2013年8月25日
出羽山地:2日目
鳥海山:雨風に耐えろ!全ては岩ガキのために。

2時30起床。
唐獅子平避難小屋に完備された布団/マットで作られた快適な寝床のお陰で、真っ暗な早朝でもすこぶる目覚めがいい。

月山に掛かる厚い雲の隙間からかろうじて朝焼けが見える。


本日は訳あって10時までには下山したい。
お世話になった唐獅子平避難小屋を掃除して暗いうちから出発した。

本日の天気はあまり期待できない。
景色が眺められればもうけもの程度に考えて、まずは外輪目指して百宅口コースを登る。

昨日にツルツルと難儀した雪渓を渡り、少々道をロストしながらも確実に標高を上げていく。
背後では月山に掛かる厚い雲の隙間から、かろうじて朝焼けが始まっているのが見える。しかし、これから向かう外輪方面は雲が掛かって真っ白。
稜線となる外輪では雨風が吹き荒れてそうな雰囲気だ。

案の定、到着した外輪は大荒れ。
時折、歩けないほどの強風が吹き付けてくる。

行者岳、伏拝岳、文殊岳の稜線歩きとなる外輪を無事に抜けられるか少し心配になりながらも、10時下山を目標に歩みを進める。

稜線上でも岩陰になるとピタリと風は止み、岩場の無い個所に出ると猛烈な雨風が吹き付ける。
外輪が細尾根でないのが唯一の救いだ。

猛烈な雨風に耐え忍びながら進んでいます。


行者岳付近で、いよいよ風が強くなり、とても歩ける状態ではなくなった。
ここは焦らずに雨風を凌げる岩場に腰かけて、風が収まるのを待つ。

物凄い風が千蛇谷から吹き上げ、雨粒が稜線上で渦巻いている。
真っ白で先は何も見えず、見えるのは稜線上でぶつかり合う強風の流れだけ。

こういう時は焦らずにじっと我慢。
一旦戻って千蛇谷に降りようかとも思ったが、もう既に日は登っている。じきに雲も上がっていく筈。

ここは我慢だ。

しばらく待っていると風が和らいできた。
ここぞとばかりに先に進む。

こんな歩みを繰り返しながら確実に標高を下げてゆくと、それにあわせて風も弱まってきた。
七五三掛の分岐点にたどり着き、無事に稜線から下りてホッと一安心。

滑らないように注意の雨の愛宕坂。


こんな天候でもこれから外輪経由で山頂を目指す登山者は意外と多く、皆さん口を揃えてすれ違い様に「山頂(の天気)はどうでしたか?」と訪ねてくる。
ガッカリさせたくはないのだが、聞かれる度に「雨風が強烈でした」と言わざるを得ないのが残念。当然、皆さんガッカリな表情。

こればかりはしょうがない。

とは言え、あの視覚的に見える強風はなかなかの見応えだった。
これはこれでいい体験ができたと思えばいい。
外輪からの景色を全く見る事ができなかったが・・・。(やっぱりガッカリしている)

稜線上の暴風域から逃れ、小雨に打たれながら御浜小屋に到着。
ここまで来れば後は快適山道。濡れた石に足をすくわれないように注意しながら下るだけだ。

大平登山口に到着。10時前、ヨシっ!


御浜小屋で小休止後、愛宕坂の石畳を下っていると空が薄ら明るくなってきた。
昨日と同様に、日が高くなれば雲も上がって青空も覗かせるだろう。
先程はこれから山頂へ向かう登山者を次々とガッカリさせてしまったが、この分なら午後から良い景色が広がるに違いない。

すでに下山の途に就いている私たちは、10時下山を目標に黙々と歩くのみ。昨日の青と緑のコントラストが爽やかな景色から打って変わって、ガスで一面真っ白なこの状況では、歩く以外に何もしようがない。
しかし悲壮感はまるでなく、むしろ下山後のご褒美に向けて登山口に近づく程にウキウキしている。

河原宿の分岐からは、雨風を耐え忍んだ時間を取り戻すべくペースアップ。
滑って転ぶ事なく目標の10時前には大平登山口に到着した。

大平山荘のお風呂(420円)に入ってサッパリした後は、いよいよ無事な下山のご褒美。
いざ、アル・ケッチャーノへ。

今が旬の『岩ガキ 鳥海モロヘイヤのケッカソース』。ぜ、絶品!


鳥海山へ行くにあたり、下山後は人気のイタリアンレストラン『アル・ケッチャーノ』で食事をしたいと熱望していたヨメ。
ヨメにとっては鳥海山よりもこちらの方がメインの感じすらしていた。

食に疎い私はそのレストランについてあまり詳しくは知らないが、注文した今が旬の『岩ガキ 鳥海モロヘイヤのケッカソース』は・・・ぜ、絶品!

鳥海の稜線上で強烈な雨風に耐え忍び、そのご褒美に旬真っ盛りの岩ガキを頂く。
くぅ~っ、最高ッ!

※雨風に耐えずとも予約すれば食べられます。

本日の写真

快適でした、唐獅子平避難小屋。

真っ暗な霧ヶ平。

うっすら朝焼け。

夜は明けたか。

外輪に到着。雨風が強い・・・。

景色の見えない岩稜歩き。過酷。

時々、歩けないほどの強風が吹き付ける。

どうやら行者岳らしい。

おや、だれか居ます?

薊坂への分岐。

文殊岳。展望がなければ山頂も何もない。

だいぶ風は収まったが雨が止まない。

昨日の夏山の景色から一転、寒々しい景色に。

扇子森。ここから鳥海湖を眺めたかった。

御田ヶ原。

御浜小屋。

鳥ノ海御浜神社。

愛宕坂への分岐。一気に下山しよう。

少々滑るが歩きやすい。

午後から晴れ間が出そうな雰囲気。

明るくなってきたー。

無事に下山。駐車場までもう一歩き。

太平山荘でお風呂に入れます。(420円)

本日の山行情報

複数人山行/2日目/避難小屋泊/ハイキング/マイカー登山

鳥海山(ちょうかいさん)
標高2236m
出羽富士/秋田富士とも呼ばれています。
詳細(外部リンク)
行者岳(ぎょうじゃだけ)
標高2159m
伏拝岳(ふしおがみだけ)
標高2130m
文珠岳(もんじゅだけ)
標高2005m
扇子森(せんすもり)
標高1759m

本日のスケジュール

唐獅子平避難小屋[着] 03:15 - [発] 03:15
 ↓ 135分 百宅口コース
百宅口分岐(外輪)[着] 05:30 - [発] 05:30
 ↓ 20分 外輪
行者岳[着] 05:50 - [発] 05:50
 ↓ 20分 外輪
伏拝岳[着] 06:10 - [発] 06:10
 ↓ 20分 外輪
文殊岳[着] 06:30 - [発] 06:30
 ↓ 30分 外輪
七五三掛(分岐)[着] 07:00 - [発] 07:00
 ↓ 30分 
御田ヶ原分岐[着] 07:30 - [発] 07:30
 ↓ 10分 
扇子森[着] 07:40 - [発] 07:40
 ↓ 20分 
御浜小屋[着] 08:00 - [発] 08:25
 ↓ 25分 愛宕坂
河原宿(分岐)[着] 08:50 - [発] 08:50
 ↓ 55分 吹浦口コース(急ぎ足で下山)
大平登山口[着] 09:45 - [発] 09:45
 ↓ 15分 舗装道路
大平駐車場[着] 10:00 - [発] 10:00

行動時間:6時間20分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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