2012年10月7日
赤石山脈(南アルプス):2日目
北岳:アグレッシブに他人のシャッターを狙う。

ミゾレの積もる岩。景色が見れない以上、岩を撮るしかない!


出発予定時間に起床はしたが、外はガスで真っ白。尚且つミゾレが降り注いでいる。

昨晩に比べると風は収まっているものの、この状況で出発する気には到底なれない。
ラジオで天気予報を聞きながらもう少し様子を見る事にする。

予報では午後から天気は回復するとのこと。

しかし今日の早い段階で天気が回復しなければ、景色が何も見えないまま稜線を歩く事になってしまう。
下山で樹林帯に入ってから天候回復されては、せっかくの白峰三山縦走の楽しさ半減どころの話ではなく、不正解になってから「正解はこれでした」と、これ見よがしに正解時の景品紹介をされるようなもの。

こんな悔しい思いは極力回避したい。
ここはギリギリまで動かずに様子を見る事にしよう。

2度寝して目を覚ますと、外はすっかり明るくなっている。
期待して外に出てみると、ミゾレ雨は止んだが相変わらずガスで何も見えない。

同じように様子見で待機していたお隣のテントの方と「どうしたものでしょうかねぇ」と、ぼやき合う。
縦走するにしても下山するにしても行動を始めた方がよい時間になったので、凍える手でミゾレの積もるテントを撤収して、ひとまず北岳山頂へ向かう事にした。

『本日限り』の北岳山頂の風景。


周囲の眺望は諦めて、ミゾレの積もる岩場の景観を楽しみながら1時間程で北岳山頂に到着。
このガスでも連休中という事もあって山頂は賑わっていた。

ミゾレで作られた本日限りの可愛らしい雪ダルマが何体もある北岳山頂で記念撮影。
景色こそ何も見えないが、山頂の賑やかさでちょっと楽しい気分になってきた。

ここはアグレッシブに他人の記念撮影のお手伝いを申し出る。

おお、いい表情だッ!


気が付けばこちらから申し出るまでもなく、次から次へと依頼され、5組ほど連続でシャッターを押させてもらう。
もう大満足です。(他人の記念撮影マニア)

他人の記念撮影には満足したが天候は相変わらず。
それでも「明日は晴れらしい」という情報を得て、わずかな期待を胸にもう少し先まで進んでみることにした。

周囲はガスで何も見えない岩稜を下り、北岳山荘に到着。
ここで早めの昼食を摂る間、天候回復が見込めないなら下山してしまおう。

残念ながら回復どころか小雨がパラついてきた。
同じ白峰三山縦走スケジュールで、肩ノ小屋から一緒だった登山者に別れを告げ下山を決意。

丸太橋と丸太階段が連続します。滑り厳禁。


せっかくなので来た道を戻らず、トラバース道を通り、八本歯のコルから左俣コース経由で大樺沢を下る事にする。

こちらのコースは丸太橋と丸太階段の連続で、濡れている事もあって滑り厳禁。
足を滑らせたら大変な事になりそうな箇所がいくつもあって、なかなかの緊張感だ。

ガレ場を下っていると、目の前をリスっぽい小動物が駆けていった。
「もしや」と思っていると、丁度目の前に腹の白いオコジョが顔を出した。

うわっ、カワイイッ!

写真に収める余裕もなくササッと駆けていってしまったが、初めて目にする野生オコジョに「下山していて良かった!」と思う。

そして更に下山すると天気が回復してきたのか、雲が上がり視界が開けてきた。
「下山の判断、あやまったか?!」と内心思う。

眺望が完全に開け、紅葉に色づく大樺沢の景色が広がり、見上げると青空を背景に北岳バットレスがそそり立っている。
「完全に判断をあやまった!!」と激しく思う。

今、山頂に居る人はツイてる。


さすがにまた登り返す気にもなれず、こればかりは山の天気だからしょうがないと自分に言い聞かせながら、最終のバス時間に間に合うように急ぎ足で下山した。

当初予定していた下山地点の奈良田温泉で汗を流す事も出来ず、甲府駅付近では銭湯を見つけることもできない。
かくして軽く汗を拭くだけにとどまり帰路に就くこととなった。

くそぅ。
北岳、また来よう。

本日の写真

うーむ、真っ白だ。

お世話になりました、肩ノ小屋。

こちらからは仙丈ヶ岳に抜けられます。(遠いです)

今朝がた降ったみぞれが残ってます。

積もるみぞれにぼんやり岩稜。

ガスで真っ白だから岩を撮るしかないッ!

うおっ、意外と賑わっている北岳山頂。

北岳山頂の可愛らしい雪だるまたち。

新旧のお地蔵さん。

晴れますように。

滑らないようにトラバース。

うーん、白い。

吊尾根分岐。

丸太ハシゴ。滑らないように注意。

トラバース道への分岐。

パッカリ割れてます。

うーん、赤い。

北岳山荘が見えてきた。

北岳山荘。

いい色付き。

トラバース道の丸太橋。

そそり立つ岩壁。

滑りそうでコワイ。

尖ってます。

トラバース道分岐。

長い丸太ハシゴ。滑り厳禁。

雲の下に出たようだ。

大樺沢へと一気に下ります。

北岳バットレスも姿を現しつつある。

観音岳、薬師岳の白岩の稜線が現れた。

出たッ!北岳バットレス!

大樺沢に残る雪渓。

この時期でもまだ咲いてます。

観音岳(鳳凰山)。

ニョキニョキ。(←花名を知らない)

復旧用の橋で沢を渡ります。

何度か沢を渡ります。

この辺りの紅葉はまだのようだ。

野呂川に架かる吊橋まで戻ってきました。

広河原に到着。

本日の山行情報

単独行/2日目/テント泊/ハイキング/電車・バス登山

北岳(きただけ)
標高3193m
日本第二の高峰
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

北岳肩ノ小屋[着] 08:35 - [発] 08:35
 ↓ 60分 
北岳[着] 09:35 - [発] 10:15
 ↓ 55分 
北岳山荘[着] 11:10 - [発] 12:05
 ↓ 60分 
八本歯のコル[着] 13:05 - [発] 13:05
 ↓ 75分 左俣コース
二俣[着] 14:20 - [発] 14:20
 ↓ 75分 
広河原[着] 15:35 - [発] 15:35

行動時間:5時間25分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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