2014年12月31日
奥多摩:1日目
鷹ノ巣山:忙しない年の瀬に静かな山行を。

2014年最後の日の入りを鷹ノ巣山で。


年越しはヨメと奥多摩山行。

来年の初めに引越しを予定している私は、引越し準備も兼ねて家の掃除を同時進行していた。お陰で何かと忙しない年末もバタバタする事なくいつも通りの休日感覚。つまり、静かな山中で心置き無く年を越せると言う訳だ。

「静か」とは言え、奥多摩は人気のエリア。主峰である雲取山付近は年越しイベントで混みそうだし、御岳山や日ノ出山など手軽に初日の出を拝めるエリアも混雑必至。そこで、比較的空いていて、そこそこ手軽に行けない鷹ノ巣山を目的地とした。

そうと決まれば年越し山行に出発だ。




『水と緑のふれあい館』の屋根付き駐車場に駐車。


早朝の奥多摩湖に到着。

まだ誰もいない『水と緑のふれあい館』の屋根付き駐車場に駐車して、小河内駐在所の登山ポストに登山届けを提出。ここからバスに乗って倉戸口へと移動する。

乗車した鴨沢行きのバスには、奥多摩の山中で年を越すだろう登山者たちが乗っていた。しかし、倉戸口で下車したのは私たちだけ。当然周囲には誰もおらず静まり返っている。とても大晦日とは思えない静けさだ。

だが、それがイイ。

慌ただしい年の瀬に静かな山中をのんびりと歩く。
これができるのはある意味、贅沢と言える。

かつての賑わいを感じさせる寂れた集落を通り抜け、倉戸山への道標に導かれて山道に入る。積雪の無い広々した尾根には朝日が差し込み、樹林帯でもすっかり落葉しているため日当たりは良好。風も穏やかで絶好の山歩き日和となっている。

そんな気持ちの良い山道は落ち葉で埋め尽くされていた。落ち葉掻きをするまでもなく、どこが山道かわからない程に散り積もった超キングサイズの落ち葉ベッドを目の当たりにしたら、歳など関係なく寝転ばなければ損。いや、寝転ぶべき。

ばたっとうつ伏せに倒れ込む。
その感触は見た目以上にフッカフカ。

イイ雰囲気の道標。


快晴の山歩き日和。


落ち葉ベッドにばたっと倒れ込みます。

朝日を受けて反射する奥多摩湖。


頭上からは柔らかに差し込む朝日。
下方には朝日を受けて反射する奥多摩湖。
そして、顔を覆う枯葉の香り。

贅沢だ。

倉戸口バス停から、のんびりと2時間程歩いて倉戸山に到着した。ここまでは登り続きだったが、ここからはなだらかなアップダウンとなり、榧ノ木山を経て石尾根縦走路との合流地点を目指す。鷹ノ巣山を正面にして、横一線に伸びる石尾根とそれに連なる山々の景色は、今年の反省点を気持ち良くリセットできる爽快な眺めだ。

「ココだろうな」、と思いつつ山頂道標を見つけられずに榧ノ木山を通り過ぎて石尾根縦走路に合流。石尾根縦走路はこれまでに何度か歩いた事がある。微かに残る記憶を思い出しながら歩いて、鷹ノ巣山避難小屋に到着した。

本日の宿泊地はココ。

混雑を考慮して念のためテントも持参しているが、昼過ぎの早い時間のため先客は一人のみ。今のところテントの出番は無さそうだ。

ゆっくりと昼食をとって寝床を用意。後着の登山者のためにも荷物を整理してスペースを空けておく。一段落しても、まだまだ日は高く時間は有り余っている。そこで、散歩がてらに鷹ノ巣山を登りにゆく。

相変わらず尖っている鷹ノ巣山避難小屋に到着。


避難小屋前の広場に出ると積雪があり、誰が書いたのか雪面には『have a nice 2015!!』のメッセージが記されていた。忘れていたが、本日は大晦日である事を思い出させてくれる。

避難小屋から鷹ノ巣山山頂までは急登となる。しかし、空身で軽やかな足取りとなった今の私にとっては、この急登もお茶の子さいさい。亀仙人による例の修行(亀の甲羅のやつ)に似た効果を発揮して、鼻唄交じりで鷹ノ巣山山頂へ到達した。

南側の見晴らしが利く鷹ノ巣山山頂からは、幾重にも折り重なった山々が一望できる。奥にいく程に山の色合いは薄れ、最も遠くに鎮座している富士山はうっすらと霞んでいた。

ふと足元を見ると、おもむろにおもちゃのピストルが落ちていた。おもちゃとは言え、爽快な景色が広がる山頂には相応しくない都会的犯罪を連想させる代物だ。こんなピストルの出現に意表を突かれたが、「これはギアじゃあない、ゴミだ」とのヨメの自称名言により回収する事となった。

山頂に放置されたピストル。おもちゃとは言え、何となくサスペンスの臭いがしなくもない。
避難小屋まで戻り、雪面に残された『have a nice 2015』のメッセージにピストルを添えてみると、何となくダイイングメッセージ感がしなくもない。

年の瀬にこんな事に思いを巡らせられるなんて、贅沢な時間の使い方だ。

その後もゆとりある時間を使って昼寝したり、本を読んだり、雪で鏡餅を作ったりと『暇』を堪能する。忙しさこそが『善』のように感じてしまう現代社会において、『暇』を楽しめる心のゆとりは生活を楽しむ秘訣と心得ている私だ。

