2014年4月19日
赤城山:日帰り
黒檜山:大沼、小沼、覚満淵。怠けの湖沼巡り。

赤城山は赤城大神の御神体です。


群馬県内の小学校では、運動会などで赤組/白組の紅白対抗にはせず、群馬を代表する上毛三山にかけて『妙義団』『榛名団』『赤城団』の三団対抗にするのが普通らしい。

こんな秘密結社のような『○○団』に所属させられたら、我が組織としての忠誠心が芽生えてしまいそうだ。
群馬県民による運動会では、この『団』による三つ巴の熱い競技が繰り広げられているに違いない。個人的にそうあってほしい。

その中でも、日本百名山で全国的にも知名度の高い『赤城山』を象徴とする赤城団が最大勢力だろう。(想像です)
そんな赤城山を歩いてみよう。

赤城山は、カルデラ湖の大沼(おの)、火口湖の小沼(この)周辺の山々の総称で、最高峰は黒檜山(くろびやま)の標高1827mとなる。
赤城山に行くからには、まずこの黒檜山を押さえておきたい。

登山口のある標高1400m付近までは車で行けるため、比較的短時間でラクに登れそうだ。
時間と気分次第で他の外輪山も歩いてみるか。




中腹から大沼、赤城神社の様子。写真下の方が黒檜山登山口の駐車場です。


黒檜山登山口近くの駐車場に到着。

気温は0度。
大沼表面を覆っている氷はまだ残っており、大きく亀裂の入った白い湖面が寒々しく拡がっている。

そして、上州名物『空っ風』。
時期的には空っ風ではないと思うが、冷たい事に変わりはない。

フードをすっぽりと被って防寒万全に出発だ。


【上州名物『空っ風』】
冬に見られる北西風で、赤城山に雪を降らせ、冷たく乾いた風が麓に吹き付けます。『赤城おろし』とも呼ばれます。


黒檜山登山口からの山道は、最初から露岩の急登です。


黒檜山登山口からの山道は、最初から露岩の急登。
赤城山は何となく観光地的なイメージが強かったため、この荒々しい山道状況は意外だ。

でも嫌いじゃない。
むしろ好物。

一歩一歩踏みしめて登ってゆくと、ガリガリに凍った残雪箇所が目立ってきた。
土が露出している箇所もあるため、アイゼン装着のタイミングが実に悩ましい。

本来ならアイゼンの脱着を適時行うのが理想なのだろう。
しかし、持ってきたのが12本爪アイゼンのため、装着するのは大袈裟な気がして面倒臭い気分が勝ってしまう。

「下山したら脱着簡単な簡易スパイクでも買おう」と思うだけで、やはりアイゼンなしで登りを続行。

これは意外と危ない状態だ。
想像するに残雪期の滑落事故はこうして起こるのだろうな・・・。

※今年に入ってからこの山道で滑落事故が何件かあり、救助のヘリコプターが2回出動しているそうです。

確実な足場を選びながら黒檜山山頂に到着した。

大沼を取り囲むように並ぶ外輪山列を一望できる見晴らしの良い山頂は、さぞかし寒いだろうと予想していたのだが、そんな事は全くなかった。

登りの樹林帯では冷たい風が吹き付け、頬や指先がかじかんだと言うのに、この山頂では穏やかなそよ風。
しかも、心なしか暖かい。

地形の成せる技か、単なる気のせいか。
何にしても赤城山を御神体とする赤城大神に歓迎されたと思う事にして休憩させてもらう。

この時期でもガリガリでツルツルの状態なので注意。


赤城山の最高峰『黒檜山(くろびやま)』に到着。


あちらは火口湖の小沼(この)

赤城山の山名由来となっている伝説も興味深い。

その昔、日光の戦場ヶ原で赤城山と二荒山(現在の日光男体山)の神が、それぞれ大蛇と大ムカデに姿を変えて戦った伝説がある。
この戦で負傷し敗れた赤城山の神は、麓の温泉(現在の老神温泉)に落ち延びて傷を癒す。
その際、お湯が『赤き血』に染まったのが『赤城山』と呼ばれる所以となっている。(※諸説あります)

実に面白い話だ。
しかし、温泉や大衆浴場では湯を汚さないため、体を洗う、または汗を流してから入浴するのがマナーと心得ている。
そんな大衆浴場好きの私としては、「せめて、かけ湯してから入浴しようよ」と、思わずにいられない。

大タルミの鞍部から振り返って黒檜山。


恐れ多くも神様の入浴マナーを気にしながら小休止した後、駒ヶ岳を経由して大洞方面へと下山を開始。

黒檜山へは大洞駐車場に車を停めて駒ヶ岳登山口から入山するのが一般的だったようで、大洞方面からやって来る多くの登山者たちとすれ違った。
中にはスニーカーを履いた観光スタイルの若者もいたが、こちらの山道は整備されているので大丈夫なようだ。
(※黒檜山登山口方面へ下山する場合は怪我する可能性大)

難なく大沼の畔まで下山し、次の山へ向かう前にお土産屋で地元の特産物を物色。
さすがに『かかあ天下』と名高い群馬県らしく、お土産屋のおばちゃんの押しが強くて、ついつい色々と買ってしまう。

