2012年10月21日
御坂山地:2日目
三ッ峠:完全無欠の秋晴れ。好展望地から富士を眺める。

3時半起床。
この時期の山中は寒いだろうと思い、暖かめの格好で寝たのが良かったのかすっかり熟睡できた。

若干、霜が降りているテントから出て、外のベンチに寝転がりオリオン座流星群を眺める。

雲ひとつない星空。
尾を引くほどの流星は見れなかったものの、寒いながらに星空は満喫できたか。

夜明け前のうっすら富士山。


夜空にうっすらと富士山のシルエットが浮かび、その下方には深夜帯で控え目な河口湖町の夜景がチラチラと見える何ともステキな景色。
この雰囲気を手持ちのコンパクトデジタルカメラで再現できないのが残念。

幕営した広場は指定のテン場ではない事もあり、日が昇る前に早々とテントを撤収して、開運山(三ッ峠山)から御来光を拝むべく山頂へと向かう。

山頂には朝焼けに染まる富士山をカメラに収めようと、既に何人かの写真愛好家の方達がスタンバイしていた。
光の具合がどうたらこうたらと場所を移動したり、何かの器具を調整したりと、意外に忙しそうだ。

皆さん富士山を専門に撮影しているらしく、それぞれ好みがあるらしい。
近くより遠方からの富士山が好きだとか、完全な好天よりあの位置に霧がかかってほしい、等色々。
カメラの世界は奥が深いと聞いてはいたが、富士山ひとつとってもその深さに変わりはないようだ。

奥深さもさることながら、その機材の重量も凄い。

機材だけで15kgオーバーは当たり前で、これからの季節は防寒具もプラスされるのだからその重量を背負う過酷さを容易に想像できてしまう。
それでも会心の一枚を撮るために、機材一式を背負い登ってくるのだから好きでなければ出来る事ではない。

そんな話を聞いている内に丹沢方面から日が昇る。

写真愛好家の方達はそれぞれシャッターに余念がない。
とは言ってもメインカメラは富士山方面にセッティングしているため、皆さんサブカメラのコンデジで軽い撮影。

日が昇るにつれ、朝焼けで富士山が染まってきた。
写真愛好家の方達はメインカメラの前で本気モード全開だ。

丹沢方面から日が昇ります。


朝焼けの富士山。


三ッ峠山は噂通りの好展望地でした。

頻繁に富士山を拝める環境にない私としては、これほどの好天下で富士山を眺められるなんて嬉しい限り。
雲ひとつないし、冠雪具合もまるで絵にかいたような状態の富士山だ。

360度の景色を楽しめる三ッ峠山は噂通りの好展望地で、代表格の富士山をはじめ、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父から奥多摩方面などぐるりと展望を楽しめる。

こんな展望の山頂で山座同定を楽しみ、朝焼けが収まる頃に下山することにする。
その前にせっかくなので三ッ峠のもうひとつの山である御巣鷹山にも行ってみよう。
※『三ッ峠』は木無山、開運山(三ッ峠山)、御巣鷹山の総称です。

往復30分もかからない距離にある御巣鷹山には、テレビやラジオの中継局となるアンテナが見える。
実際に行ってみると山頂には標識も何もなく、ただ巨大なアンテナが建っている。

うーん、何だか味気ない。
まぁ、昨日から一通り三ッ峠を周った事だしヨシとしよう。

理由もなくクライマーって「すげぇ」。


三ッ峠駅への下山ルートは、ロッククライミングができる岩壁『屏風岩』の真下を通る事になるので、下山ついでにクライミングゲレンデの見学もできそうだ。
すっかり日も登り、屏風岩に取り付くクライマーたちが準備を整え動き出している。

自分にとっては未知の世界だからか、ザイルを担いでいるクライマーを見ると理由もなく「すげぇ」と思ってしまう。
実際に岩壁に取り付いているクライマーを間近に見るとやはり「すげぇ」と思ってしまう。

