2015年1月1日
奥多摩:2日目
鷹ノ巣山:初夢縁起物コンプリート。

2015年の夜明け前。


2015年は鷹ノ巣山避難小屋の外でひっそりと迎えた。

年越しの際は静かな月夜で星空も広がっていたと言うのに、2015年を迎えた途端に空は陰り、雪風が吹き始めた。初日の出の時刻までに天候が回復する事を期待してシュラフにもぐり込んで就寝。

5時起床。

外に出ると快晴で上空は星空。初日の出を拝むには絶好の天気だ。一緒に宿泊していた登山客たちも一斉に起床して出発準備を始めている。

ありったけの防寒着を着込んで鷹ノ巣山山頂に向けて出発。

深夜帯ではそれほど寒さを感じなかった外気も、朝方となるとまるで違い、あっという間に指先がかじかんでしまう。指先まで血を巡らせるためにも無駄に体を動かして早足で山頂へ向かう。

指先の感覚がほのかに戻ってきた頃に山頂に到着した。

2015年元旦の鷹ノ巣山山頂。


東の空では朝焼けが始まり、昨日は霞んでいた富士山も明瞭に浮かび上がっている。風はほとんど無く、周辺は時間が止まっているかのような静けさだ。

そんな状況と一体になって景色を眺めていると、ちらほらと他の登山者も登ってきた。開けた山頂にポツポツと集まる登山者たちとともに初日の出を待つ。

・・・。

日の出時刻は過ぎたが、まだ日は昇らない。

上空は雲ひとつ無い快晴なのだが、東の地平線上には厚い雲が掛かっている。既に日の出を迎えた富士山は朝焼けに染まっているというのに、こちらは雲に隠れている分だけ日の出時刻が遅れている。

(さ、寒い)
(早く昇ってくれ・・)

静かに日の出を待っていた他の登山者たちも同じ気持ちになっているのか、ざわざわした雰囲気が漂い始める。

「きたーっ!」

願望にも似た声があがると同時に光が差す。

厚い雲のため数分遅れの初日の出です。


無事に明けましておめでとうございます。(数分遅れ)
2015年最初の日の出を迎え、ざわついていた山頂の雰囲気も一気に解消され、新年のお祝いムードへと変わった。

それぞれの登山者はそれぞれの思いでこの場に集まっている。夫婦で来ていたり、兄弟、単独など状況も様々。その中にマウンテンバイクに乗ってきた大学生たちがいた。

何たるアグレッシブさ。
若さの成せる業か。
そんな学生さんたちはナスを持参している。

・・・ああ、なるほど。

茄子持参で鷹ノ巣山から富士山を眺める。つまり初夢の縁起物である『一富士、二鷹、三茄子』を初日の出と同時にコンプリートさせる魂胆か。ふうむ、その馬鹿馬鹿しさ、嫌いじゃない。

と言う事で、私もナスを拝借して『一富士、二鷹、三茄子』の初夢縁起物をコンプリートさせた。

一富士、


二鷹、


三茄子。初夢縁起物コンプリート。

【一富士、二鷹、三茄子】
初夢で見ると縁起がよいと言われています。
『富士』は『無事』、『鷹』は『高い』、『茄子』は『成す』の掛け言葉となり、四扇、五煙草、六座頭と続きます。
※起源や意味には諸説あります


正月らしい朝食です。


避難小屋まで戻って、ささやかながら正月らしい朝食を用意する。食に対して何かと思い入れのあるヨメが取り出したのは金粉。その金粉を何の変哲も無いぜんざいに散らすだけでアラ不思議、正月気分になれるのだから視覚効果とは大事なモノだ。

お腹を満たし、日の出待ちで凍えた指先も回復したところで下山準備をはじめる。奥多摩駅前に元旦から営業している美味しい蕎麦屋有り、との情報を他登山者から得ている。今からであれば昼過ぎに下山できるだろう。それから蕎麦屋で昼食、温泉、帰り際にコーヒーを飲んで帰宅すれば、初日の出から始まった完全無欠の元旦山行の出来上がりだ。

ふうむ、これはたまらん。

ウキウキしながらお世話になった鷹ノ巣山避難小屋を軽く掃除して下山の途に就いた。

昨日は榧ノ木尾根から登ってきたので、帰りは六ツ石山から水根方面へ延びる棒ノ木尾根を下る。こちらは初めて歩く山道となり、地形図を見る限り広々した緩やかな尾根歩きに始まり、後半は急斜面を一気に下る事になるようだ。現在の天気や南側に位置している事を考えると積雪はないだろう。それでも天気が崩れる前に下山してしまおう。

六ツ石山を目指して石尾根伝いに歩いていると、今朝方の青空は陰り、心なしか気温も下がってきた。六ツ石山の北側山道には積雪があり、どんよりした空模様も手伝って見た目に寒々しい。六ツ石山山頂に到着すると同時に雪もちらついてきた。

一面に落ち葉が敷き詰められている棒ノ木尾根。


ここからは奥多摩の主稜線である石尾根を外れて棒ノ木尾根を下る。地形図で確認した通り、下り始めは広々した緩やかな尾根で、一面に落ち葉が敷き詰められている。好天時に来たら間違いなく気持ちの良い尾根だ。

