2012年6月4日
尾瀬:2日目
三条ノ滝:尾瀬らしからぬワイルドさに圧倒。

静まり返っている木道をゆく。


早朝、暗いうちに目を覚ますと、昨日からの雨はどうやら止んでいるようだ。
テントから顔を出すと、林の向こうにおぼろ月も見える。

この天気なら暗いうちから行動できそう。

本日は三条ノ滝を見に行くスケジュール。
昨日、売店の店員さんから、雪解け水が豊富な今時期の三条ノ滝は大迫力との情報を得ていることもあり、どんなものかワクワクしながら軽装で出発した。

日の出前の時間帯はクマとの遭遇率が高いらしいので、クマ鈴をチリンチリン鳴らしながら、薄暗く朝靄の立ち込める木道を進んでいく。
ちょっと肌寒いが山歩きには丁度いい。

早朝で静まり返っている沼尻休憩所からは、燧ヶ岳山腹の樹林帯に伸びる木道を進む。

白砂峠付近は日当たりが悪いのかまだまだ残雪が残っている。

この残雪と木道のコンビネーションは悪意を感じるほどに良く滑る。

木道は濡れているだけで滑りやすいと言うのに、靴底に雪を着けていようものなら驚異的な滑りやすさを発揮。
滑りやすいと注意しながらも、「おわっ!」と声が出てしまうことが度々あるのが残雪/木道コンビネーションの憎々しいところだ。

更に踏み抜きにも注意が必要。
雪解けが進むこの時期は、雪が積もっているように見えても、埋もれている木道と木道の間は空洞になっている。
うっかり踏み込もうものならスボっと踏み抜いてドボンと落ちてしまう。

このようにウッカリ歩行者を虎視眈々と狙っている残雪の木道地帯。
もう、憎々しい以外の何物でもない。(既に何度かひやっとさせられている)

雪の残る至仏山。


こんな木道地帯を慎重に通過して見晴に到着。

すっかり日が昇っている見晴では、尾瀬ヶ原散策に出発するお客さんで賑わっていた。
平日でもこの賑わいはさすがに尾瀬だ。

準備体操をしているツアー客を眺めながら、無料休憩所で朝食。
賑わいが収まってきたところで、三条ノ滝へと向かうため尾瀬ヶ原入りした。

尾瀬ヶ原には残雪はほとんどなく、乾いている木道は快適そのもの。
天気もまずまずで、尾瀬ヶ原の奥には雪の残る至仏山がゆったりと横たわっているのが見える。
燧ヶ岳とは異なる優しげな山容が実に魅力的。


この辺りにも水芭蕉は咲いているのだが、時期の問題なのか尾瀬沼のモノと比べると少々小振りな感じがする。
それでもリュウキンカやショウジョウバカマ、タテヤマリンドウなど、小さい花々が眼を楽しませてくれる。

花の名前なんて全く知らなかったのだが、そこはさすが国立公園。
ガイドブックやパンフレットが充実して、公園内に咲いている花々が紹介されているのでありがたい。

実際に見かけると、名前を知っているだけで嬉しさが増すのだから不思議だ。(単純だから?)


朝露を蓄えたショウジョウバカマ(猩々袴)。


色鮮やかなリュウキンカ(立金花)。


日があたっている時だけ開くタテヤマリンドウ(立山竜胆)。

快適な木道は元湯山荘まで。

ここから三条ノ滝までは、岩場あり、泥だらけの悪路ありと、尾瀬らしからぬワイルドな様相を呈してくる。
他の山域では普通でも、尾瀬ヶ原の快適な木道から来てしまうと余計にワイルドに感じてしまう。(これも単純だから?)

ワイルドな山道を下って行くと、大量の水が流れる音が聞こえてきた。
まずは平滑ノ滝(ひらなめのたき)展望台に到着。

平滑ノ滝は「滝」と言うよりは一枚岩を滑り落ちる「川」のような感じ。
展望感は少々残念なのだが、山中とは思えない水量に、更に下流にある三条ノ滝に期待が膨らむ。

平滑ノ滝展望台から更に山道を下って行くと、徐々に滝の流れ落ちる音が腹に響いてきた。
クサリも整備されている急な階段を下りると、轟音と共に大迫力の三条ノ滝が現れた。

マイナスイオン大放出。
可能であれば更に接近してマイナスイオン大摂取したいところだが、展望できる第1テラスからでも、雪解け水で水量の増した三条ノ滝の迫力は十分感じられる。
その水量は尾瀬沼、燧ヶ岳、至仏山の水源を一手に引き受けているかのような感じすら受ける。

