2012年5月20日
出羽山地:日帰り
月山:誰もいない雪面。zipfyでダウンヒル。

地元山形の友人Kがzipfyというソリにすっかりはまっている。
「山歩きついでにzipfy体験はどうだい?」と言うので、帰郷ついでにzipfyを担いで月山を歩いてきた。

好天の月山。(見えているのは姥ヶ岳)


申し分ない好天。
青空と新緑が広がる月山の麓には、撮影欲が沸くスポットがいくつも出現する。カメラを担ぎ、ナイスビューを求めてさまよう写真好きオヤジたちもあちこちに出没。

こんな写真好きオヤジたちも興奮する景色を堪能しながら、スキーヤー、ボーダーで賑わっている姥沢に到着した。
駐車場のある姥沢からは姥ヶ岳の雪面が一望でき、これから登ると思うとワクワクするような眺めだ。

zipfyをザックにくくりつけ、準備完了。

スキー、スノーボード、スノートレッキング、バックカントリー。
様々な目的で訪れているお客さんの中、zipfyを担ぐ男二人組はまずいない。

そもそも担いでいるものが何なのかもわかるまい。

zipfy(ジプフィ)とは持ち手のついたソリで、最も簡単、安全なダウンヒルスポーツ。
ネットで検索しても山形のアウトドアショップ「DECEMBER」しか出てこないマイナーさがいい。

月山ペアリフトの長蛇の列。月山スキー場、大人気です。


そんなzipfyを背負って颯爽と月山リフト乗り場に到着。
リフトを利用する予定だったが、リフト待ちの行列の長さに辟易する。

並んで待つくらいなら登っちゃおうぜ。
我々zipfyライダーは「山歩き」も目的のひとつなので、アイゼンを装着し、リフト脇の斜面を登って行くことにした。

強烈な日差しが照りつける雪面を登り始めるとすぐに汗が噴き出てくる。
「アイゼンよりスノーシューの方が良かったか」と少々後悔しながら、リフト降り口にある姥ヶ岳休憩所に向かってザクザクと登って行く。


何とか姥ヶ岳休憩所まで登って来たが思いのほか堪えた。
そして猛烈に腹が減った。

すっかり消耗したカロリーを補うべく、姥ヶ岳休憩所で山形名物玉コンを購入。
カラシをバッチリ利かせた山形の玉コンはさすがにウマい!と満足顔で頬張っていると、通りすがりのスキーヤーから「玉コンってカロリーゼロだよね」などという情報を耳にした。

カロリーを摂りたかったのにカロリーゼロの玉コン食べるオレって・・・。
さくら友蔵顔負けの放心状態を振り切り、スルメ出汁に含まれているだろう僅かなカロリーを期待して姥ヶ岳を登り始める。

一般的なスキーヤー、ボーダーはリフトのある姥ヶ岳休憩所まで。
ここからは一気に人の気配が少なくなる。(一部、仮設式のロープ塔有り)

青空と雪面以外には何もない景色。
こんなところを登る登山者は実に絵になる。

友人Kと写真を撮り合いながら登って行くと、途中に小さなクラック(雪の斜面にできる割れ目)がいくつも走っている。
クラックは雪崩を引き起こす前兆と聞いていることもあり、「大丈夫なものかね?」と、またぐ度にヒヤリとしながら山頂を目指す。

カロリーゼロでも美味い山形の玉コン。


雪面をひたすら登ります。


空が青いから尚のこと絵になる。

難なく辿り着いた姥ヶ岳山頂からは、勇壮に広がる朝日連峰を一望、湯殿山へと続く残雪ある尾根も良く映える。
そして遠くには鳥海山がぽっかりと浮かんでいる。

やはり好天下の山歩きはイイ。

テンション高くバチバチとシャッターを押していると、団体さんから集合写真のシャッターをお願いされる。
好天下の大パノラマにただでさえテンションが上がっていると言うのに、更に大好きな他人のシャッターを押せるなんて。
興奮を押し隠しながらシャッターを押してあげる。(変態)

姥ヶ岳から月山までは稜線伝いに夏道がある。
しかし、まだまだ雪が残っていることもあり、中腹までzipfyで下り、雪渓を詰めていく残雪期ならではのルートを行くことにした。

友人Kから1分にも満たない簡単な説明を受け、zipfyで初滑降。

うほっ!簡単!そして予想以上に面白い!