天気が好転する事もなく、ちらついていた雪の量は次第に多くなってきた。急斜面の下りに差し掛かる頃にはボタ雪となって、山道はあっという間に白くなっている。

樹林帯で急斜面の山道、散り積もった落ち葉、そして表面に積雪。

この構成が滑る滑る。
登りは良くても下りではヌルヌルだ。

慎重に足元を選びながら下り、派手に転倒する事もなく下山。駐車している『水と緑のふれあい館』までの舗装道路は積雪で真っ白となっていた。

これは積もるタイプの降り方。


駐車場へと戻り、年越し山行は無事に終了した。最後こそ雪に降られてしまったが、快晴の山頂から初日の出を拝んで心機一転、縁起物もコンプリートできて良い年越し山行となった。

1月中旬には山梨県への引越しが待っている。

今の環境よりも少々不便な生活を強いられる事となるが、その不便さも楽しめる心のゆとりを持っておこう。そして、充実の山歩きライフも。

ニヤリ。(仕事しろ)




さて、蕎麦屋。

奥多摩駅前の路地奥にある『そば処おく』でせいろを注文。
本わさびをすりおろして、めんつゆに溶かさず蕎麦の上に乗せて食べるのがオススメと教えてもらい、何やら粋な気分で頂きます。

う、うめぇ!

ずずずーっと盛大にすすって完食。
ご馳走さまでした。

他にもこの時期限定の『新酒しぼりたて生原酒 一番汲み』が絶妙に美味しいです。(ヨメ談)


路地には招き猫。


そば処『おく』。蕎麦が出るまで地元の特産物をつまみます。


そば処『おく』でせいろを頂きます。すりおろした本わさびを蕎麦の上に乗せて食べるのがヨシ。

漫画的山行記録

5時起床。
明けましておめでとうございます。

年明けの深夜帯は雪風が吹いていましたが、外に出てみると星空の出る快晴です。

早速、初日の出を見るために鷹ノ巣山山頂へ向かいます。

2015年が明け始めました。

風も穏やかで静か。

初日の出方面はこちらです。

マウンテンバイクに乗った学生さんたちも登ってきました。

静かに初日の出を待ちます。

(うー寒い、早く明けないかな・・・)

雲が掛かっているため、日の出時刻は遅れています。

朝焼けの富士山。

2015年、初日の出。

改めて明けましておめでとうございます。

一富士、

二鷹、

三茄子。初夢の縁起物コンプリート。

鷹ノ巣山避難小屋に戻ってきました。

正月らしい朝食タイム。

ザ・正月。

金粉を加えて優雅な正月気分に。

午後から天気が崩れそうなので早々と下山します。

お世話になった鷹ノ巣山避難小屋を軽く掃除。

下山します。

帰りは六ツ石山経由で水根方面へ下山します。

六ツ石山の分岐点。今にも雪が降りそうな天気になってきました。

六ツ石山へと登ります。

六ツ石山山頂です。

広い尾根を下ってゆきます。

散り積もった落ち葉。

御前山を見ながら広くて気持ちのいい尾根を下ります。

水根方面へ。

ここからは急傾斜になるので滑らないように注意が必要です。

とうとう雪が降ってきました。

途中にあった祠。

これは積もるタイプの降り方です。

産土(うぶすな)神社で参拝。

山道はもう終わりです。

人の家(?)を下ってきます。

足を滑らせて大転倒する事もなく無事に下山しました。

駐車場まで(地味に遠い)舗装道路を歩きます。

寒くて絶叫中のタヌキ。

駐車してある『水と緑のふれあい館』に戻ってきました。

無事に年越し山行は終了。

鷹ノ巣山避難小屋で一緒になった登山者から教えてもらった蕎麦屋に行ってみます。

そば処『おく』は奥多摩駅前の路地にあります。

路地には招き猫。(※写真は蕎麦屋ではありません)

そば処『おく』に到着。蕎麦が出るまで地元の特産物をつまみます。

せいろを頂きます。すりおろした本わさびを蕎麦の上に乗せて食べるのがヨシ。

大満足!

ちなみに『新酒しぼりたて生原酒 一番汲み』も美味しいです。(酒飲みのヨメ情報)

最後に奥多摩温泉『もえぎの湯』に浸かってトロけます。

よい年越し山行となりました。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/2日目/避難小屋泊/ハイキング/マイカー登山

鷹ノ巣山(たかのすやま)
標高1736m
詳細(外部リンク)
六ツ石山(むついしやま)
標高1478.9m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

鷹ノ巣山避難小屋[着] 06:00 - [発] 06:00
 ↓ 20分 
鷹ノ巣山[着] 06:20 - [発] 07:10
 ↓ 25分 
鷹ノ巣山避難小屋[着] 07:35 - [発] 09:35
 ↓ 90分 
六ツ石山[着] 11:05 - [発] 11:20
 ↓ 105分 
水根登山口[着] 13:05 - [発] 13:05
 ↓ 15分 舗装道路
水と緑のふれあい館(駐車場)[着] 13:20 - [発] 13:20

行動時間:4時間15分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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