2014年6月1日
那須連山:2日目
茶臼岳:ミネザクラ満開。南月山は『和』の装い。

茶臼岳山頂へ御来光を拝みに行きます。


御来光を茶臼岳山頂で拝むため、暗いうちに起床。

まだ朝晩は寒いだろうと思っていたが、むしろ少々暑いくらいだった。
せっかく多めに持ってきた防寒着は、まったく出番無し。

なんにせよ、快適な睡眠を得る事ができたおかげで目覚は悪くない。
同行の友人Kも目覚めは良さそうだ。

早速、御来光を拝みに出発しよう。

満天の星空の下、ヘッドランプの光を頼りに峰の茶屋跡避難小屋まで登ると、早くも地平線がうっすらと赤く染まっている。
それでも、街の夜景はまだ見える。

三脚無しで夜景の撮影にチャレンジしたが、強風のためポジションを維持できず、カラフルな糸ミミズのような写真にしかならなかった。
こんな時に重量級の三脚があれば良いのだろうが致し方ない。

夜景も良いが御来光だ。

日の出時間を確認しながら、茶臼岳のザレ場を登る。
途中、山道を見落として、良からぬ方向へ外れたりもしたが、日の出前に茶臼岳山頂に到着した。

誰もない山頂では、既に朝焼けショータイムが始まっている。

巨岩に登り、絶好の観賞席から朝焼けを眺める。
しばらくして東の地平線から今日という日が生まれた。

自然と合掌。

強風に吹かれながらも無言で御来光を眺める。

茶臼岳からおはようございます。


つん。


よい御来光でした。

本日の目的は達成した。
さて、帰ろうか。

とはならず、予定通り南月山へ向かった。

牛ヶ首山頂分岐から南月山へ向かいます。左奥に見えるのが南月山。


本日の予定は、南月山、無間地獄、そして茶臼岳南側の山道伝いに峠の茶屋駐車場へと下山するスケジュール。

正直、昨日の茶臼岳、朝日岳のインパクトが強かった事もあって、「地味そうな南月山はいいかな・・・」という気分になっていた。
しかし、『月山』を代表とする山形県出身の私としては、関連のありそうな南月山を歩いてみなければなるまい。

ちなみに帰宅後、南月山について調べたところ、興味深い情報を得る事ができた。

那須の山岳信仰のひとつに白湯山(はくとうさん)信仰がある。
白湯山信仰は出羽信仰を勧請(神仏の分霊を祀る事)したもので、出羽三山を模して、白湯山(温泉の湧出源)・茶臼岳・朝日岳の三山を『三山がけ』と称して参拝していたとの事。

