3連休を利用してテント泊山歩き。
天気予報では連休期間はまずまずの天候のようで、秋晴れも期待できそうだ。
行き先は北岳をはじめとする白峰(白根)三山縦走路。
日本第二の高峰である北岳に行くタイミングを狙っていただけに、紅葉シーズンでもあるこの時期で秋晴れとあっては行くしかないだろう。
電車で甲府へ。甲府から広河原までバスで移動する。
車を使うと時間的な制約がなくていいのだが、いかんせん運転疲れと渋滞が付いてまわる。
その点、電車/バスは行きも帰りも気がラクで、最近では積極的に利用している。(いずれはタクシーも!)
真新しく綺麗な広河原インフォメーションセンター。飲み水も汲めます。
電車、バスに揺られて4時間。
広河原インフォメーションセンターに到着した。
見上げるとバットレスと呼ばれる北岳の東側に位置する岩壁が、丁度いい具合に望む事ができる。
真新しく綺麗な広河原インフォメーションセンターで身支度を整え、野呂川に架かる吊橋を渡って北岳歩きスタートだ。
事前リサーチで他の方の山行記録を見てみると、この野呂川に架かる吊橋は必ずと言ってよいほど撮影されている。
広河原から北岳への入り口として象徴的なこの吊橋は「長い」し、「北岳を望める」事もあり、確かに撮影したくなる要素がある。
私ももれなく撮影して、いよいよ始まる北岳への「歩き」に期待感を高める。
歩くこと20分ほどで分岐点に到着。
広河原から北岳への山道は大まかに『二俣』から大樺沢を詰めていく『左俣』、樹林帯の『右俣』の2通りある。
そして『二俣』の分岐までも大樺沢歩きか樹林帯歩きかのどちらかを選択できる。
大樺沢沿いを登ったほうが視界がよく景観も楽しめそうだが、樹林帯の途中にある『白根御池』が非常に気になったのでこちらを歩く事にした。
この時期になると空気も涼しく、日中の樹林帯歩きもさほど苦にならない爽やか山歩きを楽しめる。
そこそこ急登の山道途中には休憩ベンチも整備されており、快適さは申し分ない。
小休止でベンチに寝転び木々を撮影していると、「シャッター押しましょうか」と声をかけられる。
樹林帯なので眺望はなく、とくに記念撮影する要素は何もない単なる休憩ベンチ。
他人の記念撮影が大好きな私の感覚でも、こんなところで記念撮影を申し出るとはアグレッシブにも程がある。
でも何だか友達になれそうな気もする。
水面にさざ波が立たず、快晴ならもっとキレイなはず。
休憩ベンチでの記念撮影は丁重にお断りして、広河原から歩き始めること2時間程で白根御池小屋に到着。
この辺りまで来ると黄色に色付いた草木が広がっている。
黄色に色付いた葉、色付く前の緑葉、そして無機質な岩の灰色とのグラデーションがキレイ。
その色彩を水面に映し出す白根御池がまたキレイ。
西側には鳳凰三山の白い岩稜が伸び、これまたキレイ。
天気も穏やかで紅葉シーズンの山歩きとしてはこれ以上ない状況だ。
が、北岳山頂には雲がかかり、バットレスもすっかり雲隠れ。
これから向かう先がガスの中ではテンションが下がってしまう。
そんな下がるテンションを抑えるためにも「天気は悪くないはず」と、自分に言い聞かせ、後から回復することを期待しつつ北岳を目指す。
ガスの中、淡々と登ってゆき、北岳肩ノ小屋に到着。
テント泊の登山者が多いのか、テン場はなかなかの盛況具合だ。
ガスで何も見えないこの状況のまま山頂に行っても仕方がないので、テントを設営してゆっくり過ごす事にする。
たっぷりある時間を贅沢に使い、テント内で『くつろぎの時間』を満喫。
夕方頃になると雨が落ちてきた。
こうなると明け方まで天候の回復は見込めないだろうと思い、明日の早出に備え、夕食を済ませ早々と就寝する。
顔に何かがあたって目が覚める。
外は強風のようでフライシートがバタバタと激しくなびいている。
そんな強風でたわんだテントのインナーシートが顔をベチベチと叩いていた。
そしてテントに落ちる雨音から察するに、外は『雨』ではなく『みぞれ』のようだ。
これには「明日からの縦走大丈夫か?」と、疑問に思いながらも取りあえず寝るしかない。
もう、今は寝るしかない。