落差100mで直瀑(ほぼ垂直に落下する滝)規模は日本最大級の三条ノ滝。
雪解けシーズンも手伝って、圧倒的迫力だった。

落差100mで直瀑(ほぼ垂直に落下する滝)規模は日本最大級の三条ノ滝。


雪解け水で水量アップ。マイナスイオンも大放出。


いかがでしたか、三条ノ滝。

さて、マイナスイオンも大量摂取したところで戻ることにするか。

尾瀬沼キャンプ場からここまで4時間程度を予定していたが、時計を見ると5時間近くかかっている。
この調子では下山予定時間が遅くなってしまう。
これはウカウカしていられないと、疲労覚悟の急ぎ足で来た道を戻ってゆく。

水芭蕉を見るなら尾瀬沼オススメ。


昨日に引き続きステキな沼尻休憩所で、休憩がてら冷えた牛乳とパンでカロリー補給。(山で食べるパンは最高)
疲労はしたものの、まずまずの時刻に尾瀬沼キャンプ場に帰還。
間髪いれずにテントを撤収して尾瀬を後にした。

駐車場までの長い砂利道歩きこそカンベンしてほしいが、それでも尾瀬はイイな。
この些細な苦労があった上で得られる景色だからこそイイのかもしれない。

本日の写真

夜明け前の木道。

空が明るくなってきた。

浅湖湿原に浮かぶ燧ヶ岳。

朝靄の漂う尾瀬沼。

濡れた木道はスリップ注意。

静まり返っている沼尻休憩所。

朝露を蓄えたショウジョウバカマ。

残雪こんもり。

日が昇りそう。

おはようございます。本日初めてのお日様。

マイナスイオン放出中。

爽やか過ぎる朝。

見晴に到着。

日を受けているせいか、活き活きしている。

尾瀬ヶ原の向こうに至仏山が浮かぶ。

三条ノ滝方面に向かいます。

この辺りも水芭蕉ポイント。

小さい花も密生すると見事。

元湯山荘。今は?

分岐点。

鹿の尻。

ショウジョウバカマ。

三条ノ滝までは悪路が多い。

急な階段が続きます。

平滑ノ滝。滝、なのか?

雪解けの大量の水が流れ落ちている。

平滑ノ滝展望台。といっても展望がいいとは言えない。

こちらの沢も水量豊富。

岩の上に生えてます。

分岐点。

落差100mの三条ノ滝。

雪解け水で大迫力の水量。

マイナスイオン大放出中。

いかがでしたか、三条ノ滝。

積雪期は危なそう。

何かが咲こうとしている。

チラリと見せる至仏、小至仏。

真上から水芭蕉。

ゆったりした山容の至仏山。

相変わらずステキな見晴。

見晴から燧ヶ岳を仰ぎ見る。

強い日差しも木陰で快適。

日光を浴び、全開のリュウキンカ。

残雪の白砂峠。

白砂田代。水面に写り込む空がキレイ。

タテヤマリンドウ。

ナイスロケーションの沼尻休憩所。

沼尻休憩所には対岸の長蔵小屋から船で物資を運んでいるらしい。

こんなキャラクターがいそう。

水芭蕉の見納め。

今日もカッコイイ燧ヶ岳。

機会があれば中央右側の雪渓『ナデッ窪』を登ってみたい。

歩きづらいが涼しくて快適。

すっかり夏模様。暑い。

ナメ沢を流れ落ちる滝。

来た時と変わらず涼しげ。

足拭きマット。これを見ると尾瀬に来た実感が沸く。

大清水駐車場に到着。

本日の山行情報

複数人山行/2日目/テント泊/8時間以上歩行/マイカー登山

三条ノ滝(さんじょうのたき)
落差100mで直瀑規模は日本最大級。
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

尾瀬沼キャンプ場[着] 03:35 - [発] 03:35
 ↓ 75分 
沼尻休憩所[着] 04:50 - [発] 04:50
 ↓ 95分 
見晴[着] 06:25 - [発] 07:05
 ↓ 65分 
平滑ノ滝展望台[着] 08:10 - [発] 08:10
 ↓ 40分 
三条ノ滝(第1テラス)[着] 08:50 - [発] 09:10
 ↓ 30分 
平滑ノ滝展望台[着] 09:40 - [発] 09:40
 ↓ 40分 
見晴[着] 10:20 - [発] 10:35
 ↓ 85分 
沼尻休憩所[着] 12:00 - [発] 12:45
 ↓ 40分 
尾瀬沼キャンプ場[着] 13:25 - [発] 14:10
 ↓ 20分 
尾瀬沼休憩所[着] 14:30 - [発] 14:30
 ↓ 125分 
大清水駐車場[着] 16:35 - [発] 16:35

行動時間:10時間15分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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