2015年10月3日
志賀高原:1泊2日
横手山:秋の始まり深まりを感じる池の畔。

志賀高原最高峰の横手山山頂


足首の捻挫治療に専念しているため山行には行かず、志賀高原でキャンプ+周辺散策に出掛ける。

ヨメ情報によると、志賀高原には日本一高所のパン屋がありキノコスープも絶品。また、近くには洒落た喫茶店もあるらしく、麓には美味しい蕎麦屋もあり。

周辺の山情報は知らずとも、食に関する情報は余すことなく網羅するヨメらしい情報だ。

捻挫完治のため用心していることもあり、観光を兼ねた高原散歩はリハビリとしても悪くない。紅葉にはまだ早そうだが周辺を調べると魅力的な山も多く、足首の調子次第では登れるかもしれない。

ようし、そうと決まれば志賀高原へ出発。




渋峠から横手山へ。


本日は気持ちの良い秋晴れ。

群馬と長野の県境となる渋峠で車から降りれば、秋に色付き始めた山々と岩肌が露出している草津白根山が横たわる景色が広がっている。そして、目的のパン屋さんがある横手山頂ヒュッテは渋峠ロマンスリフトに乗って数分だ。

渋峠から横手山への登りはなだらかで、見たところ徒歩30分もかからなそうに見える。しかし、パンしか眼中にないヨメは歩いて登る気など更々無さそうだ。

と言うことで、登りはリフト利用で一気に山頂へ向かう。「一気に」とは言え、リフトの流れは極めてゆっくりで歩いても大差なさそうな気がしなくもない。

志賀高原最高峰の横手山山頂に到着。

あまりにあっさりと到着してしまい、何だか申し訳ない気分になってしまう。そんな私の気分などお構い無しに、ヨメはパン屋のある横手山頂ヒュッテへまっしぐらだ。

日本一高所のパン屋さんです。


お目当てのパン各種を購入してキノコスープとボルシチも注文する。窓際の席からは山容が特徴的な笠ヶ岳を手前にして、戸隠、妙高、更に長大な飛騨山脈が横たわっている。前回歩いた後立山連峰も目視できる眺望だ。

不思議なもので、一度歩いた山陵は体感としてその地形を記憶しているのか、遠くから眺めても良く目に付くようになる。

「あのピークで朝日を迎えたなぁ」
「あそこの登りはキツかったなぁ」

こんな具合に記憶が甦るのだ。

思い出に浸りながら食べる日本一高所で焼かれたパンの味わいは格別で、これはこれで横手山の記憶として刻まれそうだ。キノコスープとボルシチもまた格別だった。

前回歩いた後立山連峰。


浅間山方面の景色。


スカイレーター/リフト方面。

本当に山頂か?と思ってしまうクランペットカフェ。


昼頃になるとお客さんで賑わい始め、横手山頂ヒュッテは満席状態となった。食事の済んだ私たちは席を譲ってお隣のカフェに移動する。

2307mの山頂にカフェ。

山小屋でも昔ながらの喫茶店でもない、東京都内にあるような洒落たカフェがここ『クランペットカフェ』だ。ノートパソコンを小脇に抱えたサラリーマンが入ってきてもおかしくない洒落た店内に「山頂だよな?」と不思議な気分になるが、ひとたび外の展望台に出ればぐるりと取り囲む大自然。

すごいです、志賀高原横手山。

高所で飲むカプチーノにホッコリしたところで渋峠へ下山する。下山途中に参拝した横手山神社も見晴らしがよく、富士山も遠望できる秋晴れの景色は捻挫を忘れさせてくれる清々しさだった。

あっという間に渋峠へと下山して、県境に建つ渋峠ホテルに立ち寄ってみる。ここにもパン屋があり、パン好きなヨメとしては購入しなければ気が済まないらしい。

渋峠ホテルは群馬と長野をまたいだ県境に建っている珍しいホテルだ。その群馬県側の喫茶スペースには大きな暖炉と低めでゆったり座れるクラシックな椅子があり、個人的に「これぞ雪山のホテル!」と思える雰囲気がある。

冬期は通行止めになるため車では来れないが通年営業している渋峠ホテル。暖炉の前で吹雪いている外の様子を眺めながら、コーヒー片手に薪の燃える音を静かに聞いている。ああ、うっとり・・・(妄想中)。

是非、実現させねばな。

それはそうと、渋峠ホテルの看板犬『インディー』がパンの匂いを嗅ぎ付けやってくるので奪われないように注意だ!

