2015年3月22日
八ヶ岳：2日目 しらびそ小屋：手伝って再確認する山小屋のありがたみ。

本日はお待ちかね、しらびそ小屋の厚切りトーストだ。

昔は何時でも食べられたようだが、今となっては完全予約制の朝食で宿泊者のみのメニューとなっている。メディアに取り上げられてから注文が多くなりすぎ、手が回らなくなったのが理由だと言う。影響力など皆無のこの記録程度なら公開しても問題ないだろう。

まずは6時から通常の朝食。厚切りトーストの私たちはその後、8時からとなる。それまでは、ミドリ池を眺めたり小動物にときめいたり、贅沢なまでにゆったりとした時間を過ごす。何処かに登る予定もない本日は、厚切りトーストのためだけにあると言っても良いくらいだ。

そして、待ちに待った朝食。

入る。いくらでも入るぞ、コレ！
（※食べ放題ではありません）


使用するのは麓にある『高原のパンやさん』の食パン。山小屋で生地から作るとまではいかないが、このしらびそ小屋の空間、添えられた手作りのジャムとマーマレード、そして何よりも、つぶれないように大事に荷上げされた労力を考えれば大幅に美味しさが増すと言うモノだ。人力によりしらびそ小屋へと集まった食材でのおもてなし、つまり『御馳走』ここに有りだ。

舐めるようにペロリと完食。
御馳走様でした。

小屋の方から、本日は雪に埋まった薪を掘り起こす作業をすると伺っていた。「小屋の仕事には興味があるし、急いで下山する理由は特にない」などと話をしていたら、何となしに雪掻きを手伝う流れになってしまった。まああれだ、雪掻き必須の幼少時代を過ごした東北出身者の血が騒いだって事にしておこう。

しらびそ小屋83泊目の常連Kさんと早速、作業に取りかかる。

街での雪掻きとは違う感覚に早くも悲鳴をあげる腰。ここは無理せず休み休みしよう。肉体労働の基本は疲れない事。これが長く継続できる秘訣と心得ている私だ。（若い頃に飯場のオヤジに教わった）


お茶の時間も挟みつつ、昼前に雪掻き作業は終了。昼食にカレーを御馳走になる。労働後に皆で食べる山小屋カレーは、朝食の厚切りトーストと同じく格別の美味しさだった。

食事もそうだが、冬期の山小屋で暖をとれるのもこうした地味な労働あってこそ。自ら雪掻きした事で、そのありがたみを再確認できた気がする。とは言え、単発よりも継続を重要視している三日坊主の私。そう言った意味では山小屋の維持も含め、何かを継続している方には頭が下がる思いだ。

本日は山には登っていないが心地よく疲労できた。厚切りトーストも堪能できた事だし、継続できる程度にボチボチ下山しようかね。