2013年12月1日
御坂山地:日帰り
鬼ヶ岳:御坂一の険路で富士見歩き。

夜明け前の静かな河口湖。


抜け毛が気になる今日この頃。
そんないいオッサンになろうとしている私が無条件に反応してしまう山名を持つ毛無山。

『毛無山』と呼ばれる山は全国各地にあり、『木無し山』が由来とされている。
なぜ、『木』を『毛』に変えちゃったんだろう・・・、と『毛無』のビッグワードに心を痛めてしまうが、この説とは真逆の『木成し山』が由来とされる説もある。

【『毛』チェック】
地名における『毛』は『木立や草原』『崩壊地』『農作物』などの意味を持つそうです。


個人的に『木成し』説を推したい私の今回の目的地は、富士山の北側に位置する御坂山地の毛無山。

毛無山をはじめとして、十二ヶ岳や鬼ヶ岳など、御坂山地の山々をキビキビと歩くスケジュール。
富士山の近くなので好展望を期待できそうだ。

そしてこのエリアは鎖やロープが連続する御坂山地一の険路と聞いている。
この険路歩きこそが今回の最大の目的。決してネタ的な山名が目的ではないのだ。のだ!(強調)

河口湖と西湖の間にある文化洞トンネル脇の駐車スペースに駐車。
吐く息は白く、濡れていた箇所が凍結している寒々しい中での出発だ。

しばらく歩くと河口湖越しに日が登り、寒色系だった山道も朝日に照らされて暖色系に染まる。
あー、温い。

地形図の前読みをしていなかった事もあって、ニセピークに何度か騙されたが、まだまだ歩き始めたばかり。淡々とした歩みをそのままに山頂を目指す。

金色のカヤト(ススキなどのイネ科植物が茂る場所)を通過して、1時間ほどで誰もいない毛無山山頂に到着した。

ちゃんと木が成している毛無山山頂。


山頂からは正面に富士山が鎮座。
それはそれは見事なお姿だ。

そして・・・よかった、木々はちゃんと生えている。
深い意味など無くても何となく安心する私。

さて、ここから十二ヶ岳までが、今回の目的となる御坂山地一の険路歩きとなる。
山名から察するに、11のピークを越えて12番目が十二ヶ岳なのだろう。
早速行ってみよう。

数分後。

あっという間に一ヶ岳に到着。
この間、カップラーメンにお湯を投入してちょい硬め、程度の時間しか経っていない。

険路とは言え、十二ヶ岳までさほど離れていない区間を11も区切ればそうなるか。

越えるべきピークの高低差も20m程で、ロープなどが整備されている。険路としての危険性よりも、むしろ切れかかったロープに対して用心しなければならないくらいだ。

しかし慎重さを疎かにはしない。

頭上でチュピチュピとさえずる小鳥と富士山を眺めながらも、着実な足取りで十二ヶ岳へと向かう。

綱引きでも出来そうな、頼り甲斐のある太いロープ。


十一ヶ岳からは、これまでの優しさタップリの険路とは雰囲気がガラリと変わり、厳しさが増す。

ロープ伝いに40~50mの岩場を一気に下り、ちょっとした吊り橋を渡って岩場を登り返す。
ここについては間違いなく険路の様相だ。

綱引きでも出来そうな、頼り甲斐のある太いロープの助けも借りて、
「下ったら登り返す、それが私の流儀なのでね」
と、気分を盛り上げて険路を満喫する。

到達した十二ヶ岳からは、相変わらず富士山が綺麗に見える。
そして、すぐ西側にはこれから通過する鬼ヶ岳がそびえていた。

十二ヶ岳から臨む鬼ヶ岳は断崖絶壁上に成り立ち、山頂には鬼の角を思わせる岩がツンと飛び出している。
詳しい山名由来はわからなかったが、見た目が由来となっているのは間違いなさそうだ。

十二ヶ岳山頂からの景色を前にすれば、100円足らずのコッペパンも眩しいばかり。


西湖と青木ヶ原樹海。奥にはポッコリと大室山。


断崖絶壁上に成り立つ鬼ヶ岳。

鬼ヶ岳の前に、せっかくなので節刀ヶ岳にも立ち寄ってみる。
分岐点の金山から往復で30分弱の節刀ヶ岳からも、やはり綺麗な富士山を見る事ができる。

この御坂山地は富士山の好展望地として有名な三ツ峠もあるし、富士山を眺めるには絶好のオススメ山域だな。

金山まで戻り、いよいよ本日最後の山となる鬼ヶ岳へ向かう。
30分程で到着した鬼ヶ岳山頂からは、息を呑むばかりの景色が拡がっていた。

甲斐駒ヶ岳をはじめ、赤石山脈の山々がズラーっと連なっている様子は壮観。
金峰山や瑞牆山などの奥秩父の山々も一望でき、八ヶ岳とニセヤツ(茅ヶ岳)を見比べる楽しさもある。

そして何と言っても富士山。
富士五湖や青木ヶ原樹海が麓に拡がる富士山の景色は、この鬼ヶ岳ならではだろう。

当初、鬼ヶ岳はルート中の単なる通過点としての位置付けだっただけに、これ程の景色を見せてくれるなんて嬉しい誤算だ。
すっかり今回の目的だった険路歩きを上回る印象となった。

鬼ヶ岳山頂。とにかく周囲の景観が見事!


