2014年1月4日
丹沢山地:日帰り
畦ヶ丸:地味には地味の良さがある。

西丹沢自然教室から畦ヶ丸へ。


『ヤマビルと言えば丹沢』の悪しきイメージを払拭できない私。

まだ被害にあった事はなくても、「靴を脱いだら靴下が血で真っ赤に染まっていた・・・」等の経験談を聞くだけで背筋が凍る。
こんな丹沢エリアを歩くには、ヤマビル被害の少ない冬季しかない。

そんな事で畦ヶ丸を歩いてきた。

『畦ヶ丸』とは漁船でもどこかの殿様の愛馬でもなく、西丹沢に位置する標高1293mの山。

山頂付近に生息するツツジ科の『アセビ』が訛った説、丸い塚(畦)のような山容からつけられた説など、山名由来に諸説ある畦ヶ丸。
今回はそんな山名由来や景観は置いといて、純粋にまだ歩いた事の無い静かな山道歩きが目的だ。

塔ノ岳や鍋割山などの東丹沢は、多くの登山客が入る言わずと知れた大人気エリア。
一方、畦ヶ丸が属する西丹沢は登山客も少なく静かで地味な印象がある。畦ヶ丸って山名も今一つ地味。

果たして実際の雰囲気はいかがなモノだろうか。



西丹沢自然教室付近のスペースに適当に駐車。


到着した西丹沢自然教室の駐車場(10台程)は既に満車。
あれ?意外と人気あるのかな。

駐車場にとめられなくても、付近に駐車可能なスペースが豊富にあるので適当に駐車。
この時期特有の澄んだ空気を感じながら、まずは西丹沢自然教室すぐ裏の橋を渡って西沢沿いに登ってゆく。

何度か堤防を越えると、積雪が目立ってきた。
右岸左岸へと頻繁に渡る事となる丸太橋には氷が張り、滑りやすくて地味に危険だ。

滑って沢に落ちるなんて、この時期には最も避けるべき事態。
ソロリソロリと足を運び、石橋を叩いて渡る用心深さで進む。

途中、『小棚』『本棚』への分岐があり、「なんのこっちゃ?」と、訳のわからぬまま素通り。帰宅後、『棚』は『滝』を指している事を知った。
何となく「滝なのだろう」と予想はしていたが、実は丹沢の名瀑だったらしく「立ち寄れば良かった・・・」と、悶えるほ程に後悔した。

丸太橋は滑りやすいので地味に危険。


西沢から離れて尾根に乗る。
ここから急坂となり、一気に標高を上げると歩きやすい程度に積雪量が増してきた。

しばらくして誰もいない畦ヶ丸山頂に到着。

樹林があり、展望特にナシ。そして地味。
ふむ、今回の目的には打って付けの山頂ではないか。

ちなみにここまですれ違った登山者は1人。
1人、というのがまた地味だ。

少し下ると畦ヶ丸避難小屋がある。
この小屋には立派な薪ストーブがあり、利用者のマナーが良いのか綺麗な状態が保たれている。

こんなに綺麗な状態だと勝手に別荘化して、街の生活に疲れたら癒されに来たいくらいだ。
※当然ですが別荘化、ダメです。

畦ヶ丸山頂へ。このくらいの積雪なら歩きやすい。


畦ヶ丸山頂。展望特にナシ。


畦ヶ丸避難小屋は利用者のマナーが良いのか綺麗な状態です。

ここからは稜線伝いに白石峠に向かう。
白石峠までには、モロクボ沢ノ頭、バン木ノ頭、シャガクチ丸、水晶沢ノ頭と、数々の越えるべきピークがある。

気合いを入れて出発だ。

少し歩いて眠たくなった。

見張らしはあるが、木々が邪魔してスカッと見渡せる訳でもない。
名称のついたピークはいくつもあるが、ちょっとしたアップダウンなので、これと言った到達感もない。

穏やかな天気も手伝ってウトウトしてしまう。
途中、本当に寝ながら歩いていたかも。

これは山道がつまらないのではなく、地味・・・いや、快適過ぎるのだ。

※どんな山道でも油断しないで下さい。

白石峠の分岐はピークではなく鞍部にあります。


下山の分岐点となる白石峠は、国土地理院の地形図によると標高1307mのピークに記されている。
しかし、実際にそのピークに行ってみると何もなく、20m程下った鞍部に白石峠の分岐点はあった。

何だろう、このズレは。
この分岐点の位置は重要だと思うのだが、結構前から間違ったままの様子。もう修正する気はないのだろうか。

まさか・・・地味だから無視?

