ヨメがテントをかついで八ヶ岳の赤岳へ2泊3日のソロ山行。
一般的なルートである美濃戸口からの入山を勧めたのだが、どうしてもキレット経由で赤岳へ行きたいらしく、観音平から入山している。
青年小屋にテントを張り、中一日で赤岳間を往復するスケジュールだ。
日頃のヨガ効果なのか、身体的バランスや持久力は私より遥かに優れているので特段心配はしていない。ただ、瞬発的な力が必要となる登りや、方向感覚がまるでない点が気になるところ。
スケジュールの関係で残念ながら同行出来なかった私も、思いの外、スムーズに用事が片付いたので一日遅れで青年小屋に向かう事にした。
『ヨメ想いの良いダンナ』と、思ってくれるならしめたもの。
実のところ、私には裏目的があるのだ。
裏目的の準備をササッと整え、新宿から高速バスに乗って小淵沢へ。
中央高速道路は渋滞。予定の2時間遅れで小淵沢インターに到着。
ここからは観音平に向かって黙々と舗装道路を歩く。
日中の舗装道路は暑い。汚い言葉が漏れてしまう程にクソ暑い。
汗だくで歩いていると脇をバスが通りすぎ、路線バスが通ってる事を今更ながら知ってしまい、少々心が折れる。
それでも挫けずに歩く事2時間。観音平駐車場に辿り着き、我が家の車を発見。帰りの着替えなど必要ないモノは車に乗せて、改めて青年小屋へと出発した。
舗装道路歩きより、木陰の山歩きの方が遥かにマシ。
とは言っても、やはり疲れる。
ここは先日、山中で出会った方に教わった『攻めのダブルストック』を実践してみよう。
ストックを最大限に伸ばし、自分より前ではなく後方を突いて体を押し出す。ストックを杖がわりに使わず、前へ上へと進むための道具として使うのだ。
馴れるまでぎこちない動きになるがイイ感触。
いかんせん上半身の筋力不足のため、すぐに辛くなって引きずられてしまったダブルストック。
筋力をつけないと効果的に使えないな。
編笠山へは明日登る事にして、押手川分岐からは巻き道経由で青年小屋へと向かう事にする。
青年小屋に到着すると、丁度、赤岳帰りのヨメと遭遇。
案の定、ケロッとしている。
「何、心配になって来てくれたの?」
そう言われ、裏目的のある私は「フフフ」とお茶を濁しておく。
さて、無事に合流したところで、山中で試したかった裏目的の準備をするか。
山中で試したかった事、それは『そうめん』だ。
カロリーが必要となる登山運動において、極めて低カロリーのそうめんの喉ごしを楽しむ。
なんて贅沢なんだろう。
私にとっての贅沢とはこういう事なのだ。
(※後日調べたところ、そうめんは意外とカロリーの高い食品でした)
まずは茹で汁の後始末も考えて、極力少ない量のお湯でそうめんを茹でる。
軽く茹でたら、茹で汁を別のクッカーに移して、大きめのジップロックにそうめんを入れる。すかさず冷水を投入して最寄りの水場(乙女の水)へ移動。
ジップロックに入れたまま、冷え冷えの沢の水でそうめんを冷却、ついでにめんつゆも冷やしておく。
完全に冷やされたところで、めんつゆを沢の水で割って、乾燥ネギを振る。
出来上がり。
では頂きます。
茹で汁の後始末も考えて、極力少ない量のお湯でそうめんを茹でます。
茹であがったそうめんをジップロックに入れたまま冷却します。
むむ、ウマイ!
何となく無駄に贅沢!
水場までの移動時間が長すぎて、少々のびちゃっている感はあってもその喉ごしは健在。
勿論、大量のお湯で茹で、尚且つ、そうめんを直接冷水にあてて冷やせたならもっと美味しく出来上がったのだろうが、そこは山中での雄大な景色と引き換え。
ヨメにも一緒にいたインドネシア人のTさんにもおおむね好評を頂き、自己評価も合格点の出来栄えだ。
真夏の山中に身を置き、自然の中で冷たいそうめんの喉ごしを楽しむ。
無駄に贅沢な目的を果たせて大満足。
使用した茹で汁で出来た大量の味噌汁。ウマイけど多い。
しかし、使用した茹で汁で出来た大量の味噌汁には誰も手をつけてはくれなかった・・・。(一人で飲み干しました)