2012年8月17日
蔵王連峰:1日目
熊野岳:改めて歩く地元の山『蔵王』。

私の地元、山形市は盆地のため四方八方を山に囲まれている。
帰郷ついでに、その山のひとつ、蔵王を改めて歩いてみることにする。

蔵王と言ったら御釜。


蔵王と言えば御釜とスキー場が有名な訳だが、それ以外の印象はなく、山道を歩こうなどと思った事は一度もなかった。
山歩きに目覚めた今、百名山にも入っている蔵王を歩かない手はないだろう。

早速、友人Kと蔵王に向かった。

天気は今ひとつ。
天候回復を望めないどころか、所により雷雨の予報も出ている。
刈田リフト駐車場で身支度をすませ、時間短縮も兼ねてリフトを利用することにした。

何年振りだろうか。

久しぶりに目にする御釜の姿は相変わらず見事だ。
丁度、晴れ間も見えて、御釜の雄大さが余計に際立って見える。

【蔵王の『御釜』を知らない人のために】
『御釜』は火口湖で五色沼とも呼ばれています。
淡い緑色に濁っている水質は強い酸性のため、生物は一切生息していません。
山形に来る機会があれば是非お越しください。(御釜自体は宮城県側ですが)


実にカッコイイ熊野岳避難小屋。


ひとしきり御釜を眺めた後は、蔵王連峰最高峰の熊野岳に向かう。

『馬の背』と呼ばれる岩場の斜面を登って行くと、稜線上に熊野岳避難小屋が見えてきた。
雨、風、吹雪から守ってくれそうなその武骨な外観が何とも頼りがいがあってカッコイイ。

中に入ってみると燃料の入ったストーブが整備され、冬季にはありがたい避難小屋であることは容易に想像が付く。
ただ、この時期閉め切っていたせいか、カビ臭い。
毛布も常備されていたが、よほど緊急時でない限り、使用するには躊躇する事間違いない。


避難小屋に荷物をデポ(残置)して、熊野岳に向かう。
途中、他県から来たと思われる登山者のおじさんに「蔵王山はどこですか?」と尋ねられた。

『蔵王山=蔵王連峰』のため、『蔵王山』という個別の山は存在しない。(極最近知った)
その事を伝え、「蔵王連峰の最高峰が熊野岳だから、蔵王山=熊野岳でいいんじゃないですかね」といい加減な返答をする。(これでも地元民)

そんな『蔵王山』に到着。

背伸びしたネコのような狛犬。愛嬌抜群。


ガスがかかり視界は悪いが、周囲に遮るものはなく、天気次第では山形の街並みが一望できるだろう見事な展望。
そして、山頂少し手前にある蔵王山神社(熊野神社)の狛犬がこれまたイイ感じで、背伸びしたネコのような姿は愛嬌抜群だ。

狛犬欲も満たされたところで避難小屋に戻り、いよいよ北蔵王縦走路をゆく。

事前リサーチによると、北蔵王縦走路には水場が一切ないとの事なので、いつもより多めの水を持参している。
不便な水場事情のせいか、熊野岳を下り始めて御釜から遠ざかると、すっかり登山者は皆無。

良い方に解釈すれば、これから先は静かな山歩きができるのかもしれない。

草木が生い茂る縦走路。


ハイマツと岩が広がる日本庭園のような趣の斜面を下っていくと、山道脇の灌木や草花が生い茂ってきた。
最初のうちは楽しんでいたものの、次第に生い茂る笹藪に囲まれると、景色もへったくれもない状況に。

こうなると、ただただ藪をかき分けて進むのみ。

最初からこんな山道状態を把握していれば覚悟もできたのだろうが、通常の縦走路と思っていただけにこの状況からテンションを上げるのは至難の業。
雲行きが怪しくなり、ゴロゴロと雷鳴も近づいてくる。

今更グズグズ言っても仕方がない。

雨に降られる前に、花や昆虫など少しばかりの楽しみを見つけながら、藪をかき分けてひたすら進む。
八方平避難小屋に到着する頃には、たいして歩いた訳でもないのに精神的疲労がドッと押し寄せてきた。

持参した水をガブ飲みしたいところだが、八方平避難小屋から最寄りの水場までは、往復約1時間かけて登り降りしなければならない。しかも藪歩きとなるととても行く気にはなれない。
せめてもの救いは八方平避難小屋が快適そのものだった事か。

快適な八方平避難小屋で宿泊。


誰もいない八方平避難小屋で、大胆に荷物を広げ、素っ裸になって汗を拭く。

オヤジ的な無頓着さ甚だしい。

そうは言っても、これも同性友人との山歩きの醍醐味だ。
すっかりくつろぎモードになり、貴重な水を大事に使い、豪華な山メシをたらふく食べて明日の歩きに備えた。

本日の写真

御釜行きの刈田リフト。

ザックを背負ってリフトに乗ると怠けている感じがする。

御釜のビューポイントである刈田岳は観光客で賑わっている。

久しぶりに見る御釜。相変わらずいい色してる。

御釜の縁を歩けるらしい。

御釜、いかがでしたでしょうか。

また違う角度から御釜。

ガスの中、馬の背を登ります。

カッコイイ熊野岳避難小屋。

閉め切っていたからかカビ臭い。

色々行ける分岐点。

熊野岳へ向かいます。

蔵王山神社(熊野神社)。

お尻を突き出している狛犬がお出迎え。

狛犬様のお尻。

蔵王連峰最高峰の熊野岳。ちなみに蔵王連峰には『蔵王山』という山はありません。

尾根なのか分からないほどの広さ。

現在通行禁止の『ロバの耳コース』。激しく気になる。

振り返って下りてきた山道を眺める。

高山植物の女王コマクサ。残念ながら見頃は過ぎている感じ。

これから向かう北蔵王縦走路。

見た目鮮やかなキリンソウ。

縦走路はまだまだ続く・・・。

やっぱり青空はイイ。でも暑い。

草木をかき分け進みます。

ハイマツと点在する岩が庭園のような『自然園』。

ミツバチのお尻。

通過ポイントの『追分(おいわけ)』。『追分』は道が二つに分かれる場所をさす言葉です。

水溜りに映り込む空にアメンボが泳ぐ。

生い茂ってます。

名号峰に到着。

雨雲が接近中。急がねば。

八方平避難小屋に到着。

オヤジ臭の漂う汗ビッショリの下着類。

何の花?

誰もいない避難小屋。快適そのもの。

夕焼けが始まったが林で見えない・・・。

ああ、夕日見たかった。

本日の山行情報

複数人山行/1日目/避難小屋泊/ハイキング/マイカー登山

刈田岳(かっただけ)
標高1758m
熊野岳(くまのだけ)
標高1841m
蔵王連峰最高峰
名号峰(みょうごうほう)
標高1491m

本日のスケジュール

刈田リフト駐車場[着] 11:00 - [発] 11:00
 ↓ 10分 刈田リフト
馬の背[着] 11:10 - [発] 11:10
 ↓ 65分 
熊野岳避難小屋[着] 12:15 - [発] 12:30
 ↓ 10分 
熊野岳[着] 12:40 - [発] 12:45
 ↓ 10分 
熊野岳避難小屋[着] 12:55 - [発] 13:05
 ↓ 105分 
名号峰[着] 14:50 - [発] 14:50
 ↓ 85分 
八方平避難小屋[着] 16:15 - [発] 16:15

行動時間:4時間45分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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