2013年7月21日
日光連山:日帰り
日光白根山:アリの如くせっせと登る。

近所のkさんの車に乗せてもらい日光白根山へ。

降雪により峯が白く染まる事から「しらみね」→「しらね」となる、語感は美しいが至極当たり前の理由で付けられた白根山。そんな全国に散らばる白根山群と区別して日光を頭に配した日光白根山を歩きに行った。

火山である日光白根山の山頂付近は、すり鉢状のガレ場を多く見られるらしく、弥陀ヶ池、五色沼など見所も多い。しかも百名山とあっては間違いなく楽しめるだろう山だ。

渋滞回避も考慮し、前日の夜に菅沼登山口まで行き車中泊。翌早朝から登り始めるスケジュール。
すっかりハンモックに魅了されている私は、駐車場脇の樹林帯でヘネシーハンモック泊をしたのは言うまでもない。

菅沼登山口駐車場。一日1000円。


3時30分、セットしておいた目覚ましに起こされて起床。

寒い。

予想していたが底冷えで末端が冷えきっている。ハンモック泊の防寒対策に改善の余地ありだな。
冷えた身体を温めるためにも早々とハンモックを撤収し、出発の準備を整える。

まだ薄暗い中で準備をしていると、この時間帯でも登山客がポツポツとやってきた。世界文化遺産の日光東照宮から近く、北側にはロープウェイもある事から人気の山域に間違いなく、登山客も多いだろう。
混雑を避けるには早朝の時間帯から歩くのが間違いなさそうだ。

とは言え、何だかんだですっかり明るくなった頃に出発。

爽やかなブナ林を進むと、徐々に傾斜がキツくなってきた。それでも朝の涼しさにも助けられ、一息に登り続けるとある程度平坦になり、また急な登りが始まる。
事前の地形図先読み効果もあって、想定通りの展開に歩調を崩すことなくいい感じだ。

しかしまだ登り始めたばかり。
奥白根(日光白根山)山頂直下の急傾斜がメインとなるはずなので、まだまだお楽しみはこれからだ。

弥陀ヶ池に映る奥白根。


はるばる青森から車で来た山好きご夫婦(おふたり合わせて135歳!)との交流もありつつ、黙々と登ること2時間程で弥陀ヶ池に到着した。
曇り空で色合い的にパッとしない状況だが、池面にも映し出された奥白根の荒々しい姿には大興奮だ。

火成岩の安山岩のみで形成される奥白根山頂は、下から見上げるとゴツゴツと登り応えがありそうな様相。
山頂に向かって細く延びるガレ場の山道には、すでに先行している登山者が小さなアリのようによじ登っているのが見える。

そんなアリに混ざるべくワクワクしながらこちらも登り始める。

日帰り装備で身軽なので足取り順調。
ただ、急斜面のガレ場では岩を落とした、落とされたと、別の注意も必要となる。登山客で混雑するような状況になれば、尚更注意は必要となるだろう。
時間帯が早く、まだ空いているとは言え、自分の足元と上部に気を付けながら登る。

ゴツゴツした岩場、ガレ場をアリのようにせっせと登り、奥白根山頂に到着。
青森から来た元気なご夫婦も無事に登頂。

弥陀ヶ池と同様に残念な曇り空でも、360度すべての眺望は抜群にイイ。
特に東側に見える、中禅寺湖を見下ろしてそびえ立つ男体山の雄々しさといったらない。次回の山行は男体山で決まりだな!(単なる勢い)


ガレ場をどんどん登ります。


山頂はもうすぐ。眼下にはロープウェイ乗り場が見えます。


奥白根(日光白根山)山頂に到着。

(単なる勢いで)次回の山行予定も決まったところで、前白根山との鞍部付近にある五色沼避難小屋まで下る。

こちら側も弥陀ヶ池からの登りと同様にガレ場の急傾斜を想定していたが、実際に下ってみるとガレ場と言うよりもザレ場で意外と歩きやすい。ザザーっと滑らないように注意さえすれば、スムーズに下る事ができる。

ん?何かくれるのか?


