2011年9月23日
赤石山脈(南アルプス):1日目
甲斐駒ヶ岳:赤ザックで日本アルプスデビュー。

今まであまり選ばない色だった「赤」が、最近無性に気になる。
新たに購入した60リットルのザックも渋めの「赤」。
早速、この赤ザックを背負って、甲信越方面によく行くK夫妻に同行して、南アルプスへと出かけてみた。

テント泊装備になるがさすが赤ザック、パッキングが以前より楽チンだ。(単にザックの容量が増えただけ)
ウェアとのコーディネイトはともかく、頼りになりそうなヤツだ。

戸台口から北沢峠までバスで行き、北沢駒仙小屋にテント設営。そしてここを拠点に甲斐駒ヶ岳、翌日に仙丈ヶ岳を登るスケジュールだ。

北沢峠は山荘もトイレも綺麗。


戸台口バス停には連休ということもあってか、乗車待ちの登山客が列をなしていた。
それでも臨時シャトルバスを運行して、一人残らず北沢峠まで連れて行ってくれるところはさすが日本アルプス。
乗車中、車内アナウンスで何気に付近の山々を解説してくれるところも見逃せない。

1時間程バスに揺られ、標高2032mの北沢峠に到着。
バスもいいが、麓から歩いてみたい私としては「いずれは自分の足で歩いてこよう」と、密かに誓いを立てる。(密かと言いつつ書いちゃう)

北沢峠バス亭には水洗トイレや休憩所、洒落た外観の山荘などがあり、標高2000mとは思えない快適空間。
こんなところもさすが日本アルプスだ。

「おっ、おお~。」と、声が出てしまう透明度。


北沢峠から10分ほど歩くと、早くも北沢駒仙小屋に到着。
早速、沢沿いにあるテン場にテントを設営して甲斐駒ヶ岳に向けて出発した。

小川となっている山道を登って行くと、感嘆の声をあげてしまうほどの透明度を持つ水溜りが現れる。
単に透明ではなく、独特の青味がかった色合いが何とも言えない雰囲気だ。
早くもこんな景色を見せられては、この先も大いに期待してしまう。

いかにも滑りやすそうな木橋を何度か渡り、仙水小屋を越えていくと見晴らしの良い谷間に出た。


岩と植物が共存しています。


双児山と栗沢山に挟まれた谷で、両側には岩がゴロゴロと積み重なり、荒々しく「カッコイイ」印象を受ける景観だ。
そんな荒々しい岩場の下方には、苔などの植物が青々と茂り、静けさ漂う日本庭園の趣がある。

この荒々しくも静かな自然のセンスに、赤ザックの私も脱帽です。

更に進んで仙水峠。
いよいよ甲斐駒ヶ岳が間近に姿を現した。

左奥が甲斐駒ヶ岳山頂、右手前が摩利支天(まりしてん)。


白い岩肌と砂礫の山容が実に美しい。
「美しい」なんて言葉は、普段恥ずかしくて使う事のない私だが、それでも言ってしまうくらいに美しい。
全国駒ヶ岳の最高峰にして優雅さも併せ持つなんて、ニクイ奴だぜ甲斐駒ヶ岳。

仙水峠から駒津峰に着く頃にはガスがかかってしまい、すっかり甲斐駒ヶ岳は隠れてしまったがこれも自然のうち。
しょうがない。

駒津峰で昼食をとっていると、甲斐駒ヶ岳山頂帰りの方から、
「これから登り?直登コース、よかったよ!若いから行けるよ!!」
と勧めてくれた。

この目印が分岐点。


駒津峰から甲斐駒ヶ岳へ登るには、砂礫の斜面を巻いて登るコースと、一直線に岩場を登って行く岩稜直登コースがある。
フツフツとどちらのコースも歩いてみたい欲求が沸き起こり、己の欲に任せるまま、登りは直登、下りは巻き道を利用することにした。

ガスの中、直登コースの岩場をよじ登る。
小柄な私は手足が短い分、岩登りは不利かと思ったが登れないことは全くない。

「ガスがかかっていなかったらどんな景色が広がっていたのだろうか。」
そんなことを考える余裕を持って、着実に山頂に向かって岩場を登る。

甲斐駒ヶ岳山頂。一瞬覗かせる青空を見逃しはしない!


