2017年10月26日
山梨の山:日帰り
兜山/棚山:木漏れ日浴びる思いつき山行。

兜の形の兜山。


予定がポッカリ空いた。そして最近では久しい快晴のようで、眼が覚めると窓から青空が覗いていた。

これは近場の山を散策するチャンス。

こんな思いつき山行に対応できるのは、自営業で山の近くに住む者の特権だ。

登ったことがない低山や歩いたことがないルートは無数に存在し、贅沢を言わなければ選ぶのに事欠かない環境だが、早朝出発でもない日帰り山行となると範囲は限られてしまう。

そこで今回は近場で低山の『兜山』をチョイスした。時間的な余裕があればその先にある『棚山』にも登ってみる。

甲府市街地から国師ヶ岳に至るまで続く、長い山塊の前衛の山となる兜山は標高913m。「低ぅ~」と侮るなかれ。場所によっては魅力的な岩場もあり、ボルダリングスポット(私はできませんが・・・)にもなっているようだ。そして、何と言っても富士山景勝地であることも大きなポイントだろう。

数日前に初冠雪して、昨日は初雪化粧となった富士山を拝むには最適の山で、思いつき日帰り山行プランとしても申し分なく最高。



木漏れ日が爽やか。


自宅から30分程で平和観音像付近の駐車場に到着。

本当にこの道でいいの?と疑問視しながらやって来たが、駐車場は意外に整備されており綺麗なトイレまである。どうやら人気ある山域のようで、既に何組かの登山者もいるようだ。

身支度を整えて出発すると、『トレッキングコース』を示すポップな標識とは裏腹に、倒木や落ちた枝が山道に散乱し、山道脇を流れる沢は白濁している。先日の台風の影響だろうか。

こんな状況でも本日は秋晴れ。超秋晴れ。注がれる木漏れ日が最高に心地よい秋晴れだ。山道から外れてしまっても、目的地に辿り着ける根拠皆無の自信が満ち溢れるくらいに狂喜乱舞の快晴なのだ。(だからこそ要注意!)

ウキウキ気分でしばらく登ると巨岩が目立つようになってきた。その巨岩には残置されたハーケンが打ってあり、岩登りスポットであることがわかる。巨岩を迂回して登り続けると次第に傾斜は緩くなり、山容がそのまま山名由来となっている兜山山頂に到着した。

御坂山地越しに雪化粧された富士山。


樹林帯で眺望はなくとも木漏れ日が相変わらず心地よく、山頂から1~2分程離れると見事な景色が広がる展望台があった。御坂山地越しに雪化粧された富士山がたたずみ、若干霞んでいるとは言え、快晴の青空に映える白き姿を見せてくれる。まったくもって、富士山というヤツはどの季節でもため息ものだ。

ひとしきり富士山の姿に惚れ惚れしたところで、次なる目的地の棚山へと向かう。

ここまで秋らしく色付いた景色はなかったが、棚山へ近づくにつれて、所々に紅葉の色合いを感じられるようになってきた。まだ若干の色付き具合でも、秋晴れ効果も手伝って紅葉狩り気分となって尾根道を進む。

鼻歌混じりに棚山に到着。

棚山山頂は南アルプスこと赤石山脈の山並みを一望できるビュースポットだ。ここから望む甲斐駒ヶ岳はピラミダルな山容に映り、南アルプスの貴公子と呼ばれるだけある風格を放って鎮座していた。

ほんのり紅葉。


棚山から大菩薩嶺方面。


棚山から南アルプス方面。



下方には大型バスが乗り入れる程に観光名所となった『ほったらかし温泉』が見える。さあて、下山の途に就いてこちらも温泉に浸かるとするか。私の中で『下山』から『温泉』のコンビネーションは、海水浴後のラーメン並みに切り離せない関係だ。加えて平日の昼間から温泉に入る背徳感も、ある意味たまらない。

木漏れ日射し込む樹林帯。


そんなことで帰りは来た道を戻らず、地形図から最短で安全そうなルートを選んでショートカットして戻ることに。

尾根を外して緩やかな谷間を下ると、木漏れ日が薄くなり暗さが増してきた。更に薄暗くなる樹林帯を進むと、無残に放置された廃車が不気味な空気感を漂わせている。ホラー映画なら不吉な予感しかしないシチュエーション(でもやっぱり覗き込む)だ。基本小心者の私は心無し早足となって谷間から離れ、尾根に登り詰める。

