2014年10月25日
足尾山地:1日目
庚申山:ミカンを背負って秋色のお山巡り。

銀山平の紅葉はそろそろ見頃です。


電車で足尾方面へ。
目的は、庚申山~鋸山~皇海山の『三山駆け』と言われる伝統的なルートを歩く。

庚申山の入口となる銀山平は、皇海山の表登山口でもあり、険しい岩峰の連なる鋸尾根を越えてゆくルートは歴史の深い修験道にもなっている。日本百名山にも選ばれている皇海山は、こういった登山ルートの歴史も選定理由のひとつとなっているだろう。

現在では、群馬県側から皇海山のみに登れるルートが開拓され、日帰りや日本百名山を目標とする多くの登山者達に重宝されている。今やこちらの登山道の方がメインとなっている感じすらする。

それについて何も問題はない。ただ、

「皇海山って百名山に選ばれる程の山か?」
「山頂の眺望悪いよね」

との評価ばかりで、良い話を聞いた事がないのは少々寂しい気がする。

これでは皇海山がいたたまれない。ならば自らを以て伝統的ルートからの皇海山を体感してみようではないか。

そんな事で出発だ。
わーい。(※歩きたいだけ)




無人の原向駅。ディーゼルエンジンがうなりをあげています。


本日は、『わたらせ渓谷鉄道』の原向駅をスタート地点として、10キロ先の庚申山荘まで歩くスケジュール。駅からバスなど出ておらず、歩くしかない。せめて途中までタクシーを・・・なんて贅沢なチョイスも無しだ。

原向駅から銀山平まで舗装道路を1時間半。
銀山平から登山口まで林道を1時間半。
登山口から庚申山荘まで1時間半。

電車登山するようなエリアじゃ無いよね、と自問自答を繰り返しながら原向駅を出発した。

雲ひとつ無い好天の舗装道路歩き。

好天でも『舗装道路』はいただけない。今時期だからよいものの、真夏であれば地獄だ。しかし、気持ちよい山歩きが期待できる天気なのは間違いない。

足尾銅山全盛期の名残が端々に見られる舗装道路を淡々と進み、紅葉が美しい銀山平に到着。公園で軽い昼食をとり、次は林道歩き。同じく淡々と林道を進み、登山口となる『一の鳥居』に到着した。

ここからようやく山道となる。

銀山平で昼食。晴天の秋は快適です。


一の鳥居。これより山道です。


秋到来です。

紅葉の時期には少し早かったようで、周囲には青々とした葉が目立つ。それでも一部の木々には赤や黄色の色合いが見られ、秋の到来を感じさせてくれる。

こんな景色も悪くない。
明日の『三山駆け』のためにも本日は体を酷使せず、のんびりと秋はじめの景色を堪能するか。

そんなマッタリ気分で庚申山荘に向かっていると、ふと『お山巡りコース』の存在を思い出した。

可愛らしい名称とは裏腹に上級者向けの『お山巡りコース』分岐点。


庚申山の中腹位まで登り、巨岩沿いを歩くのが『お山巡りコース』だ。その可愛らしい名称とは裏腹に危険箇所も多く、一部クサリ場もある事で上級者向けとされている。

本来なら庚申山荘に荷物を置いて、身軽な装備で散策するのが理想なのだろうが、『お山巡りコース』への分岐点は庚申山荘の少し手前にある。そのちょっとした距離を行って戻るのが面倒臭い私。
時間もあるし、このまま『お山巡りコース』を巡ってから庚申山荘へ行く事にした。

このコース、楽しみどころ満載だった。

圧倒的迫力の巨岩や奇岩怪岩の他、覆い被さるように切り立った巨岩の窪みには、雰囲気ある石碑や『庚申の岩戸』など信仰を感じさせる要素が点在している。そして、ちらほらと秋に色付く木々が、無機質な岩場に彩りを添えてくれるニクイ演出もある。5月頃には特別天然記念物で国内では珍しい食虫植物の『コウシンソウ』も見られるようだ。

ただ手持ちのカメラでは、この岩場の迫力や雰囲気を再現できないのが残念至極。こんな景色を広角レンズの一眼レフカメラで撮ってみたいな。

・・・いや、いろんな意味で止めておけ!
そんな声を聞いた気がしたので止めておきます。(主に重量と費用が・・・)


