2014年5月17日
赤城山:1日目
鍋割山:関東平野を眺めるならココで決まり。

夏、テント泊が快適なシーズン到来です。


テント泊で赤城山へ。

外輪山/側火山など周辺の山々の総称である赤城山の最高峰『黒檜山(くろびやま)』へは1ヶ月程前に登ったので、今回はそれ以外の山をテント泊で歩いてみる。

拠点とするテン場は、大沼湖畔にある県営赤城山キャンプ場。
なんと無料。

アクセスよし、ロケーションよし、炊事場/トイレ完備で設備よし。
でも無料。

群馬県さん、太っ腹。
ありがたく利用させていただきます。




登山口まで舗装道路歩き。電車/バス登山者の宿命。


始発の電車で出発。

前橋駅からはバスに乗り継いで赤城山へ向かう。

赤城山は百名山に選定されている事もあって、バスは混み合うだろうと思っていたが登山客は小数。
ましてやテント泊装備の登山者など皆無だ。

そのせいか、女子高生に「あっ、登山だ、登山がいる!」と、斬新な略し方で珍しがられる。

前橋駅から標高1360mに位置する赤城山ビジターセンターまで直通バスが出ているのだが、私は麓の『国立赤城青少年交流の家』行きのバスに乗り、鍋割山、荒山を越えてキャンプ地を目指す事にする。
まあ、自分で言うのもナンだが、珍しがられても致し方ないモノ好きスケジュールだ。

『国立赤城青少年交流の家』で下車して歩きスタート。
まずは、鍋割山登山口まで舗装道路を30分程歩く。

この辺りはすっかり夏の空気感。
もわっとした空気に包まれるが、夏好きの私にとってはまだまだ問題ないレベルだ。

鍋割山登山口から山道に入ると空気が爽やかになる。
急な岩場にもペースを乱さず、マイペース歩きで着実に目的地へ向かう。

少し登ると視界が開けた。

登山口から少し登っただけでこの眺望。


目の前には関東平野が広がり、その奥には奥多摩、奥秩父の山が連なっている。
さらに奥には富士山や八ヶ岳も頭を出す、申し分ない景色だ。

山道脇には山ツツジも見られ、開花のタイミングに合わせて地元の方も訪れている。
すれ違い様に話をすると、赤城山が地元に愛されているのがよくわかる話し振りだった。

鍋割山の途中には急峻な岩場がある。

テント泊装備の荷物を背負っている私のお尻は早くも疲労してきた。
ペースを守っているため呼吸は安定しているが、普段座りっぱなしのお尻の筋肉は悲鳴をあげ始めている。

急峻な岩場を登り、残すは緩やかで長い階段。
これを登れば鍋割山山頂だ。

背後に広がる関東平野に後押しされながら登る。
自身のお尻を励ましながら登る。

そして鍋割山山頂に到着した。

関東平野、その1。


関東平野、その2。


関東平野、その3。

平野ならではの広がりある景色。
近くの山から遠くの山まで綺麗に見渡せる素晴らしい眺望だ。

女性から「海が見たい」と同じ感じで、「私、平野が見たい」と言われたら、ココが一押し、と言うよりココで決まりだ。(え?有り得ない?)
そして、ここから眺める夕焼けや夜景の素晴らしさも想像に難くない。

赤城山の側火山群。右からこれから向かう荒山。中継局のある地蔵岳。一番左は鈴ヶ岳。


この開放的な景色を前にして、しばし昼寝。
短い時間とはいえ良質な睡眠をとり、そこそこ復活したお尻で再出発した。

ここから荒山までは、多少のアップダウンがあっても、なだらかで歩きやすい。
疲労した私のお尻こそピクピクしてるが山道自体は問題なしだ。

到着した荒山山頂にはアカヤシオが咲いていた。
ここからの見張らしは鍋割山に劣るとしても、アカヤシオの淡いピンク色が関東平野の眺めに彩りを添えてくれる。

本日に登るべき山はこれにて終了。
後は小沼、大沼へと抜けるだけだ。

ピクピクしていた私のお尻も、下りや平坦な場所なら頑張ってくれるだろう。
鼻唄でも歌いながらボチボチ歩くとしよう。

荒山に咲くアカヤシオ越しに眺める関東平野。


上空では、近くに渓谷があるかのように、風がゴウゴウと音をたてて流れている。
樹林帯にいるため影響はないが、稜線上では強風が吹き荒れていそうだ。

樹林帯に守られながら着々と歩みを進め、舗装道路となる軽井沢峠に到着。
ここからウンザリする舗装道路歩きが始まる。

そんな時、「ババア見かけませんでしたか?」と、おじいちゃんに訪ねられた。
どうやら奥さんが下山予定時刻を過ぎても帰ってこないらしい。

詳しく話を伺うと、奥さんだけ山歩きに出掛け、指定された時間、場所(軽井沢峠)に車で迎えに来たのだが、まだ合流できていないとの事。
奥さんの山行ルートとスケジュールを見せてもらうと、確かに下山予定から1時間ほど遅れている。

