2013年4月21日
山形の里山:日帰り
富神山:地元の歴史を堪能、そして温泉へ。

仕事とスケジュールの関係上、久しく山歩きに出掛けていない。
そろそろムズムズしてくる頃だ。

春の代名詞『桜』に雪が積もる。


昨日の時点で天気予報は雨だった事もあり、本日の山歩きは諦めていたのだが、起きて見ると雪が降っている。
これなら行ける。雨でなければ問題ない。

そういう事で起きがけにバタバタと身支度して出発した。

目的地は以前からチェックしていた富神山。

低山ながら容姿端麗なピラミッド型の富神山は、山形のシンボル千歳山に並んで地元の人気スポット。
千歳山の隣には同じようにピラミッド型の戸神山(とかみやま)があり、東の富神、西の戸神と呼ばれているようだ。

自宅からフル徒歩となるため、山歩きより登山口までの行程に時間がかかってしまう。
しかし今回は百目鬼温泉(どめきおんせん)という裏目的がある。

高校時代の恩師に、「どめぎいいよ!どめぎ!ワハハハッ!」と薦められているのでココは外せない。

ボタボタと雪の降る中、近所の日大山形高校正門前の桜には雪がズッシリと積もっている。
開花を早まってしまったか。

こんな早まった桜を所々で眺めながら登山口へと向かう。

この距離まで近づいてようやく山容が見えてきた。


富神山は3つの登山口(北、南、西)があり、そのうちの2箇所(北、南)は傾斜がきつい。
この雪の状態だし、傾斜のきつい山道を登って緩やかな山道を下山した方が、滑って泥だらけになる心配は軽減されるだろう。

しかし下山口が百目鬼温泉に一番近いという理由から、西側から登って傾斜のきつい南側を下山する事にした。

全ては百目鬼のために。


西登山口からの山道は緩やかで歩きやすく、思っていたほど泥だらけではなかった。
快調に勝手山見晴台と曲森山のピークを踏み、富神山を目指す。(途中、巻き道の分岐があります)

富神山山頂に到着。


30分ほどで富神山山頂に到着。

この天気では景観が期待できる筈もない。
それでも好天下であれば蔵王連峰、二口山塊などを一望できる絶好の展望地である事は容易に想像がつくロケーション。
これは改めて天気の良い日に来る価値アリだ。

そして、富神山は山形の歴史にも関わりが深い。

関ヶ原の戦いの頃、直江兼続(上杉軍)が最上義光(最上軍)の拠点である山形城を攻め込むために富神山に布陣。しかし霞がかかり山形城の様子を伺う事が出来ず、その霞は十日経っても晴れる事は無かった。その間に同盟関係であった石田三成(石田軍)の敗北により上杉軍は撤退。
この事から『十日見山(とうかみやま)』→『富神山』となり、『山形城』は『霞ヶ城』と呼ばれるようになったと言う。

また江戸時代にはキリシタンが毎月十日に山頂で狼煙をあげ、これを村人が見て十日になった事を知ったために『十日見山』→『富神山』と言う説も。
さらには当時の宣教師が着用していたマント(トーガ)から『トーガを着た神様』→『富神山』なる説も。

歴史が苦手な私でも、この山名由来のこじつけ振りには興味が湧いてしまう。
もっとも山名は音のみで、漢字に意味がない場合も多いようだ。

きっと素晴らしいだろう眺望にカンパイ。


地元の歴史も堪能した事だし、お湯を沸かしてコーヒーでも飲むか。

先日、クッカーを新調し、高山だろうが寒かろうが多少濡れようが火花を散らせる火打石を購入している。

買ったら使いたい。
わざわざ山頂でお湯を沸かさずとも、コーヒーをあらかじめ魔法瓶に入れてくれば済む事なのだろうが、買ったからには使いたいのだ。

そんな購入物を雪の降る中で試し、自己満足に浸りながらコーヒーを飲む。(この気持ちをわかってくれる方は少なくないはず!)


さて、下山だ。

いくら慎重に歩いてもヌルーっと滑る状態。


距離こそ短いが傾斜がきつく、この積雪状態から滑りやすい事など、はなから想定している。
慌てることなく慎重に足場を選ぶ。

それでもヌルーっと滑る。
ソールのグリップ力、ゼロなのか?と思うほどヌルーっと滑る。

何度か手をついてしまったものの、泥だらけになる事だけは回避して無事に南登山口へと下山。
南登山口の近くにある富神明神社で、泥にまみれず無事に下山できたことを感謝しつつ参拝した。

いつの間にか雪から小雨に変わっている。

小雨がちらつく中、付近にある史跡、神社などを堪能しながら田んぼのど真ん中にある百目鬼温泉へ。
大人300円。自然温泉100%かけ流しで泉質も抜群。(※長湯すると湯あたりする成分濃度なので注意)

どめぎいいよッ!

温泉でホッコリして帰路に就く頃には天候も回復して、西には戸神、東には富神のピラミッドが鎮座しているのが見える。
今朝降り積もった雪もすっかり融けてしまい、開花早まったな!と思っていた桜も夕日に照らされ満足げに咲いている。

ふう、春だ。
今回も良い山歩き+温泉だった。

つくしも早まったか?!


容姿端麗なピラミッド型の富神山。


今朝降った雪はすっかり融けて春らしく咲いてます。

本日の写真

日大山形高校正門前の桜に雪が積もる。開花時期を早まったか?

この天気ではまだ富神山は見えない・・・。

さくらに続き、ウメにも雪が積もる。

ようやく富神山が姿を現した。

ここは北登山口。せっかくなので西登山口から登ります。

西登山口に到着。

泥だらけじゃないからまだマシ。

勝手山見晴台。曲森山、富神山が見えます。

巻かずに曲森山のピークを踏みに行きます。

曲森山。

そろそろ山頂の気配。

富神山山頂の富神大明神と秋葉明神が合祀されている祠。

こんな天気で何も見えないが、きっとイイ景観。

きっと素晴らしいだろう眺望にカンパイ。

この状態では間違いなく滑りそう。

やっぱり滑る。どんなに慎重に歩いても滑る。

ここもきっと滑るんでしょう?

大滑りして悲惨な目にあうことなく下山。

無事に南登山口に到着。

つくしも早まったか。

富神山をバックに富神明神社。

無事な下山を感謝。

何やら歴史の深そうな雰囲気。

柏倉八幡神社。雰囲気あります。

百目鬼温泉(どめきおんせん)。何だか強そう。

風呂上りにパインサイダー。子どもの頃に「マズイ!」と言いながら飲んだ記憶が蘇る。(※当時は瓶でした)

天気が回復。東の戸神山がちょこっと見えます。

こちらは本日歩いた西の富神山。今度は好天の時に来たい。

本日の山行情報

単独行/日帰り/ハイキング/自宅から徒歩

曲森山(まがもりやま)
標高358m
富神山(とかみやま)
標高402m

本日のスケジュール

日大山形高校正門[着] 10:00 - [発] 10:00
 ↓ 120分 舗装道路
富神山西登山口[着] 12:00 - [発] 12:00
 ↓ 20分 
曲森山[着] 12:20 - [発] 12:20
 ↓ 10分 
富神山[着] 12:30 - [発] 12:55
 ↓ 35分 
富神山南登山口[着] 13:30 - [発] 13:30
 ↓ 55分 舗装道路
百目鬼温泉(どめきおんせん)[着] 14:25 - [発] 14:25

行動時間:4時間(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

この山域の関連記事