『めがね岩』をくぐります。


左奥に『庚申の岩戸』があります。


圧倒的な迫力の巨岩がそそり立っています。

お山巡りを堪能して、庚申山山荘へと続く山道に合流した。ここからのルートは明日の早朝にも歩くため、予習を兼ねてチェックしておく。何事も準備万端に越した事はない。

庚申山荘に到着。宿泊2050円。


チェックしながら庚申山荘に到着した。

収容人数60名のところ、本日の宿泊者は10人程。つまり6人分のスペースと布団を使ってゴージャスな寝床を用意できる計算だ。(※ダメです)

ゆったり過ごせるとして、残念なのは管理人不在だった事だ。1年前にお世話になった管理人のMさんに、ミカンの差し入れを持ってきたのだが不在ではしょうがない。結果的にトレーニング用の重りとなってしまったな。

さて、明日は帰りの電車時間の関係上、早朝出発で庚申山~鋸山~皇海山の『三山駆け』ピストン山行。一般的なコースタイムを見る限り、庚申山荘~皇海山の往復だけで約8時間はかかる。更に庚申山荘から最寄り駅までの歩行時間を加算すると・・・。

早く寝よ。

漫画的山行記録

庚申山~鋸山~皇海山の『三山駆け』と言われる伝統的なルートを歩くため足尾方面へ。

相老駅よりわたらせ渓谷鉄道に乗り換えて原向駅へ向かいます。

わたらせ渓谷鉄道の車窓より。

無人の原向駅に到着。

ここから銀山平まで6.2km、庚申山荘まで約10kmほど歩きます。

所々に足尾銅山の名残が見られます。

銀山平手前にある猿田彦神社に参拝。無事な山行になりますように・・・。

銀山平に到着しました。

秋晴れの公園。でも誰もいません。

ひとまず公園で昼食。

昼食後、改めて出発です。

皇海山の表登山口から三山駆けスタート。

登山届を提出。

まずは林道歩き。

(暇を持て余した)天狗の投石。

一の鳥居に到着。ここからが山道です。

これから秋が深まる一方。

紅葉の見頃はもう少し先です。

晴天で爽やかな山道を進みます。

『百』とかカウントされると意識しちゃうので無視。(できる事なら)

悲話の伝わる『鏡岩』を通過。

秋の『夫婦蛙岩』を通過。

仁王門。細身の私は問題なく通過。

ここから『お山巡りコース』に行ってみます。

くっ、結構キツイ登りだ。。

こんなハシゴ(階段?)があります。

ここからは巨岩沿いにトラバース。

ガレた斜面なので足元注意。

何か写っていてもおかしくない雰囲気・・・。

整備されてるので安心感がある吊り橋。

こちらは崩壊して地味に怖い。

クサリも支えている木もご苦労様です。

細い岩場を通ります。

ハシゴを下ります。

衣替え中のアザミ。

良く分かりませんが気になったので撮影。

『めがね岩』をくぐります。

写真では伝わらないですが、現地は凄い迫力です。

巨岩のくぼみを通過。

大きいザックだと通過し辛い石門。這いつくばって通過。

辛うじてダイモンジソウを発見。

『庚申の岩戸』。

またしても何か写っていてもおかしくない雰囲気・・・。

分岐点。ここから庚申山荘へ下ります。

『一の門』。

先っちょだけほんのり夕焼け。

この感じのハシゴ(階段?)を何度か通ります。

『初の門』。ここにきて逆ルートで周った事を知りました。

大迫力の岩場。

庚申山荘に到着しました。

庚申山荘内に神殿があります。本日は閉ざされている様子。

早目に夕御飯を食べて明日に備えます。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

単独行/1日目/小屋泊/ハイキング/電車・バス登山

庚申山(こうしんざん)
標高1892m

本日のスケジュール

原向駅[着] 10:20 - [発] 10:20
 ↓ 80分 舗装道路
銀山平[着] 11:40 - [発] 12:00
 ↓ 55分 林道
一の鳥居[着] 12:55 - [発] 12:55
 ↓ 70分 
分岐点[着] 14:05 - [発] 14:05
 ↓ 130分 お山巡りコース
庚申山荘[着] 16:15 - [発] 16:15

行動時間:5時間35分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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