昨日は赤岳鉱泉にて静かに2014年を迎えた。
元旦から山中にいるなんて、今年はどんな年になるのだろうか。
赤岳鉱泉での朝。
初日の出は位置的に稜線に出なければ見る事はできない。
元々稜線に出る予定はなく、行者小屋から朝日を受ける赤岳を拝めればいいな、程度に考えていた。
が、起きてみると外はガスに包まれて真っ白。
赤岳どころか、朝焼け自体見れるような天気ではなかった。
ここは潔く諦めて、元旦らしい朝食を楽しむ事にしよう。
正月と言えばモチ。
そして雑煮だ。
同行の若人メンバーが持ってきてくれたモチを焼いて、顆粒状のお吸いもので汁を用意。
最後にキヌサヤを添えてお雑煮の出来上がり。
キヌサヤを添える。
この一手間で料理のセンスがわかってしまう。
ちなみに私はセンス無い側の部類に属しています。
食後は豆を挽いてドリップコーヒーをたしなむ。
天気にこそ恵まれなかったが、何とも優雅な年始めではないか。
ゆっくりと朝食を楽しんでも、天気は一向に回復していない。
こればかりはしょうがない事。
とりあえず行動を始めよう。
装備を整えて、行者小屋へと向かう。
付近のガスは晴れているが、山頂方面はまだ真っ白で、樹林帯でも場所によっては冷たい風が吹き付けてくる。
この分だと稜線上は過酷な状況となっていそうだ。
元旦早々、遭難事故などなければよいが。
天候が変わらないまま行者小屋に到着。
残念ながら、赤岳など全く見えない。
しかし、雪山の楽しみは景色だけではない。
ワカンを履いて誰も踏み入れていない樹林帯へと繰り出してみた。
ワカンも坪足も大差無いサラサラの新雪。
こんな雪面に足跡を残しながら歩けば、気持ちだけは若返って童心に返ってしまう。年甲斐なく大はしゃぎしても気にしない気にしない。
ひとしきり遊んだ後、我に返って物凄く気になったりもしたが・・・。
主に赤岳鉱泉はアイスクライミングのベースキャンプ地として利用され、こちらの行者小屋は赤岳登山のベースキャンプ地として人気があるようだ。
そんな登山者に混ざって、ウェアをバッチリと決めている可愛らしい犬もいた。
ベテラン登山家を彷彿させる、その落ち着いたたたずまいの登山犬。
先程、大はしゃぎで雪と戯れている私の様子に、「やれやれだぜ」と思ったに違いない。
【肉球の秘密】
犬の肉球の内部は静脈と動脈が近接した構造のため、冷えた血液は体内から送られる温かい血液によって温められ(対向流熱交換)、肉球の温度も体内温度も保たれるそうです。
ただ、寒さに弱い犬種もいるので注意。
登山犬。大はしゃぎで雪と戯れている私の様子に「やれやれだぜ」と思っています。
名残惜しいが、帰りのバス時間もあるので美濃戸口に向かって下山を開始。
途中、同行の若人チームは俗に言うシリセード(尻制動)でショートカットして下ってゆく。
一方私は、アイゼンを尻に引っ掻けておもいっきり捻挫した1年前の記憶が甦り、おとなしく普通に下山する。
いい大人は尻制動などしないモノさ。
・・・くっ。(※本当はやりたい)
バス時間に余裕をもって八ヶ岳山荘に到着。
昨日食べ損ねた年越しソバをすすり、無事に2014年最初の山歩きを締めくくる事ができた。
今回の年越し山歩きは、何といっても豪華な食事が印象的だった。
これもパーティー山行の醍醐味だな。
ありがとう、同行の若人メンバー!