昨晩は深夜帯まで写真遊びに夢中になってしまい就寝時間が遅くなった。
御来光を見るためにセットしておいた目覚まし時計に起こされ、もう一眠り頂きたいところだが、シュラフの中でモゾモゾと起きようと努力する。
友人Kもモゾモゾとうごめいている。
寝ぼけながらも何とか外に出てみると既に明るい。
日の出方面には雲がかかり、うっすらと太陽が見えている。
後で調べたところ、本日の日の出時刻は4時20分。目覚ましは4時30分にセットしていた。
起きる時間からして間違っていた訳だ。
仮にもっと早く起きたとしても雲がかかって時刻通りに御来光は見れなかっただろう、と思う事にして、素直に蔵王山中の清々しい朝を迎える。
本日は天気を見ながら南蔵王を歩いてみる予定。
しかし昼までに下山したいため、バタバタと行動するより、成り行きで行動したほうが楽しめそうだ。
マッタリと暖かいお茶を飲み、マッタリと身支度をして、お世話になった避難小屋を軽く掃除する。
目が覚めてくると歩行欲が湧いてきた。
昨日の疲れは回復して、体調もいい感じ。
まずは刈田岳駐車場に停めてある友人Kの車に余分な荷物を置きに行く。
友人Kと合流できなかった場合も想定して、風呂上りの着替えなど一通り持ってきているため、余分な荷物を預けておけるのは非常にありがたい。
朝の涼しげな光が湖面に反射する爽やかな御釜を眺めながら、ゆったりと刈田岳駐車場へと向かう。
刈田岳駐車場には早くもチラホラとお客さんが来ており、中にはスキーの準備をしている方もいる。
この時期に一体どこで滑れるのだろうか。
友人Kの車に荷物を預け、身軽になったところで駐車場からすぐの刈田岳へ。
刈田岳山頂にある刈田嶺神社には数か月前に一度訪れているが、その時は樹氷と化していた事もあり、通常時に参拝するのは今日が初めて。
はじめてお目にかかる狛犬は小振りで阿形、吽形ともに表情が可愛らしい。狛犬としてそれでいいのか?と思える程の可愛らしさで、無邪気な幼少期があるとすれば、刈田嶺神社の狛犬がまさにそれだろう。
参拝を済ませ、南蔵王の登山口まで下る。はずだったが意外と標高差があり、登山口まで車道が続いているので一端駐車場に戻り、車で移動する事にした。
こうなると「昨日たっぷり歩いたし今日はもういいかー」という気分になる。
南蔵王の登山口に移動すると、雪の残る樹林帯が広がっていた。
この光景に私の歩行欲がピクリと反応。地形図を見ると刈田峠避難小屋まではなだらかな下りで、山道を使わず残雪の樹林帯を散策しながら行けそうだ。
少なからず歩行欲が湧いてきたので改めて出発。
やはり雪面の下りはラク。この時期、踏み抜きさえ気をつければ快適で残雪も涼しいばかり。
夏道付近から離れ過ぎないように注意しながら、軽い足取りでザクザクと下る。
が、雪解けは確実に進んでいる。
全面に雪が残っている訳ではなく、地面が露出した藪に道をふさがれてしまった。
この辺りは多くの高山植物が自生している湿地帯で木道が整備されている。
藪を強行突破する事も可能かもしれないが、植生保護を考慮すれば木道や雪面以外の土は踏みたくはない。
ここはおとなしく来た道を戻り、改めて山道へ合流できる地点を探す。
何とか木道に合流して少しばかり下ると、雪原の広がる開放的な場所に出た。
正面に前山、杉ヶ峰を一望できる実に気持ちの良い雪原だ。
すっかり気分が開放的になり、ザックを下ろして雪原を走って登る。そして駆け下りる。そして大の字になって寝転ぶ。
あ~、今日はこれで満足だぁ~。
あっさり歩行欲がなくなり、初めて踏み入れた南蔵王散策はここまで。
南蔵王は6月下旬頃からがベストシーズンと聞いている。
後日改めて訪れてもいいな。冬季の樹氷シーズンも楽しそうだ。
そういう事で雪原でくつろいだ後は早々と下山。
たいして歩いた訳ではないが、意外と満足度は高い。
昨日、たっぷりと歩いた事だし、こんな気分の時もあるさ。