2014年12月7日
日光連山:2日目
女峰山:ひたすら寒い状況から夢の世界へ。

今は青空ですがすぐ曇ります。


6時起床。

昨晩は唐沢避難小屋に常備されていた毛布とマットのお陰ですっかり熟睡できた。外に出てみると昨晩から雪が降り続いていたようで、踏み跡が消えかかっている。しかし、一気に何十センチも積もるタイプの降り方ではなく、ひたすら静かで寒い。

こんな状態のため、女峰山の姿を拝む事はできない。どちらにしても、昨日に決定した通り、本日は女峰山には登らずこのまま下山する。積雪期の女峰山は、経験、体力、装備を充実させてから挑む事にしよう。

出発前に、朝食と温かい飲物をとっておく。

昨晩は飲み水が凍らないように、シュラフの脇に置いて就寝していた。が、寝ている間に蹴飛ばしてしまったらしく、シュラフの外でカチンコチンとなっていた。「まあいいや」と放置していたミカンもカチンコチンだ。

凍った状態からお湯を沸かすのに手間取ってしまったが、雪山では雪を溶かした方が手っ取り早いのだろうか。単独で独学だと、こう言ったちょっとした事がわからない。まあ、経験をもとに改善していこう。

このような今後の改善につながる経験が、今回の山行では多かった気がする。知っている者からすれば「当たり前」の知識が多々あっても、実践主義の私としてはありがたい経験だ。
※安全に下山できる事を前提に実践しましょう。

下山します。昨日の踏み跡はもうありません。


お世話になった唐沢避難小屋を軽く掃除して下山を開始。

昨日よりも雪が積もり、寒さで雪面が固まっているため昨日よりは歩きやすい。ただ、景色はサッパリだ。

遥拝岩へと下る前に振り返ると、うっすらと女峰山が見えていた。この山には、初回の印象の良さを抜きにしても何か惹かれる魅力がある。相性とでもいうのだろうか。また機会を改めて確認しにこよう。

遥拝岩まで下ると、降雪も寒さも和らいできた。黒岩を通過して笹原まで下ると、暖かさすら感じるようになる。そして、視界も利くようになり、眼下には日光市街地、遠くには筑波連山も見えてきた。

遥拝岩までは急斜面なので用心深く下山。


薄ぼんやりの太陽ですがちょっと温かい。


雪のちらつく音しかしない静けさです。

広大な笹原で雪のちらつく音しかしない環境で眺める景色は、昨日も見たはずなのに何だか新鮮だった。あの寒かった状況から解放された事で感傷的になっていたのかもしれない。

笹原からはひたすら歩き、誰とも会わずに登山口となる行者堂に到着した。

時間を見ると、まだ昼にもなっていない。「女峰山行けたんじゃ・・・」との思いもよぎったが、今の私のレベルではダメだ。第一、楽しめそうにない。今回は新たな経験ができたのだからヨシとしようじゃあないか。(と、言い聞かせています)


行者堂まで無事に下山しました。


お疲れ、


さん。ニッ。(また撮ってる)

下山後は山行の締めくくりとして恒例のお風呂に浸かる。大寒波が押し寄せている過酷な山中の状況から数時間歩いただけで、蛇口をひねればお湯の出る夢の世界へ。何だか現実感の薄い不思議な感覚になっている。夢心地となって湯槽に浸かっていても、指先だけはジンジンと疼いていた。

東武日光駅に到着。女峰山方面は雪雲の中。


今回は目的の女峰山には登れず終いとなった。それでも新たな経験としてみれば充実の山行だった。

『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』

初代ドイツ帝国首宰相のビスマルクは、このような意味合いの事を言い残したらしい。(一言一句正確なのかは不明)

その本意はわからないが、聞いた話だけで全てを知った気にならず、経験者の言葉もリスペクトすべき、と個人的に解釈している。仏教思想に片寄っている私としては、どちらも程よく取り込む『中道』の発想がしっくりくる。

ただ、経験者の言葉も聞くけどやっぱり実践したくなる私は『愚者』寄りだな。




創業百余年の『吉田屋酒店』。下戸なのでこういう所に目がいきます。


早く下山できた事だし、日光の名物でも食べてみようかな。
どれどれ。
『湯波御膳:3000円』『湯波蕎麦:1500円』

・・・た、高ぇ!
いいよ、帰りに駅ソバ食べるよ!!(単独行だとこうなります)

※大豆の加工食品である『ゆば』(日光では『湯波』と表記)は、もともと高級品扱いです。

ちなみに、ヨメへの土産に創業百余年の『吉田屋酒店』で地酒を購入。下戸のためにお酒の事はわからないが、歴史あるたたずまいで雰囲気のよい酒屋さんでした。

漫画的山行記録

昨晩は唐沢避難小屋に宿泊。
経験、装備が不十分のため、女峰山には登らずこのまま下山します。

青空のタイミングで撮影。実際は雪が降っています。

アイゼンを利かせて下山。

昨日の踏み跡はすっかり消えています。

振り返るとうっすら女峰山が見えました。また来ます。

ある程度積雪があるので下山がラクです。

寒いので休まず下山します。

樹林帯から出ると寒い寒い。

唯一のクサリ場を通過。

このルートではお馴染みの標識。

遥拝石が見えてきました。

太陽のありがたみを知ります。

向かいの尾根。傾斜が一定で歩きやすそうです。

笹原まで下りてきました。

ここまで来れば後はなだらかです。

静かで広大な笹原からの景色。遠くに筑波連山が見えます。

だいぶ暖かみを感じられるようになってきました。

綺麗かと思って撮ってみたものの・・・汚い。

程良く解凍されたシャーベットみかん。ウマイ。

水もだいぶ溶けてきました。(溶けないと捨てられない・・・)

行者堂の登山口まで戻ってきました。

行者堂に無事な下山を報告。

お疲れ、

さん。ニッ。(また撮ってる)

せっかくなので史跡探勝路を歩きます。

徳川家康が乗っていた『神馬の碑』。

イイ感じの散策路です。

『手掛石』と大杉が寄り添っています。

北野神社に参拝。

二荒山神社にもある牛石のミニチュア?胴体には奇跡的に頭文字のUの字が。

『仏岩』。ヒーロー風に見参。

無事な出産祈願に『観音堂』。

安産祈願に『陰陽石』。

大谷川に架かる『神橋』。

日光的な建物です。

創業百余年の『吉田屋酒店』でお土産を購入。

東武日光駅に到着。女峰山方面は雲の中。

栃木と言ったらこのイメージ。

経験と装備不十分なため女峰山には登れませんでしたが、いい経験ができました。

女峰山、また来ます。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

単独行/2日目/避難小屋泊/ハイキング/電車・バス登山

竜巻山(たつまきやま)
標高2224m

本日のスケジュール

唐沢避難小屋[着] 07:05 - [発] 07:05
 ↓ 70分 
遥拝石[着] 08:15 - [発] 08:15
 ↓ 140分 
行者堂(登山口)[着] 10:35 - [発] 10:35
 ↓ 95分 舗装道路
東武日光駅[着] 12:10 - [発] 12:10

行動時間:5時間5分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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