数ヶ月前に縦走した白根(白峯)三山はすっかり真っ白。


圧倒的存在感を放つ富士山。

見事な景色に酔いしれた余韻を残して、「登ったら下りる、それが私の流儀なのでね」と、意気揚々と西湖へと下山した。

駐車している文化洞トンネル方面行きのバス時間にも間に合い、余裕をかまして西湖で写真撮影に夢中になっていると、背後でバスが通り過ぎる。

・・・ん!?

バス停に行き、バス時間を確認すると、ネットで事前チェックしていた時刻と違う。

えーっ!?
バス停で直接確認するべきだった・・・。

しょうがなく5km程の道のりをトボトボと歩いて戻る事に。

歩いて戻り返す。
私にそんな流儀はないのに。

【要注意!】
西湖の畔を歩いて戻る、と言えば聞こえは良いかもしれませんが、歩道のない車道で、大型観光バスが頻繁に行き交う湖北ビューラインを歩くのは、とてもオススメできません。
バス時刻の確認をお忘れなく・・・。


撮影に夢中でバスに乗り損ねました・・・。


左から十二、十一、十・・・。


西湖の畔にある彩呼亭さんでダッタン蕎麦を頂きます。ウマイ!

漫画的山行記録

御坂一の険路と言われる十二ヶ岳を歩きに行ってきます。

静けさ漂う夜明け前(河口湖畔より)。

河口湖畔より夜明け前の富士山。

明るくなってきたところで出発。

文化洞トンネル登山口から登り始めます。

朝日があたって一気に暖色系の山道へと変わります。

山頂直下のカヤトから河口湖を眺めます。

毛無山山頂。ちゃんと毛(木)はありますとも。

ここから御坂一の険路と言われる十二ヶ岳への稜線歩きです。

早くも一ヶ岳。

二ヶ岳。

三ヶ岳。どんどん進みます。

四ヶ岳。

こんな感じの箇所もあるので油断しないで。

五ヶ岳。

六ヶ岳。たまには下から。

七ヶ岳。自分の影も入れて。

八ヶ岳。

九ヶ岳。チラっ。

十ヶ岳。この岩場は登らず。

綱引きでもできそうな頼りになるロープです。

光合成真っ盛り。

十一ヶ岳。向こうが十二ヶ岳。

岩場をロープ伝いに40~50m下ります。

鞍部のちょっとしたつり橋を渡ります。

下ったら登り返します。

十二ヶ岳に到着。

正面には富士山。

100円足らずのコッペパンが眩しいぜ。

青木ヶ原樹海。いわゆる富士の樹海。

十二ヶ岳から金山への山道も険路です。

下ったらやっぱり登り返します。

険しそうな鬼ヶ岳が見えます。

こちらたおやかな金山(左)と節刀ヶ岳(右)。

金山。日向ぼっこしながら休憩。

富士はいいわぁ。

これから鬼ヶ岳へ向かいますが、その前に節刀ヶ岳にも立ち寄ります。

はい、節刀ヶ岳です。

節刀ヶ岳からススキ越しに富士山。

やっぱり富士はいいわぁ。

金色に染まるカヤト(ススキなどイネ科の植物が茂る場所)を進みます。

積雪した白根(白峯)三山。

眺望抜群な鬼ヶ岳に到着しました。

塩見岳、赤石岳など赤石山脈の南側。

甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山。

変わって奥秩父の瑞牆、金峰方面。

八ヶ岳と手前のニセヤツ(茅ヶ岳)。

角っぽい岩。鬼ヶ岳の由来か?奥には三ツ峠が見えます。

そしておなじみ富士山。

素晴らしい眺望です。

さあて、下山します。

同じような斜面が結構続きます。

沢沿いの山道。あちこちに印がありますが左岸沿いに下山。

東入川砂防堰堤。奥に見えるのは雪頭ヶ岳か?

西湖の畔まで無事に下山しました。

バスを利用して戻るつもりでしたが、写真を撮っていたら乗り損ねた・・・。

トボトボと西湖の畔を歩いて戻ります。

一部、紅葉真っ盛り。

左から十二ヶ岳、十一、十・・・。

文化洞トンネル登山口まで戻ってきました。

帰りに西湖の畔にある彩呼亭さんでダッタン蕎麦でお腹満足。

お疲れ様でした。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

単独行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

毛無山(けなしやま)
標高1500m
十二ヶ岳(じゅうにがたけ)
標高1683m
金山()
標高1686m
節刀ヶ岳(せっとうがたけ)
標高1736m
鬼ヶ岳(おにがたけ)
標高1738m

本日のスケジュール

文化洞トンネル登山口[着] 06:30 - [発] 06:30
 ↓ 65分 
毛無山[着] 07:35 - [発] 07:40
 ↓ 70分 
十二ヶ岳[着] 08:50 - [発] 09:10
 ↓ 30分 
金山[着] 09:40 - [発] 10:00
 ↓ 10分 
節刀ヶ岳[着] 10:10 - [発] 10:10
 ↓ 10分 
金山[着] 10:20 - [発] 10:20
 ↓ 20分 
鬼ヶ岳[着] 10:40 - [発] 10:55
 ↓ 60分 
東入川砂防堰堤[着] 11:55 - [発] 11:55
 ↓ 15分 林道/舗装道路
西湖[着] 12:10 - [発] 12:10
 ↓ 55分 舗装道路(バスに乗り損ねて徒歩・・・)
文化洞トンネル登山口[着] 13:05 - [発] 13:05

行動時間:5時間35分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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