2015年5月6日
尾瀬:2日目
尾瀬ヶ原:沈む満月、昇る太陽。

月下の散歩に行ってきます。


昨日は満月。
本日は若干欠けているがほぼ満月。

と言う事で、月下の散歩に出掛けた。

山ノ鼻キャンプ地からすぐの『尾瀬植物研究見本園』は、まだ雪に埋もれて一面真っ白となっている。ここなら見晴らしも良く、誰もいない早朝でもクマとの出会い頭の遭遇を避けられるだろう。

雪に埋もれた月下の湿原帯を気の向くままに歩く。雪面が月明かりを反射してヘッドランプが不要な程に周囲は明るい。昨日の好天で溶けた雪が固まり、歩く度にパリパリと小気味好い音をたてている以外は静寂に包まれている。

そして、至仏山の上には静かな光を放つ満月が浮かぶ。
静かな情景に心も静かだ。

ちょっと位置を変えて、至仏山の直上に満月が乗るポイントへ移動してみる。

お、乗った。
パール至仏だ。

今にも稜線上を転がり落ちそうな満月は、絶妙なバランスで山頂に留まっている。そんなも光景もあっという間に終わり、満月は至仏山へと沈んでいった。

【ダイヤモンド○○、パール○○】
山頂付近に見られる太陽はその強烈な輝きからダイヤモンド、柔らかい光の満月はパールと例えられます。見る場所、天気など条件が揃えば見られる自然現象です。


至仏山頂に満月がオン。


今にも稜線上を転がり落ちそうな満月。


満月が沈んで静寂の世界へ。

さて、次は燧ヶ岳方面。

こちらは至仏山とは正反対に、朝焼けに燃え出している。周囲の明るさも増し、地表すれすれにはうっすらと霧が立ち込めるいかにも尾瀬らしい情景になってきた。ダイヤモンド燧を拝むには難しい位置だが、もう充分贅沢な景色だ。

燧ヶ岳の5つあるピークのひとつである赤ナグレ岳の脇から静かに御来光。冷たかった空気に暖かみが増す。

おはようございます。
本日もよろしくお願いします。

朝焼け空に燧ヶ岳のシルエット。


地表すれすれにうっすらと霧が立ち込めます。


尾瀬からおはようございます。

本日の予定は特に無し。昨日は快晴の至仏山を満喫できたし連休最終日だし、早めに下山してゆっくり帰るとするか。

その前に少しばかり尾瀬ヶ原に出てみよう。

尾瀬ヶ原に延びる筋。


簡単な朝食をとって外に出てみると昨日に引き続いての快晴。何たる幸運。山行の印象の大部分は天気によるところが大きく、その意味では山に登らなくとも好印象が約束されたようなモノだ。

イワツバメの飛び交う山ノ鼻を離れ、雪原となった尾瀬ヶ原に出てみると、踏み跡が一本の筋となって延びている。

積雪があるため何処でも歩けるのだが、雪解けの進むこの時期では不用意に踏み込むと落とし穴にハマる悲しい結果になりかねない。「ナメクジの通った跡のようだな・・・」と尾瀬の雰囲気ぶち壊しな想像は口に出さず、燧ヶ岳に向かって延びる筋を辿って歩いてゆく。

牛首分岐へ向かう途中にあった河(池塘?)で足が止まった。静かな水面が鏡面のようになって周囲の景色を鮮明に映し出している。

燧ヶ岳も逆さま。
至仏山も逆さま。
拠水林も見事なまでに逆さま。

写真などでよく見られる『逆さ』光景を快晴時に実際目にするのは初めてで、空の青がより深い青として映されるその独特な世界観にすっかり魅了される。

今朝の『パール至仏』もそうだが、自然とは単純に美しいモノだ。踏み抜きという自然の落とし穴には戦々恐々としているが・・・。

燧ヶ岳も逆さま。


拠水林も逆さま。


至仏山も逆さま。

耳を澄ますとプツプツと雪解けの音が聞こえます。


牛首分岐に近づくほど積雪の厚みが薄くなり、池塘があらわになっている箇所が増えてきた。強い日差しもあって耳を澄ますとプツプツと雪解けの音が聞こえてくる。

さすがに暑くなってきたので尾瀬ヶ原散策はこれで終了。

テントへ引き返し、午前中だが昼寝をしたり本を読んだり、優雅で贅沢な時間を過ごす。まったくもって『暇』って素晴らしいな。

ボチボチとテントを撤収して快晴に恵まれた尾瀬ヶ原をあとにする。下山、と言うより登り返して登山口の鳩待峠へと戻ってきた。

空を見上げると曇っている。

尾瀬に入る前は曇り。
尾瀬ヶ原、至仏山に身を置いている時は快晴。
そして、出た途端にまた曇り。

どうやら今回の山行は尾瀬に歓迎されていたようだ。

尾瀬山行の締めくくりには花豆ソフト。(※別途購入の花豆を追加トッピング)


では、山行の締めくくりに『花豆ソフト』を頂きますか。鳩待峠が終着点となる山行には欠かせず、これで締めくくらなければ尾瀬山行とは言えない。(言い過ぎ)

サッパリした後味の花豆ソフトを堪能していると、戸倉から乗合バスを利用してやって来た登山者の会話を小耳に挟んだ。どうやら今朝の鳩待峠駐車場は満車で入りきらず戸倉まで引き返した方が多かったらしい。

