかしくない感じだった。
もちろんそんな幸せ家族どころか人っ子一人おらず、スイカのような切り株を見て「美味そう・・・」と、噛り付きたい欲求を抑えながら下界を目指す。

今見てもスイカに見える。


ガブガブと頂きました。


普段飲まないペプシが美味いぜ!

「でんでいろ、でんでいろ」と、丹波天平の語感の良さで自分を励ましながら進んで行くと、荒れた空き家(避難小屋)が現れ、近くに水場を発見。飲めるかどうかなんて深く考えず、とにかくガブ飲み。(帰宅後も腹具合に問題はないので大丈夫?)
おかげで「でんでいろーっ!」と息を吹き返し、バス時刻の10分前に下山する事ができた。

ただ、一度乾ききった体はいくら水分を補給してもなかなか満足してはくれない。
下山後、バス亭前のお祭荘でゴクリ、奥多摩の温泉で汗を流した後にゴクリ、電車の待ち時間にゴクリ、とお腹をタポタポいわせて自宅へと帰った。

本日の写真

さて、登りますか。

いい幕営地だった。また来よう。

早くも休憩。知らぬ顔のパンダ様。

整備されているので有り難い。

湧水で顔を洗ってサッパリ。

可憐です。

林の切れ間から。

ああ、山頂はガスがかかってる。

ここはスタスタと進めそう。

北天のタルに到着。ガスってます。

整備されていなかったらとても通れそうにない。

ちょっと楽しい遊歩道。

立ち止まらずサササっと通り抜けたい。

よく見ていないと見過ごしてしまう、山頂への標識。

野生動物でも飛び出してきそう。

飛龍山(大洞山)山頂。今日の登りはこれで終了!(いえ、まだあります)

あっちですか、いやこっちですか。

草やら枝やらクモの巣やらをかき分けて進む山道です。

飛龍権現神社。右端に若干写ってます。

飛龍権現神社です。

この山道は足場が悪いので注意。

倒木を潜りぬけて進みます。

よじ登って。。。

前飛龍に到着。言うまでもなくガスです。

前飛龍の標識。

少し下るとガスが晴れてきた。

油断するとズサーっと滑ります。

誇らしくそびえ立ってます。

熊倉山山頂。このあたりからは山道も広く歩きやすいです。

飛龍山付近の山道に比べたら遥かに歩きやすい!

ごく最近っぽい倒木。しっちゃかめっちゃかです。

一日ぶりのサオラ峠。

伐採された薪用(?)の木がゴロゴロしています。

山中の広場。

山道というより公園といった感じ。

丹波天平。これで「たばでんでいろ」と読ませるニクイ場所。

親川へまっしぐら。

あちこちに道らしき道がある。山岳地図とコンパスがあると安心。

暑くても青空が見えるのはいい。

避難小屋、、か?

おおーっ、水場!飲めるかはわからないがガブガブ飲みました。

お祭荘。七ツ石小屋のオーナー、雲取サスケさんがいます。

本日の山行情報

単独行/2日目/テント泊/8時間以上歩行/電車・バス登山

飛龍山(ひりゅうさん)
標高2077m
埼玉県側では大洞山(おおぼらやま)と呼ばれます。
詳細(外部リンク)
熊倉山(くまくらさん)
標高1427m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

三条の湯[着] 05:55 - [発] 05:55
 ↓ 145分 
北天のタル[着] 08:20 - [発] 08:20
 ↓ 45分 
飛龍山(大洞山)[着] 09:05 - [発] 09:20
 ↓ 70分 
前飛龍[着] 10:30 - [発] 10:30
 ↓ 50分 
熊倉山[着] 11:20 - [発] 11:20
 ↓ 30分 
サヲラ峠[着] 11:50 - [発] 11:50
 ↓ 40分 
丹波天平[着] 12:30 - [発] 12:30
 ↓ 100分 
親川(登山口)[着] 14:10 - [発] 14:10
 ↓ 10分 
お祭バス亭[着] 14:20 - [発] 14:20

行動時間:8時間10分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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