2011年9月17日
筑波山地:日帰り
筑波山:マイナールート「V字谷」で沢登り。

雲のかかった筑波山。


筑波山のルート検索をしていると、筑波最難「V字谷コース」というものを見つけた。
規模こそ小さいものの、筑波山ではおおよそ想像できないゴルジュ(両側の岩壁で狭く深い峡谷)やルンゼ(岩壁に食い込む急な岩溝)などの箇所があるとのこと。
自宅から最も近い山(といっても片道2時間以上)だけに、これは行くしかない。

今回はV字谷と、山で瑞々しい果物を食べることがテーマ。
日帰り山行となるため、緊急用具以外は水と果物のみといった道楽装備だ。

無料の梅林駐車場に車を止めて身支度をしていると、足回りがたくましい地元の方もちらほら登りに来ている。

「V字谷?聞いたことあるけど行った事ないなぁ、行者道が結構あるからねぇ。」(茨城弁で読んで下さい)

V字谷は地元の方でもあまり知られていないマイナールートらしい。
無事にV字谷まで辿り着けるか多少不安になったが、事前リサーチのネット情報を信じて出発だ。

すぐ横の山道を山頂に向かって進むと、ひと際大きな文字で「筑波登山道→」と、驚く程に分かりやすい標識が現れる。
「本当にマイナールートか?」と一瞬思ったが、更に先に進むと標識が何もない分かれ道に次々と出くわす。
基本、まっすぐ山頂に向かう感じで進めばよいらしいのだが、目印がないと「この道でよかったか?」と不安になる。

V字谷への道しるべ、「ブイ!」


自分の感覚を信じて進むこと30分。
岩場に赤いペンキで「V」の字を発見。

「おおっ、ブイ!」

道を間違っていなかった安堵感と、V字谷への期待感で一気にテンションは上昇。

ここからは「V印」が見つけやすく、道に迷うことはなさそうだ。
この道しるべを頼りに徐々に険しくなる岩場を登って行くと、いよいよV字谷核心部が現れる。

思いのほかの迫力に、「おおー」と声が出る。

そそり立つ両側の岩壁に挟まれ、沢となっている岩だらけの溝を登らなければならない。
沢になっているだけに岩場はヌルヌルと滑りやすく、手足の掛け場を確実に選んでいかないと無事に登れることはないだろう。

木に抱きついてアクロバティックに登る箇所を過ぎると、次は斜めに切り込まれているルンゼをあれこれと体制を整えながら登る。
ここは濡れても泥で汚れても気にならない恰好で来るのが正解だ。

木に抱きついて登るのが正解のようだ。


滑らないよう、慎重にお願いします。


うまいこと体制を整えて。

V字谷は危険も伴い、沢登りになるため雨の日やその翌日などはとてもお勧め出来るルートではないが、面白い!
ただ、下りでは使いたくはない。

核心部を登り切り、一息ついて登ってきた岩場をのぞきこむ。
やはりここを下りたくはない。

これまででナンバーワンの木漏れ日。


核心部を登り切ったと言っても、足場が滑る岩場がしばらく続くため気は抜けない。
程良くガスも出て、見事なまでに幻想的な木漏れ日の中、マイナスイオン効果(そうなのか?)で登って行く。

ある程度登ると岩場がなくなり、目印もなくなってくる。
後はうっすら残る踏み跡を見極め、ケルンや枝にくくられたリボンや「勘」を頼りに登る。(ダメだろう)

笹をかき分け山頂目指して登って行くと、自然研究路に無事に合流することができた。
本当は立身石付近に合流するはずだったのだが、どこでルートを外れたのか。。。

合流地点こそ外れたものの、あとはお馴染みとなった男体山山頂へ登り、御幸ヶ原コースを下りるのみ。
おっと、その前に果物を。

山で食べる果物は道楽の極みです。


ナシ、マスカット、キウイ。

山で瑞々しい果物って道楽の極みだな。

本日の写真

駐車場にある水場と神社とお地蔵さん。

この道を登って行きます。

びっくりするくらい分かりやすい分岐点。

梅林から駐車場への山道に合流しますが、そのまま直進して登ります。

V字谷への道しるべのブイ。

このあたりから目印が頻繁に出てきます。

だんだん険しくなってきます。

沢が流れているので滑りやすい。

V字谷核心部に到着。

印のある木に抱きついて登るのが正解のようです。

手元、足元を確保しながら登ります。

斜めになった岩場。足の運びを考えて登ります。

多少の濡れ、泥は覚悟の上で。

いよいよV字谷の最後か。

V字谷を登りきって撮影。下りたくはないです。

まだまだツルツル岩場は続きます。

ガスがかかってきた。

ガスがかかって幻想的な雰囲気に。

振り返るとこれまでで一番の木漏れ日。

このあたりから目印が分かりずらい。目にとまったケルンを頼りに上ります。

笹をかき分けて登れば自然研究路に合流します。

山で果物を食べる贅沢さ。

ムヒッとはにかむ狛犬。

戦前に建てられた気象測候所。これでも現役らしい。

震災後の整備、御苦労さまです。

プリッとしたお尻の狛犬。

本日登りの分岐点に合流。

本日の山行情報

複数人山行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

筑波山(つくばさん)
男体山(なんたいさん):標高871m
女体山(にょたいさん):標高877m/一等三角点
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

梅林駐車場[着] 08:10 - [発] 08:10
 ↓ 45分 
V字谷核心部[着] 08:55 - [発] 08:55
 ↓ 45分 
自然研究路に合流[着] 09:40 - [発] 09:40
 ↓ 20分 
筑波山頂駅[着] 10:00 - [発] 10:10
 ↓ 50分 
男体山[着] 11:00 - [発] 11:05
 ↓ 5分 
筑波山頂駅[着] 11:10 - [発] 11:10
 ↓ 70分 
筑波山神社[着] 12:20 - [発] 12:20
 ↓ 35分 
梅林駐車場[着] 12:55 - [発] 12:55

行動時間:4時間30分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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