【インディー&マーカス】
人懐こい渋峠ホテルの看板犬です。悪気はありませんが「じゃれます!」、そして「とります!」ので注意。


渋峠ホテルロビーにある暖炉。


高所の『食』に満足したので本日のキャンプ地の木戸池キャンプ場に移動する。渋峠からキャンプ地のある長野側へ移動すると紅葉の色合いが一層強まり、赤に黄色に秋色の絶景を楽しませてくれる。

見事な秋景色に見惚れ、あちこちで寄り道しながら木戸池キャンプ場に到着。

本日の宿泊地は木戸池の畔にある木戸池温泉ホテルが管理しているキャンプ場で、道路を挟んだ向かい側にある。黄色に染まる小さなピークとシラカバ林に囲まれたステキな環境に、山岳用テントとは言え今宵の快適な睡眠は約束されたも同然。

と、思いきや周辺は水浸し。

乾燥している場所を探すのに一苦労で、水溜まりに落ちたヨメは横手山でのご満悦状態から一気に不機嫌モードに。触らぬ神に祟りなし。水没したことは触れないようにしよう・・・。

それなりに快適な場所を見つけてテントを設営。キャンプらしくテーブルを出して、夕食の準備も万端にしてから付近散策に出かけてみる。

この付近には笠ヶ岳、志賀山、鉢山など比較的気軽に登れそうな山が目白押し。だが捻挫した足首の具合が芳しくない。残念だがあまり無理をせず、遊歩道が整備されているいくつかの池をリハビリ的に巡るプランに変更した。

木戸池キャンプ場。


キャンプ場から最寄りのひょうたん池へと登りはじめると、遊歩道とは思えないワイルドな山道に意表を突かれる。滑りやすく足場の悪い山道には怪しげな巨大キノコが自生して、苔むした岩場の水溜まりには落ち葉がひっそりと浮かんでいる。

こんな静けさ漂う雰囲気は大好きだが、捻挫治療中の身としては「リハビリとして如何なモノか・・・」と思ってしまう山道状態だ。

ある程度登ると木道整備の遊歩道らしくなり、ひょうたん池に到着。木道を挟んで両脇に丸い池、すなわち『ひょうたん』の様相をしている見た目にわかりやすい池だ。さらに進むとメインの遊歩道に合流して渋池が現れる。

さざ波たつ池面には黄色に色付いた小さな浮島が浮かび、正面に見える横手山や紅葉を映し出している。志賀高原にはこういった静けさ漂う山中の池がいくつもあり、遊歩道や案内も充実しているようだ。

山歩き、池巡りを目的として改めて志賀高原に訪れたいものだ。もちろん体調万全にしてから。

腹の虫を鳴かせながら渋池からキャンプ地へと引き返して夕食の時間。炊きたてご飯と具だくさんな豚汁は、日が落ちて冷え込む秋の山中では最適のご馳走となる。食後には木戸池温泉に入って湯冷めしない内にテントへ直行だ。

【木戸池温泉】
入浴600円の木戸池温泉は18時まで。ただし、キャンプ場利用者は20時まで利用できます。


リハビリとして適切だったかは別として、秋の始まり深まりを感じる山行となった。

ひょうたん池に映る逆さ世界。


秋の静けさ漂う渋池。


夕暮れの木戸池。



朝は快晴。この後、すぐに曇り。


翌日。

朝日のあたる木戸池の畔を散歩して再度、渋峠から横手山へ登る。目的はクランペットカフェだ。

昨日も立ち寄ったクランペットカフェだったが、その時はお腹が一杯で『クランペット』を食べ損ねたヨメ。クランペットとはイギリス発祥の一般的なパンで、マフィンやスコーンのようなものらしい。

「食べたかったわぁ・・・また今度でいいけど・・・」
チラッ。(こちらをチラ見)

「素直に行きたいと言えばいいのに」と思いつつ、再度横手山に登ってクランペットカフェへ。薪ストーブの前でくつろぎ、お目当てのクランペットを食べたヨメはすっかりご満悦の様子だ。

昼食はヨメ情報により、竜王スキー場にある蕎麦屋『山の実』へ。

蕎麦粥に始まり、そばがき、生粉打ち(十割)蕎麦、そして蕎麦ピザに終わる蕎麦尽くしコースだ。流石に蕎麦王国信州。美味しゅうございました。

帰り道にはやはりヨメ情報で、小布施の『栗の木テラス』でモンブランを頂く。栗の産地として名高い小布施らしく、濃厚な栗の甘味が美味しゅうございました。

って、食べてばっかり。

クランペットと珈琲でくつろぎのひととき。


竜王スキー場にある蕎麦屋『山の実』。


志賀高原はすっかり秋の装い。

漫画的山行記録

足首を捻挫しているのでリハビリ的に山歩きに行ってきます。

目的地は志賀高原の横手山。

ヨメの希望により日本一高所のパン屋が目的です。

群馬と長野の県境となる渋峠から出発。

リフトを利用して横手山山頂まで行きます。

それ行けーっ。

で、あっさり横手山山頂です。

そして、パン屋さんのある横手山頂ヒュッテに到着。

キラーン。

こちらが日本一高所のパン屋さん。

パンの他にキノコスープも注文。

こうして頂きます。

窓の外に広がる山々を眺めながらの食事は格別。

続いてお隣にあるクランペットカフェへ。

これが山頂だと?!