雪しぶきを顔面に受けながら中腹まで一気に滑り下りる。
これは下山時の滑降も楽しみになる爽快さだ。

山頂へ向かって雪渓を詰めていきます。


そのまま爽快に下山したい気持ちを抑えつつ、月山山頂へ向かって雪渓を詰めていく。
雪渓の詰めに荷物をデポ(残置)し、最後の登り。
いよいよ月山歩きも大詰めだ。

丁度、山頂から下りてきた登山者情報によると山頂には誰もおらず独占状態とのこと。
その情報通り、誰もいない山頂、月山神社に到着した。


月山神社は夜、死後、魂の再生を司る月読命(つくよみのみこと)を御祭神とする今でも修験者が絶えない出羽三山神社のひとつ。
ここまで登らなくても姥ヶ岳休憩所にある分社で参拝可能なお気軽サービスも見逃せない。

帰宅後に知ったことなのだが、月山神社本宮内は神域となるため、お祓い(500円)を受け、身を清めてから参拝するのがしきたりらしい。
そして境内は撮影禁止とのこと。

誰もいなかったとはいえバチバチ写真を撮ってしまいました。
スイマセン。

参拝を済ませ、東側に広がる月見ヶ原を眺めながら荷物をデポしたところまで戻る。
さて、ここからがお楽しみだ。

通常の下山ではこれまでの疲労もあり、酷な状態になることが多々あったものだが、これほどワクワクする下山は残雪期のバックカントリーならでは。
zipfyにまたがり、誰もいない広大な雪面を滑り下りる。

最も簡単、安全なダウンヒルスポーツ「zipfy(ジプフィ)」。


年甲斐なく奇声も飛び出すこの爽快さ。
リフトは既に終了しており、月山スキー場も貸切状態だ。

好天に恵まれ、下山も満喫。
ありがとう、月山とzipfy。(友人Kは?)

本日の写真

姥沢駐車場からスタート。

スキー板やボードを持って行ってくれるらしい。(人間は不可)

姥沢小屋。

月山リフトに長蛇の列が!

月山ペアリフトで情報収集。

リフト脇の斜面を登ります。

日焼け対策忘れずに。

クレバス(氷河にできた割れ目、日本では雪渓上の亀裂にも使われる)が見えます。滑降注意。

水ウマーーーイ!!

姥ヶ岳休憩所。

山形名物玉コン。からしの利きすぎ注意。

登るぞ、姥ヶ岳。

雪尾根を登ってる感じがいい。

所々にクラック(雪面の亀裂)あり。

クラックにハマらないように。

月山神社は積雪がなさそうだ。

カメムシに迫る危機!

他人のシャッター大好き。(←変態)

姥ヶ岳山頂。

北に鳥海山が浮かぶ。

雨告山(あまもりやま)へと続く稜線。奥には庄内平野。

朝日連峰独り占め。

三角点、か?。

朝日連峰をバックに記念撮影。

この急斜面、行けるか?

下りはzipfy!

濡れ煎餅の塩気で水分が抜けるーっ!

雪渓を詰めていきます。

ウィンドウズ壁紙(冬)。

トレース跡がくっきり。

急傾斜っぽく撮影。

湯殿山方面の尾根。

ここから雪が切れるので、夏道を登ります。

雪解け水で顔を洗ってゴクリと飲む。今のところ腹具合OK。

急傾斜っぽく撮影。

気分最高。

蝶もクールダウン(違)。

雪囲いがまだ解けない鍛冶稲荷神社。

「雲の峰いくつ崩れて月の山 桃青(芭蕉)」と読めず立ちつくす大人二人。

葉山方面。

月山頂上小屋。休業中。

立派なトイレは開放中。

月読神を祀っている月山神社本宮。

冬囲いでがんじがらめ。

小さな鳥居(?)を乗り越えず潜ります。

ぎんのつるぎをてにいれた。

何かが安置されていたような溝。

霞んでいるが庄内平野に鳥海山。

東に広がる雪面「月見ヶ原」。地形図ではその先はガケ。

童心に返って「目」。

こいつはヤバイぜ。

もう、駆け下りちゃう。

タッ、

タッ、

タッ、

タッ、

タッ、

ゴフッ!

たおやかな雪面。

とぉっ!

日本海がオレンジ色に染まり出した。(写真では不鮮明)

雄大な景色を眺めながら下山。

zipfyで滑降中。

zipfy目線。

間違った谷に下りると悲惨な目にあうので注意。

誰もいない雪面。

誰もいない雪面を滑降中。独り占めもいいとこ。

zipfy、こいつは楽しめるぞ。

ダイヤモンド姥ヶ岳。

暮れかけの日差しを浴びて雪面を歩く男一人。

無事、姥沢に到着。

本日の山行情報

複数人山行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

姥ヶ岳(うばがたけ)
標高1670m
月山(がっさん)
標高1984m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

姥沢駐車場[着] 10:15 - [発] 10:15
 ↓ 15分 
月山リフト[着] 10:30 - [発] 10:45
 ↓ 65分 
姥ヶ岳休憩所[着] 11:50 - [発] 12:10
 ↓ 35分 
姥ヶ岳[着] 12:45 - [発] 13:05
 ↓ 155分 
月山(月山神社本宮)[着] 15:40 - [発] 15:45
 ↓ 20分 
雪渓の詰め[着] 16:05 - [発] 16:15
 ↓ 60分 
姥沢駐車場[着] 17:15 - [発] 17:15

行動時間:5時間50分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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