2014年11月23日
吾妻連峰:日帰り
滑川大滝:滝と餅と貸し切り露天風呂。

冬期休業中の滑川温泉へ。


友人Kとヨメとの3人で山行へ。目的は滑川大滝、そして滑川温泉の露天風呂だ。

湯治場として賑わう滑川温泉は、吾妻連峰北麓の山形県側に位置する山中の秘湯だ。夏場は車でも行けるが11月過ぎには冬支度のため休業となり、それと同時に林道も車輌通行止となる。だが、常駐の管理人がいる滑川温泉福島屋旅館は、冬期休業中となっても辿り着ければお風呂に入る事ができる。(素泊まりも可)

そんな滑川温泉福島屋は、既に今期の営業を終了しており、林道も車輌通行止となっている。まだ積雪は無くても1時間ほど歩かないと行けない事情もあって、連休中でもお客さんは皆無だろう。

よし、入浴装備(手拭い)を忘れずに出発だ。
おっと、滑川大滝見物も忘れちゃあいけない。




名物『峠の力餅』を入手。


友人Kと合流して、まずは峠駅近くの峠の茶屋で『峠の力餅』を入手しておく。峠駅を起点とする山行では、峠駅名物となっている車窓販売の『峠の力餅』を欠かす事はできない。

滑川大滝見物→峠の力餅を頬張る→滑川温泉へ。

完全無欠の滑川スケジュールだ。

【峠の力餅情報】
峠駅で車窓販売されている『峠の力餅』は、峠駅近くの『峠の茶屋』で製造されており、ココでしか買えません。お土産屋や他の駅で販売している同一パッケージのモノは、のれん分けした別物だそうです。


滑川温泉へ通ずる林道は事前リサーチ通り車輌通行止となっていた。ここからは自らの足で歩かなければならない。自力で辿り着いた山頂と同じように、自力で辿り着く温泉も、喜び数割増しに違いない。

晩秋の寂しげな林道を歩くこと1時間で滑川温泉福島屋旅館に到着した。お風呂に入れる事を確認してから、滑川大滝へと向かう。

日本の滝百選のひとつである滑川大滝は、落差80m、幅40mの名瀑。その規模は東北最大級だ。滑川温泉から20分ほど登った尾根上には展望台があり、更に大滝沢まで降りて遡行すると滝壺まで行く事もできる。降雪もあって寒々しいだろうが、無理せずに行けるところまで行ってみよう。

展望台から見る滑川大滝。


到着した展望台からは、葉脈のように広がって流れ落ちる滑川大滝が見下ろせる。新緑や紅葉など彩り豊かな要素が無くても、その景色は一見の価値アリで、右上部には細い白線のような布滝も見えている。遠目でもここまで楽しませてくれる滝はそうそうない。日本の滝百選の名は伊達ではない。

更に近くで見るために大滝沢へと下る。

大滝沢まで下ると、一枚岩の上を水が滑るように流れる『滑床(なめどこ)』と呼ばれる状態となっていた。夏場なら濡れる事などお構い無しで沢へと突入するところだが、流石にこの時期では遠慮したい。足を水没させないように、慎重にヌルヌルと滑りやすい岩場をへつって(水際の岩場伝いに進む事)ゆく。

積雪のある岩場を過ぎると目の前に滑川大滝が現れた。展望台からの景色にはなかった近距離ならではの迫力と、マイナスイオンが半端なく放出されているこの空間に身を置けば、「おーっ」「ほーっ」と感嘆の声を洩らすしかない。

大滝沢は一枚岩の上を水が滑るように流れる『滑床(なめどこ)』となっています。


積雪のため滑りやすいので要注意。


どうですか、この滑川大滝。

滑川大滝を見上げながら『峠の力餅』を頂きます。


この素晴らしくも寒々しい状況下で『峠の力餅』を取り出す。

水しぶきを避けられる岩陰に腰掛け、滑川大滝を見上げながら力餅をパクリ。
程よい冷たさが絶妙にウマイ。
友人Kが用意した熱々の緑茶との組み合わせも絶妙だ。やはり、このエリアにおいて『峠の力餅』は欠かせない。

力餅効果で寒さも吹き飛んだところで、上下レインウェアに防水手袋を装備してフードをすっぽりと被る。ここまで来たら滝に打たれずにはいられないのだ。

何故そんな事を?