昨日、尾瀬入りした私たちは、さほど込み合わずに悠々と駐車して快晴の尾瀬山行を満喫。そして、ペロペロと花豆ソフトを舐めるに至っている。

やはり今回は尾瀬に歓迎されていたようだな。




【下山後の観光情報】

尾瀬と言ったら水芭蕉。


鳩待峠の売店の店員さんからの情報で、帰り道にちょっとした尾瀬観光へ。

まずは、GW期間中が丁度よく見頃となる水芭蕉の群生地『水芭蕉の森』を散策する。

今年は雪が多く小振りだが、日に焼けなかったため真っ白で綺麗な状態だと説明を受ける。まさにその通りに小降りで可憐な水芭蕉が群生していた。木道が整備され20~30分で周回できる『水芭蕉の森』は、夜にライトアップもされているとか。駐車場で販売している旬の山菜、そして、おばあちゃんの焼きまんじゅうは自家製好きな私としては見逃せない。

散策後は温泉と食事を楽しめるその名も『水芭蕉』へ。尾瀬と言ったらやはり水芭蕉だ。

温泉『わたすげの湯』(入浴650円)でサッパリした後は、そのまま食事へ。
十割蕎麦に季節の天ぷら、旬の山菜、岩魚の唐揚げに塩焼き、地酒・・・たまらない。このチョイスが大人としての山行後のたしなみだ。(でも私は純然たる下戸)

最後に『吹割の滝』に立ち寄る。

時間が遅かったために売店などは閉まっていたが、外観から察するに味わい深い雰囲気がある。薄暗く誰もいない状況で突然鳴り出す観光客向けの放送にビクッとしながら渓谷へ降りると、物凄い水勢の渓流沿いに出た。雪解け時期もあってか生命に危険を感じるほどの水量が豪快に流れ落ちている。東洋のナイアガラと呼ばれる『吹割の滝』からは盛大に水しぶきが上がり、更に先に進む事に不安を覚えて引き返す。

ここは日中に改めて来てみよう。

水芭蕉の群生地『水芭蕉の森』。


温泉と食事を楽しめる『水芭蕉』。


東洋のナイアガラと呼ばれる『吹割の滝』。

いやぁ、山行も観光も満足満足。

漫画的山行記録

昨日は満月。

本日は若干欠けているがほぼ満月。

と言う事で、月下の散歩に出掛けます。

クマとの出会い頭の遭遇を避けるため、見晴らしの良い『尾瀬植物研究見本園』を散策します。

ほぼ満月。

三脚ナシなので息を止めてキープ。

凍った池塘に月光が反射します。

至仏山の上にお月さま。

至仏山山頂にオン。

今にも稜線を転がり落ちそうです。

転がる事無く至仏山へと沈みました。

静寂の時間が流れます。

月が沈んで今度は夜明です。

朝焼けの空に燧ヶ岳のシルエット。

地表すれすれには霧が立ち込めます。

夜明間近です。

御来光。

尾瀬からおはようございます。

朝日が暖かい・・・。

あちらが夜明の至仏山となります。

気持ちの良い朝の散歩でした。

テントに戻って簡単な食事。これがかなり美味い。(山だから)

空にはイワツバメが飛び交っています。

折角なので尾瀬ヶ原を少し歩いてきます。

燧ヶ岳へと続く踏み跡。

こちらは至仏山。本日も晴天なり。

朝日が反射する大堀川。

燧ヶ岳にときめくヨメ。

燧ヶ岳へ。

おや?誰かやられたようだ。

この辺りはだいぶ雪解けが進んでいます。

逆さ燧。

逆さ何処かのピーク。

逆さ拠水林。

逆さ至仏。

『逆さ』は不思議な世界です。

牛首分岐までやってきました。

日差しを浴びてプツプツと雪解けの音が聞こえます。

散策はこの程度にして山ノ鼻へと引き返します。

この水没しているのは水芭蕉でしょうか。

テントを撤収して帰路に就きます。

鳩待峠まで戻りました。

尾瀬山行の締めくくりは花豆ソフト。これは欠かせない!

ちなみに別途購入した花豆を追加トッピングしています。

鳩待峠の駐車場。山行終了です。

いやぁ、この駐車料金には動揺しましたよ。(写真に収めるほどに)

鳩待峠の売店の店員さんに嬉しい尾瀬情報を伺ったので帰りに寄ってみます。

まずは水芭蕉が見頃の『水芭蕉の森』へ。

今が見頃のほのかに香る水芭蕉。

今年は雪が多かったため日に焼けず真っ白な状態だそうです。

一部、カエルの社交場と化しています。

花と葉とのバランスが悪くない?

こんな小さいのも可愛らしい。

変わって、こちらは温泉と食事を楽しめる『水芭蕉』。

まずはお風呂。おっ、貸切だ。

風呂上がりに十割蕎麦と岩魚の唐揚げ。

そして季節の山菜天ぷら。

水芭蕉もお風呂も食事も大満足。

地元の方による情報は間違いなしです。

更に『吹割の滝』にも寄ってみます。

時間が遅くて誰もいませんが良さそうな雰囲気。

生命の危険を感じる程の水勢です。

東洋のナイアガラ『吹割の滝』。日も沈み水量が多いためココから引き返します。

巨人現る。

『吹割の滝』は日を改めて日中に訪れたいですね。

天気に恵まれた今回の山行。

最高でした。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/2日目/テント泊/ハイキング/マイカー登山

尾瀬ヶ原(おぜがはら)
標高1400m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

山ノ鼻キャンプ地[着] 03:54 - [発] 03:54
 ↓ 87分 研究見本園散策
山ノ鼻キャンプ地[着] 05:21 - [発] 07:11
 ↓ 81分 
牛首分岐[着] 08:32 - [発] 08:42
 ↓ 43分 
山ノ鼻キャンプ地[着] 09:25 - [発] 12:09
 ↓ 73分 
鳩待峠[着] 13:22 - [発] 13:57
 ↓ 3分 舗装道路
鳩待峠駐車場[着] 14:00 - [発] 14:00

行動時間:4時間47分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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