1時間の遅れではまだ何とも言えないが、荒山からここに来るまで誰ともすれ違ってはいない。
何だか私も心配になってきた。

そうこうしている内に奥さんがひょっこり戻ってきた。
そのハツラツと歩いてくる姿を見れば誰でも思うだろう。

「この人、遭難するタイプじゃない」と。

無事な合流に安心したところで、改めて大沼へ向かおうとした時、「(車で)送るよ」と旦那さんに呼び止められた。
舗装道路歩きは勘弁してほしい、と思っていたところへの助け船。

これは、ありがたい。
ご厚意を受けて大沼まで乗せてもらう事となった。

車中で明らかになる奥さんの健脚振り。
そして、泣く子も黙るかかあ天下振りも同時に明らかにされる。

東京のご夫婦だったが、群馬名物『かかあ天下』に負けず劣らずな、江戸っ子流『かかあ天下』を目の当たりにして、何となく「頑張ろう」と密かに思う私。
それでも仲はよさそうで、夫婦としての組み合わせの妙を感じさせる。

県営赤城山キャンプ場にテントを設営。


軽井沢峠からあっという間に大沼に到着。
ビバ、車。

そして、自動販売機で清涼飲料水を即購入。
ビバ、文明。

車で送っていただいたお礼を伝え、5分程歩いて目的地の県営赤城山キャンプ場に到着した。

キャンプ場は予想以上に賑わっている。
まだ時期的に早いだろうと思っていたが、このロケーションを無料で利用できるとあっては、混み合っていてもおかしくはない。

受け付けなどは一切ないため、早速、大沼越しに黒檜山が眺められる湖畔にテントを設営。
後はくつろぎの時間だ。

昼寝、読書、放心。

街のそれとは異なる贅沢な時間を過ごして、初日を無事に終えた。

炊事場あり、


かまどあり、


トイレあり。でも無料の県営赤城山キャンプ場。

漫画的山行記録

大沼湖畔にある県営赤城山キャンプ場を拠点にして赤城山を歩きに行きます。

モノ好きなので、あえて麓から歩いていきます。

すっかり夏色の前橋駅からバスに乗って『国立赤城青少年交流の家』へ。

『国立赤城青少年交流の家』からまずは鍋割山に向かいます。

登山口まで舗装道路歩きは電車/バス登山人の宿命です。

『晴れたぞ!ヨッシャー!』の像。(適当)

いよいよ夏到来です。

夏の空気が漂っています。

鍋割山登山口。ここからが山歩きです。

少し登っただけでこの景色。

岩場の険しい箇所もあります。

山ツツジも程良く見頃。

険しい岩場を越えます。

この階段を登れば頂上です。

鍋割山に到着。

関東平野、その1。

関東平野、その2。

関東平野、その3。

広がる関東平野を前にして昼寝します。

休憩したところで改めて出発。
次は荒山を目指します。

竈山。

これから向かう荒山(右)と明日登る地蔵岳(右から2番目)と鈴ヶ岳(左)。

火起山から見る荒山。

荒山から延びる裾野。赤城山の裾野面積は富士山に次いで広いそうです。

荒山高原。

荒山山頂までもう少し。

荒山山頂に到着しました。

山頂にあった祠に手を合わせます。

関東平野の景色にアカヤシオが彩りを添えます。

ここから軽井沢峠まで下ります。

展望ポイントのひさし岩。

赤城山の東側。

この花があちこちに咲いていました。

分岐点から小沼方面へ。

こんな箇所は静かに素早く通過しましょう。

淡々と歩いています。

軽井沢峠へ。

舗装道路に出たところで通りがかりの方に車に乗せてもらう事になりました。

車で送ってもらい、一気に大沼へ。ビバ!車。そしてビバ!自販機。

本日の宿泊地、県営キャンプ場に到着しました。

炊事場あり。

カマドあり。

トイレあり。

これでも無料。
群馬県さん、太っ腹。

湖畔にテントを設営。

快適なテント生活を送って明日に備えます。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

単独行/1日目/テント泊/ハイキング/電車・バス登山

鍋割山(なべわりやま)
標高1322m
荒山(あらやま)
標高1572m

本日のスケジュール

国立赤城青少年交流の家[着] 09:05 - [発] 09:30
 ↓ 50分 舗装道路
鍋割山登山口[着] 10:20 - [発] 10:20
 ↓ 95分 
鍋割山[着] 11:55 - [発] 12:35
 ↓ 85分 
荒山[着] 14:00 - [発] 14:15
 ↓ 45分 
軽井沢峠[着] 15:00 - [発] 15:10
 ↓ 10分 車で移動
大沼(青木旅館前)[着] 15:20 - [発] 15:20
 ↓ 10分 舗装道路
県営赤城山キャンプ場[着] 15:30 - [発] 15:30

行動時間:4時間55分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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