【上州名物『かかあ天下』】
家庭内の実権を握っている強い妻を指す言葉。
本来は「働き者で天下一」の意味だそうです。(フォローっぽい)


日本的な朱色が映える赤城神社。


買い物後は、日本的な朱色が鮮やかな赤城神社に参拝して、完全に観光気分に浸る。

こうなると、次なる山へと歩行欲を掻き立てるのは至難の技。
尚且つ、舗装道路が充実しているため『いつでも帰れる』気になってしまい、長七郎山、地蔵岳、鈴ヶ岳と、歩いてみたい外輪山があっても、歩行欲を維持するのは極めて困難だ。

一旦、駐車場へと戻り、『小尾瀬』の異名を持つ湿地帯の『覚満淵』へ車で移動。
ポカポカ陽気の中、覚満淵周りに敷設された木道をマッタリと散策すれば、この後どうなるかは容易に予想がつく。

小沼へ車で移動。

長七郎山には登らず、まだ残雪の残る小沼を周回するだけで終了。
鈴ヶ岳登山口まで車で移動して、「なるほど、ここから登るのか」と思うだけで終了。

まあ、こんなモノですよ。

正直、舗装道路がこれ程までに大きな障害になろうとは思いもしなかった。
私にとって、舗装道路が充実したこの赤城山エリアを歩き尽くすには並々ならぬ決意が必要となりそうだ。

今度は大沼の畔にあるキャンプ場を利用して、じっくりと赤城山を歩くとするか。




【写真集:大沼/赤城神社】

出番はまだです。


赤城神社の向こうには薬師岳、陣笠山の外輪山。


赤城神社の赤橋の向こうに長七郎山。

写真集:覚満淵】

30分程で周回できます。(※現在、雪に埋もれている箇所あり)


『小尾瀬』の異名を持つ湿地帯です。


物欲しそうに近寄ってくるカモ。(※野生動物への餌付けは厳禁です)

写真集:小沼】

北側から小沼。


周回できる遊歩道は雪に埋もれています。


南側から小沼。

漫画的山行記録

赤城山の最高峰である黒檜山(くろびやま)を登ります。

黒檜山登山口の駐車場に停めて出発です。

登り始めから露岩の急登です。

ヒーローの如き出で立ち。

地蔵岳をバックに大沼の様子です。

赤城神社へズーム。

山道が荒々しくなってきました。

猫岩。大沼の畔から見ると猫に見えるらしい。

ガリガリに固まった残雪が目立ってきました。

ガリガリのためアイゼン装着推奨。

そろそろ山頂の気配がしてきました。

黒檜山山頂に到着。

山頂から地蔵岳への眺め。

御黒檜大神の石碑。赤城大神とは別?

あちらは小沼。

駒ヶ岳への山道は所々整備されています。

まだ残雪のある稜線をゆきます。

振り返ると黒檜山の勇壮な姿。

こちらは駒ヶ岳へ続く稜線です。

駒ヶ岳に到着。

大沼の向かいには特長ある山容の鈴ヶ岳。

メインルートのこちらは階段が整備されていて歩きやすい。

多くの登山者の助けになってテカテカ。

大沼の畔へまっしぐら。

ひとまず下山しました。

カリカリまんじゅう。登山後のあんこ系はウマイ。

寂しげスワン。出番はまだ先です。

大沼に浮かぶ赤城神社。行ってみよう。

橋を渡って赤城神社へ。

日本的な朱色が鮮やかな赤城神社。

おやおや、お子さん踏んでますよ。

黒檜山をバックに誇らしげです。

神社に自動ドアだと?!

大沼越しに長七郎山。

『小尾瀬』の異名を持つ湿地帯の『覚満淵』へ。

さざ波立つ湿地帯。

時期によってはニッコウキスゲなどの植物も見られるそうです。

まだ名物感は薄い『しるチョコ』。おしるこ+チョコです。

モノ欲しそうに寄ってくるカモ。(※野生動物への餌付けは厳禁です)

小沼の畔も散策してみます。

北側から小沼。

石畳の遊歩道があります。

ですが、今時期の周回路はほとんど雪の中。

南側から小沼。

小沼明神を祀る祠です。

他の山にも登る予定でしたが、すっかり観光気分になったので本日はココまで。

麓の道の駅から赤城山をバックに赤城サイ・・・ん?浅間サイダー?!

帰りは前橋のそば処『石墨』で天ざるを頂きます。

赤城山はまた改めて登りに来てみよう。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/日帰り/ハイキング/マイカー登山

黒檜山(くろびさん)
標高1828m
駒ヶ岳(こまがたけ)
標高1685m

本日のスケジュール

黒檜山登山口[着] 07:45 - [発] 07:45
 ↓ 75分 
黒檜山[着] 09:00 - [発] 09:20
 ↓ 45分 
駒ヶ岳[着] 10:05 - [発] 10:05
 ↓ 60分 
大洞駐車場[着] 11:05 - [発] 11:45
 ↓ 20分 舗装道路
赤城神社[着] 12:05 - [発] 12:05
 ↓ 5分 舗装道路
黒檜山登山口[着] 12:10 - [発] 12:10

行動時間:3時間25分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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