理由など無い。
そこはかとなく沸き上がる欲求に従うまでだ。

沸き上がる欲求に従って滝にイン。


飛び石伝いに対岸へと渡って滑川大滝の真下に進入。一枚岩をなめるように流れ落ちる滝とは言え、落差80mの直下に潜り込むとそれなりの量の水が頭を叩く。好奇心のみで滝行としての修行要素は丸でナシだが、この間だけは寒さも忘れて童心に返った。

さーて、身体を冷やしたところで本日のクライマックスとなる温泉だ。冷えた身体を温めるためにも足早に滑川温泉へと戻る。

既に冬期休業に入っている滑川温泉福島屋旅館は、こちらの思惑通りお客さんはひとりもいなかった。常駐管理人に入浴料500円を渡すと、内外問わず自由に入浴OKとの了承を得られた。しめしめだ。早速、貸し切り状態の露天風呂へ。

掛け湯をしてザブンと浸かる。

貸し切り露天風呂へ。


はぁ~~~。
溜め息とともに魂が抜ける。

山行後の温泉。しかも、静かな山中の貸し切り露天風呂。
そりゃあ幽体離脱もしてしまう訳だ。

露天風呂の湯加減は、それほど冷え込んでいないせいか湯冷めしない十分な温度だ。落ち葉が沈み、湯の花が漂う露天風呂に浸かりながら、終わりゆく秋の景色を眺めて今回の完全なる滑川スケジュールは終了した。

まだ1時間の林道歩きが残っていても、もう大満足だ。もう泊まっていこうかな。(※ちゃんと帰りました)




下山後は友人Kのお宅にお邪魔しておもてなしを受ける。外食には無い、もてなされている感じが嬉しい。

食後は近所にある上杉神社を散歩。ライトアップされた夜の上杉神社は、日中の雰囲気とは違う幽玄の世界。夜の冷気も心地好いばかりだ。

山形出身の私だが、改めて米沢の好感度アップアップ。

上杉謙信、上杉鷹山を御祭神とする上杉神社。


上杉軍の軍旗である毘沙門天を表す『毘』。不動明王を表す『龍』も対となってあります。


上杉謙信公の銅像。

漫画的山行記録

今日は友人K、ヨメの三人で滑川大滝を眺めて滑川温泉に入りに行きます。

まずは峠駅からすぐの峠の茶屋で『峠の力餅』を入手しておきます。

相変わらずカッコイイ峠駅にも寄り道。

ここからは冬季車両通行止めのため歩きになります。

晩秋の寂しげな林道を歩くこと1時間。

冬期休業中の滑川温泉福島屋旅館に到着です。

滑川温泉福島屋旅館は冬期休業中でも管理人が常駐しているためお風呂に入る事ができます。

その前に滑川大滝へ。

滑川大滝は吾妻連峰の山形県側です。

まずは稜線まで登ります。

稜線に到着。そこは同時に大滝展望台にもなっています。展望台からの眺めは・・・

日本の滝百選の一つである滑川大滝が一望!

右上には布滝も見えます。

展望台から滑川大滝の滝壺に行くため、大滝沢まで下ります。

食える?

座れる?

大滝沢まで下りました。

滑川大滝へと遡行します。

寒々しい谷間をゆきます。

非常に滑りやすい状態なので沢に落ちないように。

滑川大滝に到着です。どうですか、この景色。

落差80m、幅40mの滑川大滝を真下から見上げると圧巻です。

別の時期も美しい空間となりそうです。

そして取り出したるは峠の力餅。

笹の葉を器がわりに緑茶と合わせて頂きます。

力餅の後は、己の欲求に従って滝にイン。

滝に打たれて身体を冷やしたところで滑川温泉へ戻ります。

戻ってまいりました滑川温泉。

冬期休業中でお客さんは一人もいませんがお風呂に入れます。

ランプに照らされた板張りの廊下が雰囲気あります。

こちらは混浴の内湯。

こちらは女性専用。(ヨメが撮影)

この時期はぬるくなっていますが露天の岩風呂へ。

簡易の脱衣所もあります。

山行と温泉の組み合わせは最高です。

このまま滑川温泉福島屋旅館に泊まってしまいたいところですが帰ります。

1時間かけて戻ってきました。

夜はライトアップされた上杉神社(米沢市)を散歩。

上杉軍の軍旗である毘沙門天を表す『毘』。不動明王を表す『龍』も対となってあります。

上杉謙信公の銅像です。

滝に餅に貸切状態の温泉。
イイ山行でした。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

滑川大滝(なめがわおおたき)
標高860m付近
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

駐車場(林道入口)[着] 10:40 - [発] 10:40
 ↓ 60分 林道
滑川温泉[着] 11:40 - [発] 11:40
 ↓ 60分 
滑川大滝(滝壺)[着] 12:40 - [発] 13:15
 ↓ 45分 
滑川温泉[着] 14:00 - [発] 15:15
 ↓ 55分 林道
駐車場(林道入口)[着] 16:10 - [発] 16:10

行動時間:3時間40分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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