鷹ノ巣山山頂からの山並み。富士山が霞んで見えます。


ピストルを添えると何となくダイイングメッセージ感が。


持参したミカン、雪で鏡餅、紙粘土で作った未、拾った松、そして澤乃井。

2014年の終わりを告げる夕暮れ。


2014年に終わりを告げる本年最後の夕日を眺めるために、再度、鷹ノ巣山山頂へと向かう。(暇過ぎか)

誰もいない山頂で、沈みゆく夕日をしみじみと眺めながら2014年を振り返る。来年初めには引越し。新天地に向けて気持ちを新たに生活を楽しもうじゃあないか。もちろん、山歩きも。

山頂で夕暮れを見届け、戻ってきた鷹ノ巣山避難小屋は大混雑する事もなく定員+2名程度。和気藹々な雰囲気で2014年最後の晩餐に舌づつみを打ち、シュラフにもぐり込んでゴロリと横になる。お腹も身体も温かく満たされた状態のままいつの間にか就寝、という究極の贅沢を最後に2014年を終えた。




案の定、夜中に目が覚めた。

時刻は0時前。
トイレついでに外に出て新年を迎える。

月夜の山中から明けましておめでとうございます。
2015年、皆様にとってよい年でありますように。(私にとっても)

漫画的山行記録

2014年の締めくくりは奥多摩へ。

鷹ノ巣山避難小屋で年を越して、鷹ノ巣山山頂から初日の出を見に行きます。

奥多摩湖畔にある『水と緑のふれあい館』に駐車します。

小河内駐在所の登山ポストに登山届を提出。
バスに乗って登山口へ移動します。

倉戸口バス停で下車して歩きスタート。

今回は榧ノ木山尾根伝いに鷹ノ巣山を目指します。

過去の賑わいを感じさせる寂れた集落を歩きます。

いい感じの道標。

途中にある温泉神社で参拝。

静かな山道の始まりです。

年の瀬の慌ただしさから離れて静かに快晴の山歩き。

倉戸山まではそこそこ急登が続きます。

時には落ち葉に倒れ込んで休憩。

倉戸山が見えてきました。

マイペースで登ります。

下方には朝日を反射させる奥多摩湖が見えます。

はい、とても遠いバス停からやってきました。

広々した倉戸山に到着しました。

小休止ついでにエネルギー補給。

これをこう。

倉戸山からはなだらかなアップダウンが続きます。

ようやく積雪が出てきました。

石尾根縦走路に合流しました。

東京都最高峰の雲取山へと続く石尾根を進みます。

鷹ノ巣山は巻いて、まずは鷹ノ巣山避難小屋に向かいます。

見上げると真っ青な空。

広場が見えてきました。

相変わらずとがっている鷹ノ巣山避難小屋に到着。

綺麗な鷹ノ巣山避難小屋。先客は一人だけです。

手作りの羊の置物。松も拾ってきて正月気分を出します。

本日は鷹ノ巣山避難小屋に宿泊します。

時間はタップリあるので鷹ノ巣山へ散歩に出かけてみます。

広場には「Have a nice 2015!!」のメッセージ。

鷹ノ巣山山頂へ向かいます。

急登ですが空身なのでへっちゃら。

30分程で鷹ノ巣山に到着。

広がる周辺の山々。

霞んでいますが富士山も鎮座しています。

爽やかな山頂に相応しくないモノを発見。

ゴミになるので回収。(遊びたいだけ?)

ピストルを添えるだけで漂うダイイングメッセージ感。

ゆとりある時間を使って雪だるま、じゃなくて鏡餅を作ります。

立派に出来ました。

正月に向けて気分が盛り上がってまいりました。

マウンテンバイクに乗った学生さんたちが到着。何たる若さだ。

本を読んだり昼寝したり、贅沢で優雅な時間を過ごします。

夕焼けを眺めるため、また鷹ノ巣山山頂へ。

2014年が暮れようとしています。

暮れゆく2014年。

夕焼けに富士山が浮かび上がります。

誰もいない山頂で静かに眺めます。

2014年が暮れました。

鷹ノ巣避難小屋へと戻って最後の晩餐だ。

さーて、食べるぞ。

おすそわけで頂いたイワナ、ヤマメの甘露煮。

年越し讃岐うどん。華やかさナシ。だが美味い。

お腹も温まり、ヌクヌクのシュラフでいつの間にか寝てしまうと言う最高の贅沢を堪能します。

明日は初日の出が見れるといいな。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/1日目/避難小屋泊/ハイキング/マイカー登山

倉戸山(くらどやま)
標高1169m
榧ノ木山(かやのきやま)
標高1485m
鷹ノ巣山(たかのすやま)
標高1736m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

倉戸口(バス停)[着] 07:25 - [発] 07:25
 ↓ 110分 
倉戸山[着] 09:15 - [発] 09:40
 ↓ 60分 
榧ノ木山[着] 10:40 - [発] 10:40
 ↓ 80分 
鷹ノ巣山避難小屋[着] 12:00 - [発] 13:20
 ↓ 30分 
鷹ノ巣山[着] 13:50 - [発] 14:15
 ↓ 20分 
鷹ノ巣山避難小屋[着] 14:35 - [発] 14:35

行動時間:5時間(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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