2013年10月13日
赤石山脈(南アルプス):2日目
甲斐駒ヶ岳:ビバ!上から下まで秋晴れ。

夜明け間近。


昨晩は山頂付近にガスがかかり、本日の天気が心配だった。
しかし起きてみれば空は雲ひとつない満天の星空。

『晴れ男』として定評のあったR君の面目躍如といったところだ。

ただ、風は強い。
これから御来光を拝むために登る甲斐駒ヶ岳山頂では、寒い思いをするのは必至。防寒装備を怠りなく身にまとって出発した。

月が出ていない事もあって周囲は真っ暗。
それでも尾根筋のため、道を間違えてもすぐに気付く事ができる。

八合目御来迎場からはクサリも設置されている本格的な岩場の急登となる。
風も強い事だし急がず騒がず慎重に行こう。

東の地平線がうっすらと赤く染まり、手前の甲府の夜景が小さくなってきた。
いよいよ夜明け間近な雰囲気だ。

防寒装備をしていても、吹きっさらしの山頂では凍えてしまうのは間違いない。
丁度よいタイミングで山頂から御来光を拝めるよう、時間調整という名目で休憩しながらボチボチと登る。

黒戸尾根の終着点、甲斐駒ヶ岳山頂。


明るくなり始めると夜が明けるのは早い。
いつの間にか、ヘッドランプが不要なくらいに周囲の視界が開け、甲斐駒ヶ岳山頂も目前に迫っていた。

そして最後のひと登りを終え、日本三大急登である黒戸尾根の終着点、甲斐駒ヶ岳山頂に到着した。

日の出まで数分前。
絶妙なタイムマネジメントだ。

間も無くして日が昇る。

上空も眼下に広がる街並みも明確に見渡せる見事な秋晴れ。
そんな全ての景色を照らし、今日も変わらず昇った太陽に感謝だ。

地平線が赤く染まり、もうすぐ日の出。


今日も生まれました。


爽やかに黒戸尾根登頂を達成。

相変わらず風は強いが、日が差して少なからず暖かくなったので、絶景を眺めながらの山頂モーニングを頂く事にする。

花崗岩の白い岩肌と白砂が美しい甲斐駒ヶ岳山頂。
が、風の強い山頂で朝食となると、その美しさも裏目に。

風に舞って吹き付ける砂埃は、せっかく用意したお湯や朝食に容赦なく飛び込み、噛むごとにざーりざりと音をたてる始末。

こればかりはしょうがない。
絶景と引き換えに我慢我慢。

こんな状況でも山頂滞在時間は長くなってしまった。
いい加減テン場まで戻る事にする。

絶景独り占め。


急な岩場を下ります。慎重に。


八ヶ岳を眺めながら快適に下山。

ここからが日本三大急登と名高い黒戸尾根の真の姿。
長い長~い下山の始まりだ。

テン場に戻ると既に日は高く暑い。
テント内はすっかり温室と化し、シュラフや衣類関係はフッカフカ。

そのせいかテントを撤収して荷物をザックに詰め込むと、来たときよりも大きくなっている気がする。
『大きい=重い』という先入観と、『食べた食糧分は軽くなっているはず』という過度な期待、そしてこれから始まる『長い下山』の事を思うと、背負ったザックが余計に重く感じてしまう。

ふと、単独で来た時の疲労困憊した記憶が甦る。
しかし、こんな状況でこそパーティー山行の良さが発揮される時だ。

単独だとストイックになりがちな下山道も、会話をしながら歩けば気が紛れて実にラク。
メンバーによりけりとは言え、単独行にはない体験ができるのは間違いない。

眺望ポイントの刃渡り。


お気に入りの休憩ポイント。今回も腰掛けさせていただきます。


可愛らしくドングリがお供えされている小さな祠。

暑くも寒くもない、山歩きには絶好の季節。
秋らしく色付き始めた樹林帯をマッタリと歩き、誰一人として身体を痛めることなく、無事に尾白川渓谷登山口へと下山した。

麓から見る夕日の差し込む甲斐駒ヶ岳。


これまでストイック山行の象徴として黒戸尾根を捉えていたが、こんなに楽しく歩けるとは予想していなかった。
これには基本的に単独行好きな私も、大満足のパーティー山行となった。

ちなみに、鳳凰三山からの下山時に嫌気が差して、ストックを折らんばかりの勢いで叩き付けた過去を持つヨメ。
今回ばかりは本当にブチ折ってしまうのでは?と内心ハラハラしていたのだが、ここでもパーティー山行の良さが発揮されていたのだな。

折られずに済んでよかったよかった。

本日の写真

結婚記念にクサリ。

闇夜のクサリを登ります。

手ぶれ写真もここまで揺れると面白い。

おおっ、絵になる景色だ。

夜明け前の甲府市と富士山。

山頂の祠が明確に見えてきました。

山頂までもう一登り。

甲斐駒ヶ岳山頂。

バタバタとなびく謎のウェア。

御来光を待ちます。

鳳凰三山の向こうに富士山。

生まれた。

おしいッ!風で位置をキープできなかった。

去年に引き続き山頂でチリトマトヌードル。

改めまして甲斐駒ヶ岳山頂。

摩利支天峰。

絶景独り占め。

達成感バッチリ。

格好よすぎるシチュエーション。

キラーン。

明るいとわかる高度感。

登りと下りとでは感覚がだいぶ違います。

クサリ場を下ります。

スッキリ見える八ヶ岳連峰。そのうち縦走してみたい。

八合目御来迎場の崩壊した石鳥居。

景色を眺めながらの下山。

下りはより慎重に。

こんな斜度のハシゴを下ります。

石碑群。

木橋を渡ります。

秋晴れっぽい感じ。

屏風岩のある鞍部。

撮影スポットの刃渡り。

駒ヶ岳黒龍神は個人的にお気に入りの休憩スポット。

休憩させて頂きます。

誰かが置いたドングリたち。

小さな祠にも供えてあったドングリ。

黒戸尾根もこれで終了。少し名残惜しい。

竹宇駒ヶ岳神社で無事な下山に感謝。

ぷっはー、お疲れさーん。

本日の山行情報

複数人山行/2日目/テント泊/8時間以上歩行/マイカー登山

甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)
標高2967m
詳細(外部リンク)
黒戸山(くろとやま)
標高2254m
山道は山頂を通らず北側を巻いています。

本日のスケジュール

七丈小屋(テン場)[着] 03:20 - [発] 03:20
 ↓ 45分 
八合目御来迎場[着] 04:05 - [発] 04:10
 ↓ 90分 
甲斐駒ヶ岳[着] 05:40 - [発] 06:50
 ↓ 100分 
七丈小屋(テン場)[着] 08:30 - [発] 09:20
 ↓ 70分 
屏風岩[着] 10:30 - [発] 10:45
 ↓ 45分 
刀利天狗[着] 11:30 - [発] 11:55
 ↓ 105分 
笹ノ平分岐[着] 13:40 - [発] 13:40
 ↓ 115分 
竹宇駒ヶ岳神社[着] 15:35 - [発] 15:40
 ↓ 10分 
尾白川渓谷駐車場[着] 15:50 - [発] 15:50

行動時間:9時間40分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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