到着した五色沼避難小屋前で早めの昼食。
他の登山客も休憩しており、中にはスニーカーを履いた観光客風の方もいる。
そのスニーカーであのガレ場、ザレ場を越えてきたとは、ある意味スゴイ。

それにしてもこの一帯はシカの出没率が高い。

シカ公園かと思ってしまう程に、平然とうろついている。そして何かもらえるかと期待を込めた眼差しでこちらの様子を伺ってくる。
中にはコジカもいる。

くっ。
そんな眼差しで見つめられても何もやらん!やれんぞ!
※野性動物の餌付けは厳禁です。

火口湖でもカルデラ湖でもなく堰止湖の五色沼。


空腹もおさまり、五色沼の畔を経由して弥陀ヶ池まで戻る事にする。

が、五色沼到着時も残念な曇り空。それどころか小雨まで降ってきた。
『五色』と名乗るその色彩を見たかったのに残念至極。

せっかくなので沼の水を手ですくってみる。
・・・ぬるい。ただ、それだけだ。

ちなみに、この五色沼は火口湖でもカルデラ湖でもなく、浸食によって堰止められた堰止湖だそうだ。一見火口湖のように見えるが、その歴史を調べるとそうではないらしい。
見た目だけで簡単にわかるものではないな。


【マメ知識】
火口湖:マグマや火山ガスによって運ばれた岩が噴出した穴に雨水等が溜まって形成。(蔵王の御釜や草津白根の湯釜など)
カルデラ湖:マグマが放出されて空洞となった地下が陥没した箇所に雨水等が溜まって形成。(屈斜路湖や中禅寺湖など)


弥陀ヶ池まで戻ると、相変わらずゴツゴツと荒々しい奥白根がそびえ立ち、その急斜面をアリたちがよじ登っている。やはり人気の山域らしく、アリたちの数も俄然多くなって列を成している。
そんな、せっせとよじ登るアリたちの働き振りを眺めていると、何だか健気でいとおしく感じてしまう。
※アリ=登山者

弥陀ヶ池からは来た道を引き返して、昼過ぎに無事下山。
山頂からの景観もさることながら、バリエーション豊富な『歩き』を楽しめた山だった。

菅沼登山口駐車場の隣にあるお土産屋は大賑わい。


帰ってきた菅沼登山口駐車場はほぼ満車状態で、すぐ隣にあるお土産屋はライダーたちで大盛況。そんなライダーで賑わう食事処には『ライダー丼』なるメニューが。
たぶんテリヤキハンバーグの山盛りどんぶり飯に違いない。(想像)

本日の写真

菅沼登山口駐車場からスタート。

ファンキーなサルの向かいにトイレあり。

まだ誰もいないが、下山後は賑わっていそうなお土産屋。

山中でよく見かける光景。でもここは過剰。

徐々に急傾斜に。

足を滑らせないように。

ゴゼンタチバナ。葉が4枚だと花は咲かないそうだ。

マイズルソウ。

弥陀ヶ池と奥白根。

登り応えがありそうだ。

シロバナヘビイチゴがあちこちに咲いてます。

綺麗な形のツマトリソウ。

座禅山の隣に弥陀ヶ池。

五色沼もチラリと見えてきた。

ガレ場なので注意。

ハクサンシャクナゲを見て一息。

落石に注意。

せっせと登ります。

そろそろ山頂の雰囲気。

振り返るとロープウェイ乗り場が見えます。

もうひと登りで山頂。

日光白根山(奥白根)山頂。奥には燧ヶ岳の姿が。

山頂道標が立っている岩場の先端。怖ひ。

男体山と中禅寺湖。

男体山から女峰山へと続く日光連山。

奥白根神社の祠。狛犬が潜んでます。

すり鉢状の地形を多々見られます。ここは平らで快適そう。

五色沼。火口湖でもカルデラ湖でもなく堰止湖だそうです。

ハクサンフウロ。

大きなすり鉢。

違った方面から五色沼。

ザレ場なのでザザーっと滑らないように。

シカが潜んでます。

ん?何かくれるのか?※野生動物の餌付けは厳禁です!

五色沼避難小屋。

小さな花に癒される。

五色沼が見えてきた。

五色沼。快晴ならもっと色彩豊かなはず。

cafeふくろうのドリップパック。オススメ!

五色沼から奥白根を見上げる。

ここを越えれば弥陀ヶ池。

弥陀ヶ池の畔。

弥陀ヶ池の畔の木道。

弥陀ヶ池。清涼感タップリ。

すぐ頭上で鳥がさえずっていました。

駐車場はもうすぐそこ。

おおっ、駐車場は満車か?

本日の山行情報

複数人山行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

日光白根山(にっこうしらねさん)
標高2,578m(奥白根)
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

菅沼登山口駐車場[着] 04:55 - [発] 04:55
 ↓ 110分 
弥蛇ヶ池[着] 06:45 - [発] 06:50
 ↓ 55分 
日光白根山(奥白根)[着] 07:45 - [発] 08:25
 ↓ 55分 
五色沼避難小屋[着] 09:20 - [発] 10:30
 ↓ 10分 
五色沼[着] 10:40 - [発] 10:40
 ↓ 40分 
弥蛇ヶ池[着] 11:20 - [発] 11:20
 ↓ 85分 
菅沼登山口駐車場[着] 12:45 - [発] 12:45

行動時間:5時間55分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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