2014年5月18日
赤城山:2日目
鈴ヶ岳:夏を感じる外輪山/側火山巡り。

大沼の上にほぼ満月のお月さんが浮かんでいます。


まだ暗い内に目を覚ました。

テントから顔を出すと、ほぼ満月のお月さんがぽっかりと浮かんでいる。
そして、風に揺られてさざ波たつ大沼の湖面が、月明かりを受けて反射している。

なかなかいい雰囲気。

よし、タップリと睡眠をとったし、出発するか。

本日のスケジュールは、地蔵岳から朝日を眺めて、鈴ヶ岳、薬師岳と、大沼を境に黒檜山と対峙する外輪山を歩いてみる。

まずは地蔵岳だ。

ヘッドランプが不要なくらいの月明かりを浴びて登山口まで移動。
空が薄明かるくなった頃に地蔵岳を登り始めた。

地蔵岳の山道は浮き石に注意。


大沼側からの山道は、昭文社の地図にも記載されている通り、浮き石が多い。
山頂で日の出を拝みたい私は、刻一刻と周囲の明るさが増してゆく状況に気が急いてしまうが、焦る気持ちを押さえ、浮き石に注意しながら登る。

既に日の出時刻は過ぎた。
しかし、この辺りは黒檜山/駒ヶ岳の陰に隠れて、まだ夜は明けていない。

よし、登れや登れ。

浮き石の斜面を登りきると展望が開けた。
東の空を見ると、駒ヶ岳から今にも日が昇らんばかりに光が溢れ出している。

この見晴らしなら山頂じゃなくてもいいかな。

待つこと数分。
本日最初で最後の日の出を拝む。

朝日を浴びると、不思議と過去の事はリセットされ、良い一日を送れそうな気分になれる。
よーし、引き続き張り切って歩くか。

改めて地蔵岳の山頂から朝日を眺める。
日の当たる場所はもれなくオレンジ色に染まり、風はあっても暖かみを感じさせてくれる。

おはようございます。


地蔵岳山頂で朝日を浴びます。


地蔵岳山頂の無線中継所とお月さん。

親しみ易さナンバーワンの地蔵菩薩様。


山頂には各電波通信の無線中継所があり、いくつもの近代建造物が並ぶ傍ら、古びたお地蔵様も並んでいた。

どのお地蔵様も頭が取れている。
そして、頭の代わりなのか、おもむろに自然石が置かれている。

この光景には寂しさと同時に有り難みを感じた。
さすがは親しみ易さナンバーワンの地蔵菩薩様。どんな状況でも穏やかそのものだ。

合掌。

地蔵岳からの朝日を満喫したところで、次なる目的地『鈴ヶ岳』に向かう。

赤城山の地形図を眺めた時、その形のよさに是非登ってみたいと思っていた鈴ヶ岳。
事前リサーチでは急な岩場もあって登り応えもありそうだ。

地蔵岳を下り、舗装道路を渡ればすぐに鈴ヶ岳登山口がある。
少し登ると、このルートは「強足者、若人、プロ級」と樹木に書かれていた。

ふうむ。
誇張されているのは一目瞭然だが、細尾根箇所もあるだろうし、気持ちだけは若人でいこう。(コレが一番危ない)