白石峠からは一気に標高を下げ、白石沢沿いを下る。

途中には『大理石の滝』とも呼ばれる『白石の滝』の展望ポイントがあるが、山道は木々に覆われてほぼ音のみ。
・・・地味。

白石沢伝いに用木沢出合まで下山。
後は舗装道路を30分程歩いて西丹沢自然教室へと戻り、今回の山行を無事に終えた。

西丹沢自然教室に戻ってきました。


地味な印象のあった西丹沢の畦ヶ丸を実際に歩いた感想としては、印象と寸分たがわず地味だった。
しかし、今回の道中で見逃した滝もあるし、時期によっては楽しめそうな要素が間違いなくある。何といってもその静けさを楽しまなければ。

混んでるのはキライ、でも誰もいないのもイヤ。

こんな繊細な感性の持ち主であれば、このエリアは天国のように感じる事だろう。

漫画的山行記録

静かな西丹沢を散策してきます。

西丹沢自然教室からスタート。

『棚』は『滝』を指す言葉だそうです。

西丹沢公園橋を渡ります。

堤防を越えて行きます。

水量がなければ広々とした河川敷。

寒くてもたくましく生えてます。

丸太橋を何度か渡ります。

霜が降りているとツルツル滑るので要注意。

この辺りから、若干積雪。

積雪が目立ってきました。

こんなクサリ場もあります。

見るからに滑りそう。要注意。

下棚(しもんだな)はこちら。

本棚(ほんだな)はこちら。

念のため本屋とは無関係ですよ。

『棚』=『滝』です。

こちらの谷を途中まで登ります。

何だかふさふさしてます。

尾根に乗りました。

善六ノタワ。『タワ』は鞍部を指します。

下ってまた登る。

このくらいの雪なら泥道より断然歩きやすい。

ちょっと宇宙人っぽい。

意外と積もってます。

畦ヶ丸に到着。

畦ヶ丸は特に展望はありません。

圧縮されてモチ化してるおにぎりを頂きます。

畦ヶ丸避難小屋。トイレあり。

立派な薪ストーブもあります。

笹と雪の稜線を進みます。

富士山。宝永山もポッコリ。

モロクボ沢ノ頭。標高1190m。

まだまだ進もう。

絞ると何か出るのかな。

バン木ノ頭。標高1180m。

小さなアップダウンが多いルートです。

シャガクチ丸。標高1191m。

強風でも吹いたのでしょうか。

こちらは力強く生息中。

水晶沢ノ頭。標高1278m。

稜線はまだまだ続きます。

白石峠。

今日のところはこの分岐点から下ります。

奥には檜洞丸が見えます。

何かの種皮。

クサリ場もあります。

ここまで下りれば後はなだらか。

これは絶対滑るヤツ。

白石の滝が地味に見えます。写真だとサッパリですね。

この辺りまで下れば積雪はゼロ。

堤防を越えて下ります。

そろそろ山道終了の気配。

用木沢出合。ここからは舗装道路です。

マシュマロをゲット。つまみながら駐車場へとボチボチ戻ります。

西丹沢自然教室まで戻ってきました。

地味なエリアですが静かな山歩きを楽しむには最適です。

お疲れ様でした。

おわり

漫画的山行記録
(新規ウィンドウ表示)

本日の山行情報

複数人山行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

畦ヶ丸(あぜがまる)
標高1293m
詳細(外部リンク)
蛇ヶ口丸(しゃがくちまる)
標高1191m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

西丹沢自然教室[着] 08:05 - [発] 08:05
 ↓ 115分 
善六ノタワ[着] 10:00 - [発] 10:00
 ↓ 55分 
畦ヶ丸[着] 10:55 - [発] 11:35
 ↓ 65分 
蛇ヶ口丸[着] 12:40 - [発] 12:40
 ↓ 50分 
水晶沢ノ頭[着] 13:30 - [発] 13:30
 ↓ 25分 
白石峠[着] 13:55 - [発] 14:00
 ↓ 90分 
用木沢出合[着] 15:30 - [発] 15:30
 ↓ 35分 舗装道路
西丹沢自然教室[着] 16:05 - [発] 16:05

行動時間:7時間15分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

この山域の関連記事