展望台からは壮大な景色が広がっています。

こちらは先日歩いた後立山連峰の山々。

歩いたことのある山稜を眺めるのは感慨深いものです。

こちらは浅間山方面。うっすら富士山も見える好展望です。

スカイレーター/リフト側。ちょっとしたアトラクション的な勾配です。

三角点のある横手山神社に参ります。

距離でも時間でもなく歩数。これはイイ表示。

236歩で横手山山頂に到着。

横手山神社に参拝。

山頂からは秋に色づく壮大な景色が広がります。

帰りはリハビリがてら歩いて下ります。

榛名山、赤城山を眺めながら高原散歩。

20分程で渋峠まで下りました。

県境にある渋峠ホテルに立ち寄ってみます。

渋峠ホテルは県またぎの変わったホテルです。

大きな暖炉の前でくつろぎたくなります。

冬季にも来いYO。

渋峠ホテルの看板犬インディー。

じゃれます!とります!要注意!

本日は木戸池キャンプ場にテントを張るので車で移動します。

こちらは『のぞき』のスカイレーター。

信州りんごサイダーが美味いっ!

あちらこちらに絶景スポットがあります。

木戸池に到着。

池面に秋を映した木戸池。

キャンプ場利用は木戸池温泉ホテルで受け付け。

こちらがキャンプ地。

水場もあります。

テントを設営したので付近の池まで散策に行ってきます。

遊歩道かと思いきや、意外とワイルドな山道です。

特徴的な山容の笠ヶ岳。

ちいさい秋。

ひょうたん池。

池面に映る逆さの世界。

こちらは横手山を映す渋池。

秋らしい色合いの静けさが漂っています。

すっかり秋色の鮮やかさです。

戻ってきた木戸池も秋色です。

カモ様のお通りだぁーッ!

オラオラオラーッ!

どけどけどけーッ!

と言うことで(?)志賀高原に日が落ちます。

キャンプ地も夕暮れです。

米、汁、酒、肴で夕食タイム。

お腹を満たされたら木戸池温泉(600円)へ。

翌日。

気持ちの良い朝です。

散歩がてらに木戸池を周回。

笠ヶ岳と木戸池温泉ホテル。

テント撤収後はヨメの希望により、再度横手山山頂へ。

目的はクランペットカフェの『クランペット』です。

クランペットとはイギリスでは一般的なパンです。

スコーンやマフィンみたいなものでしょうか。

2300mオーバーの山頂で優雅にカフェタイム。

(ヨメも)満足できたので長野市方面へと下ります。

途中、丸池に寄り道。

湖畔にあった祠に参拝。

今度は渋温泉に寄り道。

渋温泉の奥にはニホンザルの入浴姿で世界的に有名となった地獄谷野猿公苑があります。

ですが不在。

『神は死んだ』的な深みを感じます。

ちなみにこの看板は猿来訪によりリアルタイムで差し替えられるようです。

最後に竜王スキー場にあるおすすめの蕎麦屋『山の実』へ。(ヨメ調べ)

蕎麦粥から始まり、そばがき、生粉打ち(十割)蕎麦、そして蕎麦ピザに終わる蕎麦尽くしのフルコース。

御馳走様でした。

帰りには小布施の『栗の木テラス』でモンブラン(やはりヨメ調べ)を頂きます。

食べてばっかりか。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/1泊2日/テント泊/ハイキング/マイカー登山

志賀高原(しがこうげん)

詳細(外部リンク)
横手山(よこてやま)
標高2307m
詳細(外部リンク)

本日のスケジュール

渋峠[着] 10:41 - [発] 10:43
 ↓ 15分 渋峠ロマンスリフト
横手山頂ヒュッテ[着] 10:58 - [発] 12:28
 ↓ 8分 
横手山[着] 12:36 - [発] 12:39
 ↓ 20分 
渋峠[着] 12:59 - [発] 13:01
 ↓ 48分 車移動
木戸池[着] 13:49 - [発] 14:05
 ↓ 3分 
木戸池キャンプ場[着] 14:08 - [発] 14:54
 ↓ 37分 
ひょうたん池[着] 15:31 - [発] 15:32
 ↓ 18分 
渋池[着] 15:50 - [発] 16:10
 ↓ 39分 
木戸池キャンプ場[着] 16:49 - [発] 16:49

行動時間:3時間8分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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