下山してきたらしい登山者が立入禁止看板をバックに記念撮影していたが、普通に通れるのか?
折りたたみ式のコンパクト別荘、つまりテントを手に入れた。
最初はソロ用を考えていたが、ヨメもテント泊に乗り気なのでモンベルの二人用テント『ステラリッジ2型』を購入。
しかし本日はヨメ不在なので、衣食住の重みを体験するべく、一人筑波山へ行ってきた。
これまでの山歩きの荷物に加え、テント、シュラフ、マットと、プラス3kgぐらいだろうか。
今回は水道もトイレも完備された筑波山高原キャンプ場を利用するが、今後の山中テント泊も想定していつもより多めの2リットルの水を用意。
背負ってみる。
うん、重い。ぐっとくる。
薬王院に車を停め、薬王院コースで山頂に向かい、キャンプ場に下山する予定だったが、震災の影響がまだ残っているのか立ち入り禁止。
しょうがなく車に戻り、キャンプ場まで車で行き、そこから山頂に行く事にした。
キャンプ場へ向かう途中、虫取りツアーなのか虫取り網を持った子供たちと、子供以上にはしゃぐ大人たちが週末を楽しんでいた。
この様子だとキャンプ場も賑わっているかと思いきや、キャンプ場は無人、管理人も不在。
まぁ、いい。
ここはありがたく借り切り状態で使わせていただこう。
テントを設営してから山頂まで登りたいところだが、あえて衣食住全てを背負って登ってみる。
往復2時間もかからないコースだが、初めての重みを体験するには丁度良いだろう。
焦らず、騒がず、自分のペースで登っていくと、やはりいつもより足腰にくる。
ちょっと大きめの段差に登ろうとすると、プルプルと小鹿のように足が震える。
大丈夫なのか、オレ。
こんな状態だが、ペースを乱さず登っていくと、呼吸をひどく乱す事もなく女体山山頂に辿り着けた。
キャンプ場が無人なだけに、山頂もどうかと思っていたが、思いのほか観光客で賑わっている。
余震、原発など心配な要素は多いだろうが、色々な意味で賑わっていて安心した。
そんな観光客たちに見せつけんばかりに、「見てくれよ!オレ、衣食住背負ってるぜ!」と闊歩してみるが、案の定すぐバテる。
意識しすぎ。
自分のペース、自分のペース・・・。
それなりの重量をそこそこ背負える自信をつけたところで、誰もいないキャンプ場まで下山、お楽しみのテント設営だ。
家で何度か設営して段取りはバッチリ、事前に調べておいた『もやい結び』と『自在結び』も大いに役立ち、スムーズにマイ別荘設営完了。
早速くつろいでみる。
イイです。
山の様々な音を聞きながら、ぼーっとしたり、本を読んだり、靴を磨いたり、夕寝したりと、貴族階級に負けず劣らず優雅で贅沢な時間を過ごした。昨日まで時間を惜しんで仕事をしていたのがウソのようだ。
そんな贅沢な時間の中で食べる山飯も、腹一杯とまではいかないが最高にウマイ。
一人でこの状況も悪くないな。
食後は桜川市の夜景を見ながら黄昏るゆとりもある。(下戸で酒が飲めないのが残念)
20時過ぎには寝てしまおうとシュラフに潜り込んだが、街とは異なる暗闇の中でテントに吹き付ける風の音を聞いていると、ホラー映画的な状況を想像してしまう。
これにはいい歳して怯えてしまう。
ひとしきり怯えた後、慣れてきたのか夜の音を聞きながら熟睡。
おやすみなさい。