そして山頂。
ガスで真っ白。
それでも山頂テンションは全開だ。

年齢お構いなしで、ひとしきりはしゃいだ後、時間も差し迫っていることもあり、そそくさと下山を始める。


白い砂礫の山道。幻想的です。


下山に利用した巻き道は、白い砂地が広がる甲斐駒ヶ岳ならではの山道だ。
「本当にここはお山の上か?」と思わせてしまう独特の景色は、ガスがかかっていることもあり、余計に幻想的な空間と化していた。

そんな中、雷鳥にも遭遇。
警戒心ゼロ、というか私への関心ゼロな感じで、逃げも隠れもせずウロウロ。
日没が迫る下山の焦りを一時、忘れさせてくれた。

警戒心ゼロ、私への関心もゼロ。


結局、下山中に日が暮れてしまい、ヘッドランプのお世話になったが、無事に幕営地へと帰還。
日が暮れた山中を独りで歩くには不安を感じるが、人がいると安心、と言うかむしろ楽しい感じになるのは私だけだろうか。

独り山歩きもいいが、誰かがいるのもまたいいものだ。

本日の写真

北沢峠バス亭からスタート。

張り紙で「駒仙」小屋。張り紙の下を見てみたい。

「駒仙」小屋。張り紙の下には一体何が?!

幕営地からちょっと見える甲斐駒ヶ岳。

甲斐駒出発前に一息。

あのてっぺんを目指します。

駒仙小屋前の橋から出発。

「おっ、おおー。」と声が漏れる景色。

見るからに滑りそうな木橋。そろりそろりと沢を渡ります。

北沢沿いを快適に登って行きます。

静かな仙水小屋。

いい感じの景色になってきた。

日本庭園のような色合い。

なんだかカッコイイ感じの山道。

仙丈ヶ岳方面。見えるのは小仙丈ヶ岳です。

岩と植物の共存。

仙水峠に到着。奥にはうっすらと甲斐駒ヶ岳。

ガスが晴れた隙に撮影。うーん、美しいではないか!

まだまだ樹林帯。

大きな岩が多くなってきた。

振り返って地蔵岳のオベリスクを眺めます。

振り返って栗沢山。

甲斐駒ヶ岳が近づいてきた。

岩場を登り降り。

駒津峰。ガスっちゃった。

ガスっても甲斐駒を目指します。

矢印の反対方向は崖。逆らわないで。

何か出てますよ。

六万石。

直登コースの取り付き。ワクワク・・・。

ツンツンした岩が見えます。

岩も砂も白い。

おっ、青空!シャッターチャンスだ!!

休憩がてらに振り返って北岳方面を撮影。

山頂までもう一息。

この砂と岩の白さが甲斐駒か!

ガスの中、甲斐駒ヶ岳登頂。

斐駒ヶ岳本宮を参拝。

一瞬のぞかせる青空を見逃さない!

白い砂礫道を下山。

この標高でこんな砂地が見れるとは。

白い砂礫をザクザク下ります。

始めて見る雷鳥。全然逃げない!というか私への関心ゼロ!

摩利支天への分岐。本日は寄らずに下山。

粗っぽく積み重ねられた岩場を登ります。

岩場を登ります。

ひっそりキノコの生えるキノコ部屋。

こんな感じの山道を進みます。

双児山(ふたごやま)。時間がないのでそのまま下山。

本日の山行情報

複数人山行/1日目/テント泊/8時間以上歩行/マイカー登山

駒津峰(こまつみね)
標高2752m
甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)
標高2967m
詳細(外部リンク)
双児山(ふたごやま)
標高2649m

本日のスケジュール

北沢峠(バス亭)[着] 07:05 - [発] 07:10
 ↓ 10分 
北沢駒仙小屋[着] 07:20 - [発] 08:50
 ↓ 70分 
仙水峠[着] 10:00 - [発] 10:05
 ↓ 85分 
駒津峰[着] 11:30 - [発] 12:35
 ↓ 100分 
甲斐駒ヶ岳[着] 14:15 - [発] 14:30
 ↓ 80分 
駒津峰[着] 15:50 - [発] 15:50
 ↓ 40分 
双児山[着] 16:30 - [発] 16:30
 ↓ 90分 
北沢峠[着] 18:00 - [発] 18:05
 ↓ 10分 
北沢駒仙小屋[着] 18:15 - [発] 18:15

行動時間:8時間5分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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