2012年6月10日
八ヶ岳:1日目
阿弥陀岳:憧れの阿弥陀~赤岳稜線歩き。

テント泊トレーニングとして、近所のKさんと南八ヶ岳へ。

車道でこちらの様子を伺うカモシカ。遭遇するのは小学生以来だ。


行者小屋にテントを構えて、初日は阿弥陀岳から赤岳、そして地蔵尾根を経てぐるり。
翌日は、硫黄岳から横岳、そしてまた地蔵尾根を経てぐるりとループする、地蔵尾根連日利用のモノ好きスケジュールだ。

稜線上の小屋を利用すれば快適稜線歩きを楽しめるだろうが、テント泊トレーニングの名目上、一端稜線から外れてテン場へ戻るのは致し方ない。(本当は宿泊費節約のため)
どちらにしても2日間で南八ヶ岳の主稜線をたっぷり満喫できそうだ。

昨日、梅雨入りが発表されただけに今朝は雨模様。
今日の予報では徐々に雨は上がり「曇り」に、明日は「曇り時々晴れ」の今ひとつな天気。
これではなかなかテンションも上がらない。

赤岳登山の最もメジャーな入山口である美濃戸口から、更に奥に入った赤岳山荘の駐車場(1日1000円)に駐車。
こんな雨模様でも意外と賑わっている。

山荘前ではジュース類が販売されており、私の密かな好物「瓶コーラ」も冷やされている。適度な量に、適度に抜けた炭酸が堪らない。

「下山後はこれで決まりだな!」と、早くも下山後の楽しみにワクワクしながら八ヶ岳へと入山。
美濃戸側からの入山は初めてな事もあり余計に楽しみだ。

雨でテンションが上がらないと言っておきながら、既にワクワクしている単純さは、ある意味お得な性格。


雨が降っていると言っても、横殴りの風が吹いて荒れている訳でもなく、空は明るく天候回復の兆しが見え始めている。
途中、治山工事のための迂回路が泥だらけだったものの、雨対策万全の抜かりない装備で樹林帯を快適に歩いて行く。

見えそうで見えない焦らし上手の赤岳。


難なく行者小屋に到着。
雨もすっかり上がっている。

しかし、行者小屋から見えるはずの、赤岳をはじめとする主稜線上の山々は、ガスが掛かってしまいその雄姿を拝むことができない。
最初から「曇り」とわかっていたので覚悟はしていたものの、やはり残念。

ガッカリしていると、行者小屋前で休憩しているお客さんたちが「出た出たっ!」と騒ぎ出した。
見上げると八ヶ岳連峰の最高峰、赤岳山頂がうっすらと見える。

お客さんたちが一斉にカメラを構える。

そうそう、やっぱり見たいよね、撮りたいよね。
俗っぽいが、見えた見えなかったと他の登山者と共感できるのも山歩きの楽しみのひとつだ。(更に記念写真のシャッターを頼まれると最高)

行者小屋のテン場利用は一人1000円。
他の山域と比べると高い気もするが、快適な場所を譲ってもらいテントを設営。
早速、軽装で阿弥陀岳へと向かった。

赤岳付近は、山腹はゆったり斜面で、山頂付近で急坂、直登になる箇所が多い。
阿弥陀岳にもそれが当てはまる。

一部崩落している箇所を迂回して中岳のコルまで登ると、阿弥陀岳の最後の岩稜がそそり立っている。
「コレ、一般的な山道?」と疑問に思ってしまうほどにそそり立っている。

阿弥陀岳山頂。ここからの景色も見てみたかった。


基本的には臆病で高所が得意とは言えない私だが、挑戦心を掻き立てられるのか、危険を感じながら登るのは嫌いではない。
ビビりながらも、短い脚をビーンと伸ばして登って行く。

そしてガスで何も見えない阿弥陀岳山頂に到着。

昨年、赤岳から阿弥陀岳へと続く美しい稜線に惚れ惚れして、「是非歩いてみたい!」と思っていたその稜線上を実際に歩いての登頂。
記憶の中で阿弥陀岳の稜線美が蘇り、ガスで何も見えなくとも感慨深いものがあった。

つい、山頂にある阿弥陀如来の石仏とふざけた写真を撮ってしまったが、感無量で我を忘れていたと言うことで堪忍して下さい。

感慨に浸った後は、中岳のコルまで戻り、次いで中岳、赤岳に向かう。

中岳から赤岳への登りは、富士登山を彷彿させる砂礫のジグザグ登り。
そして最後はやはり岩場の急坂。
様々な山歩きバリエーションをコンパクトに楽しめるところも八ヶ岳の魅力だ。

クサリやロープを頼りに登る。


時には手足を使って登る。


あっちこっち行きながら登る。

整備されているハシゴやクサリに助けられ、登頂した赤岳山頂はガスの中でひっそりと静まり返っていた。
阿弥陀岳へと続く稜線美を見れないのが実に惜しいところだが、先程実際に歩いてきただけにその余韻はまだ残っている。

