2011年8月2日
富士山:1日目
御殿場ルート:広大な砂礫を登って精神鍛錬。

これまで山中で出会った多くの方の話を聞く限り、声をそろえて「富士山はつまらなかった」と言われる。
ことのほか登りが「単調」という理由が多かった。

多分、登頂を目指す登山者にとってはそう感じるのかもしれない。
その点、私は「山歩き」自体がメイン。富士山ならではの「歩き」を楽しめるはず。
よし、早速検証だ。

後日、知り合い、友人らと登る予定があることもあり、偵察がてらの軽い気持ちで出発。
とはいえ、レインウェアや防寒具など必要なものはしっかり持参。

広大な砂礫が広がる御殿場ルート


選んだルートは最も距離が長く、標高差も大きい御殿場ルート。
利点は、

駐車場が空いている(無料)。
そのため登山道も空いている。
さらに山小屋の数は少ないが空いている。

つまり何処も彼処も空いているのだ。

予想通り、ゆったりと駐車して登り始めると、すぐに砂礫(砂と小石)が一面に広がる。
さすがに火山。樹木などは見当たらず、巨大な砂山みたいな感じだ。

登りの砂礫道は1歩進むと半歩ぐらい下がる感じで、
「ああ、また1歩分損した。。。」
などとセコイことを考えながら登ってゆく。

1時間程進むとガスがかかり、時々霧雨、小雨が降りつける。

誰もいない。
周囲はガスで何も見えない。
砂礫を踏む締める自分の足音と少しばかりの風の音しか聞こえない。
生き物の気配を感じられない。


ふと足元を見るとテントウ虫が。お前さん何処から来て、何処へ行くのだ。


この状態、多少不安になるかと思っていたが、結構好き。

一応天気予報はチェックしてきたが、御来光も拝めず、ガスで何も見えないことだってあるだろう。
曜日や時間帯にもよるが、山頂付近は登山者で大渋滞することも有名だ。

行列のできるラーメン屋で待たされたにも関わらず不味い。
そして店のオヤジから「ゴメンよ、今日の出来は悪かったね」などと言われた時、「しょうがねぇなぁ、ははは。」と笑えるなら富士山を楽しめるはず。

こういった意味不明なことを考えながら、淡々と歩くこと5時間。
山道が砂礫から小石(岩)に変わり、ようやく営業中の山小屋「日の出館」に到着した。


富士プライスとは言え、高所だからしょうがないよね。


さすが富士山。販売されている商品の価格はディズニーランド級だ。
こんな時、行列のできるラーメン屋で・・・(意味のない妄想のため以下省略)。

「おお、富士プライス!」と感心しながら持参したお気に入りの行動食「チーカマ」を食べて小休止。
そして再び淡々と登り始める。

ここからは砂礫じゃないし、次の山小屋も目視で確認きるため、歩くテンションも高まる。
快調に登り、13時半には御殿場ルート最後の山小屋、赤岩八合館に到着。

山頂御来光には早すぎるし、日帰り登山には遅すぎるためか、お客さんはちらほら通りがかる程度で、山小屋スタッフはすっかりくつろぎモード。
そんなスタッフさんにのんびりと話を聞くと、全国各地から山開き中に働きに来ているとのことで、皆さん表情がいい。

これを個性と言うかはわからないが、いい意味でヘンな方ばかりだった。
中にはジャンベ(アフリカの太鼓)を持ち込み、暇を見てたたく。
そして、消灯後に誰もいない富士山頂に登り、満天の星空を見ながら音楽を聴く、なんてイキなことをする青森のリンゴ農家さんもいた。


イワツメクサとパンダ様


山小屋スタッフさんや、登ってくる登山者の話を聞きながらすっかりくつろいでしまった私は、もうここに泊っちゃうことにした。
布団はフカフカ、夕食のカレーはおかわり自由。
サービスもいいしトイレは綺麗そのもの、全然臭くない。

いいっすよ、御殿場ルート。
そして赤岩八合館。

本日の写真

雲がかかっているが、雲のその上の天気に期待。

御殿場口案内図。

鳥居をくぐってスタート。

センサーがあります。登山者カウント用?

広大な砂礫道を登っていきます。

荷物運搬用のブルドーザーの道「ブル道」があります。

見渡す限り砂礫。先はまだまだ長い。

所々、下山道やブル道と交差します。間違わないように。

砂礫道は歩きづらい。

ガスの中、淡々と歩いていきます。

お前さん、何処から来てどこへ行くのだ。

大きめの岩がちらほら出てきた。

雲から出ても果てしない砂礫。

雲に追いつかれそう。

新六合目。

六合目。新六合目との使い分けがよくわからない。

砂と岩だらけでもイワツメクサが咲いています。

ミヤマオトコヨモギが一面に生えています。

赤・青・黄でそろえた登山オヤジトリオ。きっと仲良し。

有人の小屋が見えてきた。

荷物運搬用ブルドーザー。通りがかりに声をかけると乗せて行ってくれるとか。

バイオのトイレ。バイオの力で全然臭くない。

わらじ館。

標高3000mオーバープライス。

登山道の様子が変わった。砂礫に比べたら歩きやすい!

赤岩八合館が見えてきた。

イワツメクサとパンダ様。

本日の山行情報

単独行/1日目/小屋泊/ハイキング/マイカー登山

富士山(ふじさん)
標高3776m(剣ヶ峰)
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

御殿場口新五合目[着] 06:30 - [発] 06:30
 ↓ 195分 
新六合目[着] 09:45 - [発] 10:05
 ↓ 75分 
六合目[着] 11:20 - [発] 11:20
 ↓ 50分 
七合目[着] 12:10 - [発] 12:10
 ↓ 75分 
赤岩八合館[着] 13:25 - [発] 13:25

行動時間:6時間35分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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