ロッククライミングは機会があれば挑戦したい事のひとつで、いずれこの「すげぇ」を身を持って体験してみたいモノだ。
今のところは装備を揃えられる財力がないので、写真に収めて羨望の眼差しで眺めるだけに留めておく。(そして無断掲載)


下山ルートには屏風岩から八十八大師や不二石など、見どころが点在しているので楽しみながら下山できる。
チラホラと色付く紅葉の見頃は来週、再来週辺りだろうか。

達磨石まで来れば後は舗装道路。
途中のさくら公園に立ち寄り、結露で湿ったテントを干して、三ッ峠グリーンセンターで汗を流す。

この秋晴れでテントもすっかり乾き、体もガシガシ洗ってサッパリしたところで三ッ峠駅に向かう。
麓の三ッ峠駅付近でも場所によっては富士山を眺める事ができ、その優雅な山容に改めて富士は日本一の山と感じてしまう。

秋晴れの下山道で紅葉も映える。


そして過去の賑わいを感じさせるいい具合に寂れた三ッ峠駅前に到着。
ローカルな雰囲気たっぷりの駅とは打って変わって、木目調の床でリッチな気分になれる富士急線の電車に乗って帰路に就いた。

思い付きスケジュールにしては、オリオン座流星群、富士山の眺望、クライミング見学等、お得感のある山歩きとなった。
これも完全無欠の秋晴れだからこそ。

好天様様だ。

本日の写真

夜明け前の河口湖畔の灯と富士山。

朝焼けが始まる丹沢方面。

富士山のベストショットを狙う写真愛好家たち。

日が昇る。

皆、御来光大好き。

眼下に見える三ッ峠小屋。稜線の広場にはテントがいくつか見えます。

朝日を受ける富士山。

河口湖町を懐に抱く富士山。

完全無欠の好天。

三ッ峠山頂から富士山。

木々の隙間から富士山。

冠雪の富士山。

営業してる?

四季楽園(山小屋)。

見たところ電波塔しかなさそうな御巣鷹山。

やっぱり電波塔しかない御巣鷹山山頂。

御巣鷹山から四季楽園と富士山。

三ッ峠駅へはこちらを下山。

階段で一気に下ります。

クライミングゲレンデの屏風岩。

屏風岩直下を通ります。

おっ、登ってますね。

怖そうだけど楽しそう。

神鈴大権現神社。

秋色の中に安置。

紅葉ピークにはまだ若干はやそう。

八十八大師。手前のお地蔵様はヘルメット着用か。

股のぞき。

股から覗くと富士山が。

達磨石。梵語で大日如来を意味する「アーク」の文字が彫られています。

いい秋色だ。

静かに下っていきます。

さくら公園でテントを干して日光浴。

麓からも見事な富士山が見えます。

三つ峠駅。すっかりご無沙汰していた『ピクニック』を頂きます。

木目調の富士急線電車。ちょっとリッチな感じで山歩き終了。

本日の山行情報

単独行/2日目/テント泊/ハイキング/電車・バス登山

三ッ峠山(みつとうげやま)
標高1785m
別名:開運山(かいうんざん)
詳細(外部リンク)
御巣鷹山(おすたかやま)
標高1775m

本日のスケジュール

広場(幕営地)[着] 05:15 - [発] 05:15
 ↓ 10分 
開運山[着] 05:25 - [発] 06:45
 ↓ 25分 
御巣鷹山[着] 07:10 - [発] 07:15
 ↓ 10分 
四季楽園(山小屋)[着] 07:25 - [発] 07:35
 ↓ 95分 
達磨石[着] 09:10 - [発] 09:10
 ↓ 25分 舗装道路
さくら公園[着] 09:35 - [発] 10:40
 ↓ 5分 舗装道路
三ッ峠グリーンセンター[着] 10:45 - [発] 11:20
 ↓ 15分 舗装道路
三ッ峠駅[着] 11:35 - [発] 11:35

行動時間:3時間5分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

この山域の関連記事