一般山道に合流後は木漏れ日差し込む樹林帯をゆるゆると下山。起き掛けの思いつきで出発した割には今期一番の秋晴れとなり、雪化粧された富士山を堪能できたこの時期ならではの山行となった。

そして忘れてはならない山行の締めとして、麓にある岩下温泉へ。

これで本日の山行は完成。(入浴後の牛乳もあれば尚良し)



【ちなみに岩下温泉とは】

温泉ねこのミミが入浴方法をご案内。


1300年の歴史ある温泉で甲州最古とも言われる源泉に入れます。

半地下の霊湯(冷泉)に身を浸せば、登山帰りの疲れどころか身も心も浄化されること請け合い。この温泉を飲んで22歳(人間で換算するなら100歳以上!)まで生きたワンコもいるとか。

また、立ち寄り湯のある旧館は国指定の有形文化財で、隣には温泉の神様とも言われる『少彦名神(すくなひこなのかみ)』を祀る走湯神社があります。

おススメ!

漫画的山行記録

予定が空いたので近場の山歩きに出発。

行き先は兜の山容の兜山です。

平和観音像のある橋を渡って、

綺麗なトイレもある駐車場へ駐車(4~5台)。

兜山のトレッキングコースはこのようになっております。

私は岩場コースから登ります。

先日の台風の影響か、倒木や折れた枝が散乱し、

沢は白濁しています。

でもこの秋晴れの爽やかさよ!

まさに山歩き日和です。

しばらく登ると残置ハーケンが打たれた巨岩が出現。

巨岩を迂回して鎖が整備された急斜面を登ります。

岩場の端では視界が解放。

すぐ横にはそびえ立つ巨岩。

急な登りもここまでか。

苔生した岩場を縫って進みます。

苔、岩、木漏れ日。はぁ、気持ちいい。

兜山に到着。

1~2分程離れた場所に展望台があるので行ってみます。

展望台から開ける御坂山地の山々。

その奥には昨日雪化粧したばかりの富士山が見えます。

ハァ、富士山はどの時期もキレイだなぁ。

時間に余裕があるので棚山まで行ってきます。

恐らく『棚山こちら』の標識。

ほんのりですが色づいています。

標識は綺麗ですが山道は不明瞭なので注意。

カンポウ?

棚山に到着しました。

こちら大菩薩嶺方面。

下方には観光名所になった『ほったらかし温泉』が見えます。

こちら南アルプス北部。

そして南部。

ここから見る甲斐駒ヶ岳の山容はピラミダルでカッコイイ。

帰りは谷間を下ってショートカットします。

谷間に下りると徐々に薄暗くなります。

薄暗い樹林帯で不気味な空気を漂わす廃車・・・。

尾根に乗って一般山道に合流。

こちらへ下ります。

ゆるゆると下山中。

林道に出ました。

山頂じゃなくても富士山は見れますよ。

林道を塞ぐ倒木をまたいで下ります。

無事に駐車場まで戻ってきました。

さて、山行の締めとして麓にある温泉へ。

旧館が有形文化財に登録されている岩下温泉です。

温泉ねこのミミが入浴方法をご案内。

岩下温泉は1300年の歴史があり、源泉は甲州最古とも言われています。

入浴後は隣にある走湯神社を参拝。

御祭神は温泉の神様とも言われる『少彦名神(すくなひこなのかみ)』です。

あら、ここからも富士山が見えましたよ。

終始秋晴れとなった山行でした。

おわり

漫画的山行記録
(新規ウィンドウ表示)

本日の山行情報

単独行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

兜山(かぶとやま)
標高913m
棚山(たなやま)
標高1171m

本日のスケジュール

駐車場[着] 09:49 - [発] 09:49
 ↓ 57分 岩場コース
兜山[着] 10:46 - [発] 10:46
 ↓ 2分 
兜山展望台[着] 10:48 - [発] 10:56
 ↓ 93分 尾根経由
棚山[着] 12:29 - [発] 12:45
 ↓ 83分 一部谷経由
駐車場[着] 14:09 - [発] 14:09

行動時間:3時間56分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

この山域の関連記事