2017年4月6日
御坂山地:日帰り
蜂城山:桃源郷は準備中。

桃源郷にはまだ早い時期です。


みんな大好き、昭文社の『山と高原地図』の表紙には、収録範囲内の代表的な山名が掲載されている。大菩薩嶺エリアの地図も同様に、大菩薩/小金沢連嶺の代表的な山名が連なっているのだが、その最後に里山と言っても差し支えない蜂城山の名が並んでいる。

正直言って全くノーマークだった私としては「代表として相応しいのか?」と思ってしまう。しかし、これには訳があり、調査執筆者である関口理行さんのメッセージが込められているのだ。

「桃の花が咲き誇る頃の山頂からの景色はまさに桃源郷そのもの」

大々的に宣伝せずとも表紙に掲載されている『蜂城山』の山名を見て気に留めてくれる方がいれば幸い、と関口さんから伺ったことがある。

そんなメッセージを直接聞いたからには行かねば。



蜂城山はこちらから。


今回は蜂城山から入って、神領山、大久保山と周回する3~4時間程のスケジュール。

「マゾなの?」と言われても返す言葉のないハードな山行も魅力的だが、本日は仕事の関係上、午前中限定なので蜂城山は最適だろう。それに、桃源郷としてもそろそろいい時期。モモやスモモの花で埋め尽くされる光景を期待して出発だ。

が・・・。

今年はまだ咲いておらず、ほとんどが蕾だった。

桃源郷の鑑賞地として蜂城山の素晴らしさを体感する気満々だったのに、出鼻をくじかれてしまいガッカリだ。それでも己の歩行欲を満たすため、いざ蜂城山へ。

登り始めた山道は思いのほか、、、荒れていた。

笛吹市が指定する天然記念物のヤマボウシの無残な姿。


行く手を阻まんばかりに倒木が山道を塞ぎ、点々と放置された年代物の空き缶が目に付く。主要道路や高速道路が近いこともあって、小鳥のさえずりに混ざって文明的な音(車の走行音)がひっきりなしに聞こえてくる。途中にあった笛吹市が指定する天然記念物のヤマボウシ(樹木)に至っては、枯れてしまったのか根元からバッタリと倒れていた。

こんなマイナス要素ばかり目に付いてしまうが、不思議と暗い雰囲気も栄枯盛衰的な哀愁も感じられない。むしろ、あっけらかんとした明るさすら感じる。

そんな気分で蜂城山山頂に到着。

山頂には『蜂城山天神社』があり、正面に小柄な狛犬がたたずんでいた。大概の狛犬は阿形(口を開けている)、吽形(口を閉じている)とで対になっているのだが、ここの狛犬はどちらも口を半開きにしてニヒルな笑みを浮かべている。

やはり暗い雰囲気や哀愁など皆無だ。

ニヒルな笑みを浮かべる狛犬。


ちなみに、夏になると天神祭があり、麓の小中学生を中心に行われる『蜂城山書道展』の表彰式はこの山頂で行われるそうだ。ここまでの山道で見かけた空き缶も、ポイと捨てられた訳ではなく天神祭で使われたモノらしい。

つまり、一見荒れ果てているように見えるのは一時的なもので、実は地元民に愛されている親近感たっぷりの里山だったわけだ。なるほど、明るい印象を受けたのもうなずける。

そんな蜂城山からは、目下準備中の桃源郷の景色が拡がっていた。

次は隣の神領山へ向かう。ここからは山道不明瞭になるため、地形を意識しながら進まなければ予定しているルートから外れてしまう。気を引き締めよう。

方角を確認しながら歩いて神領山に到着。

厳かな雰囲気の山名。


これといって何もない山頂だが、神の領域を思わせるその山名に厳かな雰囲気を感じてしまう。ただ、実際にその場にいると、立ち入れない神の領域と言うよりも、山仕事を生活の糧としていた時代に敬虔の念を持って名付けられたような気がする。

小雨が降ってきたので少々急いで大久保山を通過して下山。麓に着く頃には一気に開花しそうなポカポカ陽気となっていた。この様子だと、来週頃からいよいよ華やかになりそうだ。

今回は時期的に早すぎて桃源郷らしい景色を楽しめなかったが、親近感溢れる里山を堪能できた山行となった。まあ、開花情報については近場なのだから確認してから行けって話か。

「桃源郷、最高ッ!」と誇らしげに言い放ちたかったなぁ。

漫画的山行記録

午前中限定で近場の蜂城山に行ってきます。

蜂城山からは、桃の花の時期になると眼下に桃源郷を一望できると聞いています。

しかし、花の時期にはまだ早かったようです。

それでも挫けずに出発。

蜂城山天神社参道から失礼いたします。

獣害対策の柵。開けたらしっかり閉じるように。

何だか参道は荒れています。

行く手を阻む倒木も多数。

年代を感じさせる空き缶もちらほら。

ちなみに、これらの空き缶は、山頂の神社にて行われる天神祭で利用されるとのこと。

にしても年季が入り過ぎてはいまいか・・・。

春待ち状態。

休憩ポイントを通過。

笛吹市が指定する天然記念物の『ヤマボウシ』が見られるって?!

これは行かねばッ!(←ヤマボウシが何なのか分かっていない)

え?

ヤマ、、ボウシ・・・!?

無残にも倒れていました。

ダンコウバイを見て気を取り直します。

石鳥居をくぐって最後の登り。

天神祭で使ったと思われる空き缶がぶら下がっています。

こちらにも。

やはり年季が入り過ぎてはいまいか・・・。

山頂、すなわち蜂城山天神社に到着。

よく、

来たな。

ニヤリ。

鳥居から覗くと甲府盆地が拡がっています。

続いて、隣の神領山へ。

ここからは山道不明瞭なので地形を意識して歩く必要があります。

と思いきや、意外と立派な標識が。

こちらも山道を塞ぐ倒木多数。

しばらく登ると整然とした空間に出ました。

その中で唯一テンション高めのヤツ。

神領山山頂に到着。

山名は非公式のようですが、おごそかな雰囲気です。

さあて、後は大久保山経由で下山。

大久保山を通過。

大久保山那賀都神社があったので参拝します。

『赤松』ってこの鐘の愛称じゃあないよね・・・。

見晴らしの良いところに出ました。

そして無事に下山。

本日歩いた山々。

来週あたりが見頃だったかなぁ。

テントウムシも開花を待ちわびてます。

桃源郷と呼ばれる所以を実感するのは、またの機会にお預けです。

それでは満開の時期にお会いしましょう。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

蜂城山(はちじょうやま)
標高738m
神領山(しんりょうやま)
標高866m
大久保山(おおくぼやま)
標高664m

本日のスケジュール

蜂城山天神社参道入口[着] 07:46 - [発] 07:46
 ↓ 51分 
蜂城山[着] 08:37 - [発] 08:44
 ↓ 42分 
神領山[着] 09:26 - [発] 09:30
 ↓ 33分 
大久保山[着] 10:04 - [発] 10:04
 ↓ 22分 
大久保山那賀都神社参道入口[着] 10:26 - [発] 10:26
 ↓ 30分 舗装道路
蜂城山天神社参道入口[着] 10:57 - [発] 10:57

行動時間:3時間0分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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