古いロープは当てにしないほうが安全かもしれません。


峠と山とのアップダウンを繰り返し、鈴ヶ岳への分岐点となる鞍部まで来た。
ここからは所々に補助ロープが設置されている岩場を登ってゆく。

※古いロープは当てにしないほうが安全かもしれません。

途中の山道脇にはシャクナゲの花が咲いていた。
花への興味が薄かった私も、花名がわかるだけで興味が湧くのだから単純なモノだ。

もっとも、来シーズンまで覚えている自信はないが・・・。

まだ咲き始めで数少ないシャクナゲの花を写真に収めながら鈴ヶ岳を登り詰める。

樹林帯の鈴ヶ岳山頂は、眺望良好とは言い難い。
それでも地形図の通り、尖った山容で周辺の山が離れているため、木々の間から見える景色には素晴らしいモノがあった。

そして、朝の静けさもまた心地よい。

大沼の朝。


鈴ヶ岳山頂に到着。


鍋割山の向こうに富士山も見えます。

山頂で出会った静かな山を好む登山者としばらく語らい、そろそろキャンプ場へ戻る事にする。

『戻る』とは言え、まだいくつかの山を越えて行かなければならない。
それでも本日のメインは鈴ヶ岳だった事もあり、もう帰路気分なのだ。

一斉に芽吹いた若葉が山影から差し込む朝日を受けて光を放っています。


先程の鞍部まで戻り、ここから北側の谷間を下る。

谷間では、一斉に芽吹いた若葉が山影から差し込む朝日を受けて光を放っていた。
これが実に幻想的な雰囲気。

若葉だけが薄暗い谷間に浮かび上がり、ちょっとした電飾のようにも見える。

しかし、光が途切れると、暗く重い雰囲気の谷間へと早変わり。
少々踏み跡もわかりづらく、夕方頃にこの辺りを歩くと不安に駆られそうだ。

沼尾川まで下り、出張山へと登り返す。
この区間は回り道で結構な距離となるが、出張峠まで来れば後は大沼を眺めながら五輪ハイキングコースをマッタリと歩くだけ。

尾根筋伝いに、出張山、薬師岳、陣笠山を経由して、無事にキャンプ場へと戻ってきた。

大沼湖畔のキャンプ場に戻ってきました。


丁度、お昼時。

のんびりと昼食をとって、すっかり乾いているテントを撤収。
大沼湖畔の遊歩道を歩いて、バス停のある赤城山ビジターセンターへと向かった。

※赤城山ビジターセンターまで行かなくても、途中にバス停はあります。

遊歩道では何人かの絵描さんがキャンバスに向かっている。

天気もよく、穏やかな湖畔の昼下がり。
何だかゆったりした時間が流れている感じだ。

こちらもバス時間までゆったりと過ごし、「赤城の山も今宵限り」と国定忠治ばりに哀愁を漂わす事もなく赤城山を後にした。

いつでも発進OKですよ。


【赤城山と言えば国定忠治】
江戸時代に赤城山の麓に生まれ、任侠の世界に生きた侠客(強きを挫き、弱きを助ける渡世人、つまりヤクザ)。
「赤城の山も今宵限り・・・」は、国定忠治が幕府に追われて赤城山を下りる時の一節です。


今回の山行は夏の到来を感じさせる要素が多かった気がする。
つまり、ハンモック山行シーズンの到来とも言えるな。

むふふ、楽しみ。




国定忠治ばりの地元の方と交流できます。


帰りは前橋駅付近の銭湯『利根の湯』(入浴360円)で汗を流す。
国定忠治ばりの地元の方と、裸の交流(変な意味ではなく)ができるのは、歴史ある町の銭湯ならでは。

個人的にオススメです。

そんな地元の方から仕入れた情報によると、前橋でお勧めのお土産は、『無い』そうです・・・。
ちなみに、前橋のお土産は銘菓『旅がらす』が良さげです。

漫画的山行記録

まだ暗い内に起床。

地蔵岳から朝日を見るために出発です。

月明かりが大沼を照らします。

早くも黒檜山の稜線が白んできました。

地蔵岳への登りは浮き石が多いので注意。

朝焼けが始まりました。

あれは筑波山かな。

地蔵岳とお月さま。

おはようございます。

朝日に照らされて一面オレンジ色に染まります。

地蔵岳までもう一登り。

地蔵岳山頂に到着。山頂には中継局があります。

朝日を浴びる山頂。

関東平野方面。

お地蔵さんの頭はもれなく自然石で代用されています。

黒檜山と大沼。

次は鈴ヶ岳へ向かいます。

一端、舗装道路へ出ます。

こちらが鈴ヶ岳登山口。

強足者、若人、プロ級向けのコース。ちょっと言い過ぎ。

姥子峠。何やら哀愁ある伝説がありそうです。

鍬柄峠。

昨日登って来た鍋割山と荒山。

朝の大沼。

鍬柄山まできました。

一端、細尾根を下ります。

鞍部から改めて鈴ヶ岳に登ります。

平べったいケルン。

シャクナゲが咲いていました。

岩場が多いので注意。

これから咲きますのでヨロシク。

山頂までは岩場が続きます。

鈴ヶ岳山頂に到着。

山頂からの景色。広域地図を持ってくるべきでした。

いい天気です。

遠くに富士山も見えています。

来た道を戻り、出張山方面へ向かいます。

一斉に芽生えています。

谷間では朝日を受けて若葉だけが光る幻想的な空間が広がっています。

踏み跡を外さずに下ってゆきます。

コブだらけの樹木。

大沼方面へ。

沢伝いに歩きます。

階段を登って、

笹原の稜線を歩いて、

急坂を登って、

出張山に到着しました。

出張山からの眺め。

このまま稜線伝いに歩いていきます。

野坂峠。

薬師岳。

気持ちの良い笹原です。

陣笠山。

陣笠山からの眺め。

ここから県営キャンプ場へと下ります。

県営キャンプ場まで戻ってきました。

テント撤収前に昼食タイム。

昼食後はテントを撤収して帰路に就きます。

対岸にある赤城山ビジターセンターまで歩きます。

大沼越しに黒檜山。

湖畔の遊歩道を歩いていきます。

大沼に浮かぶ弁天宮。

いつでも発進OK。

ライセンス不要の宇宙船、だと!?

赤城山ビジターセンターからバスに乗って赤城山を後にします。

帰りは前橋駅近くの銭湯『利根の湯』で地元の方と軽い交流。

気のせいか、皆さん国定忠治ばりの雰囲気でした。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

単独行/2日目/テント泊/ハイキング/電車・バス登山

地蔵岳(じぞうだけ)
標高1674m
鈴ヶ岳(すずがたけ)
標高1565m
出張山(でばりやま)
標高1475m
薬師岳(やくしだけ)
標高1528m
陣笠山(じんがさやま)
標高1490m

本日のスケジュール

県営赤城山キャンプ場[着] 03:50 - [発] 03:50
 ↓ 25分 舗装道路
地蔵岳登山口(大沼側)[着] 04:15 - [発] 04:15
 ↓ 45分 
地蔵岳[着] 05:00 - [発] 05:10
 ↓ 30分 
鈴ヶ岳登山口[着] 05:40 - [発] 05:40
 ↓ 90分 
鈴ヶ岳[着] 07:10 - [発] 07:40
 ↓ 110分 
出張山[着] 09:30 - [発] 09:30
 ↓ 20分 
薬師岳[着] 09:50 - [発] 10:00
 ↓ 30分 
県営赤城山キャンプ場[着] 10:30 - [発] 11:30
 ↓ 45分 舗装道路/湖畔遊歩道
赤城山ビジターセンター[着] 12:15 - [発] 12:15

行動時間:6時間35分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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