そして山頂に鎮座する太成宮のお社には、ゆでたまご先生のキン肉マンとミートくんが何故か鎮座。
誰が供えたのか、そしてその意図は謎だ。

休憩がてらに赤岳頂上小屋でココアを飲んでホッと一息。

明日は平日と言うこともあり、赤岳頂上小屋はガラーンと空いていた。
いずれ予算を気にせず平日小屋泊の快適縦走をしてみたいモノだ。(ジイさんになってからか)

程良く休憩したところで、後は行者小屋まで下山するのみ。

眼下にマイテントが見える。


眼下には行者小屋テン場に設営してあるマイテントを目視できる。
「もうゴンドラか何かで一気に下りれるといいのに」と、ラクしたい妄想をしつつ地蔵尾根を下ってゆく。

ガレ場を下り、急な階段を下り、残雪の樹林帯を下って行者小屋に無事帰還。

テントに戻ると高度障害なのか、若干の頭痛がして食欲も今ひとつ出ない。
これまでの経験上、こんな時は寝るに限る。

まずは体を拭いてスッキリしたところでシュラフに潜り込む。


4時間程熟睡し、夜中に目が覚めると、予想通り頭痛もなく食欲も復活していた。
夜な夜なソーセージを炒め、ロールパンを貪り食い、最後はチップスターといった、何とも学生っぽい適当な食事を満喫。(これが物凄く贅沢に感じる時がある)

お腹も満たされたところで茶をすすりながら読書。
テント泊ならではの感じで、静かな山の夜を楽しんだ。

本日の写真

赤岳山荘。

おお、瓶コーラ!帰りはこれで決まりだ。

南沢ルートを利用。

南沢。

小雨になり、空が明るくなってきた。

雨でびちゃびちゃの山道。

雨が止んだ。

ゆったりした斜度をゆったり登る。

パッと開けた。

雨上がりのコケは瑞々しい。

青空がチラリ。

気持ちばかりの残雪。

行者小屋。

赤岳へと続く、階段続きの文三郎尾根。

赤岳山頂が見えそうで見えない。

まだまだ残雪あり。

分岐点。左へ行けばマムート階段の文三郎尾根。

少々、斜度がきつくなる。

崩落個所。上部を迂回します。

積雪期は雪崩が多い箇所らしい。

稜線間近。

中岳のコル。

倒れかけの道標と山頂が見えない阿弥陀岳。

まずはハシゴで阿弥陀岳を登ります。

クサリがありがたい斜度。

何かのツボミを見て小休止。

慎重にガシガシ登ります。

阿弥陀岳山頂。

阿弥陀岳南稜がうっすら見えます。

あっ、道標が倒れている!

道標仮修復。

中岳の登り。

中岳山頂。ガスでなーんにも見えない。

コル(鞍部)から赤岳を見上げる。

文三郎尾根分岐までもう少し。

ガスの中の文三郎尾根分岐。青空だと絵になるのに。

キレット分岐。

ここからは岩登り。

石を落とさないように登ります。

あっち行って、こっち登って。

一瞬の青空を逃さず、山頂写真をパチリ。

誰が安置したのかキン肉マン。

赤岳頂上小屋。

中はキレイで快適そう。

中岳、阿弥陀岳の稜線。

はるか下方にマイテントが見える。

赤岳展望荘まで下ります。

足元注意!

振り返ると赤岳はガスの中。

個室充実の赤岳展望荘。

岩がにょきにょき出ている。

地蔵尾根分岐。

またもやお地蔵さん。

急な階段を下ります。

行者小屋テン場へ到着。

本日の山行情報

複数人山行/1日目/テント泊/8時間以上歩行/マイカー登山

阿弥陀岳(あみだだけ)
標高2805m
詳細(外部リンク)
中岳(なかだけ)
標高約2700m
詳細(外部リンク)
赤岳(あかだけ)
標高2899m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

赤岳山荘(駐車場)[着] 05:35 - [発] 05:35
 ↓ 175分 南沢ルート
行者小屋[着] 08:30 - [発] 10:10
 ↓ 80分 
中岳のコル[着] 11:30 - [発] 11:45
 ↓ 30分 
阿弥陀岳[着] 12:15 - [発] 12:30
 ↓ 25分 
中岳のコル[着] 12:55 - [発] 12:55
 ↓ 15分 
中岳[着] 13:10 - [発] 13:10
 ↓ 80分 
赤岳[着] 14:30 - [発] 15:20
 ↓ 40分 
地蔵尾根分岐[着] 16:00 - [発] 16:00
 ↓ 50分 地蔵尾根
行者小屋[着] 16:50 - [発] 16:50

行動時間:8時間15分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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