その際、出羽三山の月山にあたる山が茶臼岳とされ、修験者からはそのまま『月山』と呼ばれていたらしい。
そんな茶臼岳(月山)の南に位置する山が南月山という訳だ。

こんな事情もあって茶臼岳付近には、出羽三山を由来とする地名が点在している。

これが真実であるなら、月山の鎮座する山形県出身の私としては、那須岳に対して若干上から目線になってしまうな。

そんな私は出羽三山修験道を体験した事ナシ。
まずは体験してからにしろって話か。

何はともあれ、南月山に向かう。

牛ヶ首分岐からは、これまでの岩だらけの景色とは変わって、緑が多く見られるようになる。
そして、丁度良いタイミングでミネザクラが見頃となっていた。

南月山へと続くたおやかな尾根に乗ると、背丈の低いミネザクラが山道脇に並んで花を咲かせている。
この日本らしい演出に、周囲はすっかり『和』の装いだ。

城塞のような茶臼岳。


ミネザクラを愛でながら南月山を目指します。


時には逆光も悪くない。

南月山山頂に到着


ミネザクラを愛でながら南月山山頂に到着。
のっぺりとした山頂には、地元の花好きおじさんが休んでいた。

山中に生息する花好きおじさんの多くは、同時に話好きな特徴も持ち合わせている。
このおじさんからもお腹一杯になるほど、那須岳周辺の花情報を教えてもらった。

おじさん曰く、今年はミネザクラの花の付きが悪いらしい。
満開だと思っていたが、まだまだ花盛りになるなんて。
ココにはまた訪れる事になりそうだ。

花好きおじさんも下山し、誰もいなくなった山頂。
よし、友人Kと大はしゃぎタイムの始まりだ。

定点連続撮影の遊びを覚えた我々は、昨日から要所要所で写真遊びに興じている。
薄らみっともないポーズを決め込んだり、ゲラゲラと大笑いしたり、それはもう大人げない。

それゆえ、周囲に誰もいない事が絶対条件だ。
流石に大人としての自覚もあるので。

大はしゃぎタイムもそこそこに、予定通り下山の途に就く。

茶臼岳の西側に無間地獄が見えます。


その前に忘れてはいけない無間地獄。

下山は茶臼岳の西側を回って、峠の茶屋駐車場へと直接下る山道を利用する。
その茶臼岳西側で、噴煙をあげているのが無間地獄と呼ばれるエリアだ。

無間地獄の名称から察するに、唸りをあげて絶え間無く火山ガスを噴出している光景は、古くに地獄を思わせ恐れられていたに違いない。
現在では山道からすぐの所で、この光景を見学(観光?)出来てしまい、地獄の際下層を意味する無間地獄も形無しだ。

那須の古き民は「悪いことしたら無間地獄に連れてくよ!」などと、子供を躾ていたのだろうか。
そう思うと、今となっては微笑ましい。

※有毒なので噴出口には近寄らないように!

無間地獄の観光を楽しんだ後、そそり立つ朝日岳の岩峰を眺めながら峠の茶屋駐車場へと下山した。

絶え間無く火山ガスを噴出している無間地獄。


この景色ともそろそろお別れ。名残惜しい。


下山途中に咲いていたムラサキヤシオ。

戻ってきた駐車場は暑い。
アスファルトの照り返しを差し引いても、間近に迫る夏本番を予感させるジリジリした暑さだ。

思い返せば、山中では汗ばむ事もなく快適な気温だったな。

今回の山行は、無間地獄の火山帯や殺伐とした荒野の世界、そして日本的な情緒溢れるミネザクラの景色まで、様々なジャンルの雰囲気を堪能できた。
こんな充実感も、快晴で適温だったからこそ。

なるほど。

どうりでよい歳の大人がはしゃいでしまう訳だ。(違う?)

さて、次回はどの山域(避暑地)に逃げ込もうか。

漫画的山行記録

那須岳避難小屋にて暗いうちに起床。

茶臼岳山頂で御来光を拝むため出発です。

その前に軽く掃除を。

ヘッドランプを頼りに登ります。

朝焼けが始まりました。

日の出前に茶臼岳山頂に到着。

後は日の出を待つばかり。

茶臼嶽神社の石祠も静かに日の出を待ちます。

誕生。

朝の黄昏。

ゴッドハンド。

つん。

朝日岳方面。

今日も良い一日になりそうだ。

日光方面。

朝日に染まる茶臼嶽神社を後にします。

朝日を浴びながら次なる目的地へ。

清々しい気持ちで茶臼岳を下ります。

眼下に那須ロープウェイの山頂駅が見えます。

『大岩』で影遊び。

真っ青です。

自分の影を眺めながら下ります。

牛ヶ首山頂分岐から南月山へ向かいます。

ヤッホーに丁度いい岩、発見。

イワカガミを発見。

見上げると城塞のような茶臼岳。

ミネザクラを見ながら南月山へ。

ミネザクラが丁度見頃。

逆光も悪くない。

姥ヶ平のひょうたん池が見えます。

見晴らしの良いなだらかな尾根です。

南月山はもうすぐ。

南米っぽいコーディネイトのお地蔵様。

南月山に到着しました。

南月山神社の石祠。

帰り道もミネザクラを愛でます。

茶臼岳の西側はえぐれています。

無間地獄へ向かいます。

山道のすぐ脇からもガスが噴出。

まだ白い燧ヶ岳と会津駒ヶ岳。

見上げれば噴出しているガス。

無間地獄。

景色を眺めながらの歩きは最高。

落石にも注意。

ひっきりなしにガス放出中。

しなった木道を渡ります。

峰の茶屋跡避難小屋の分岐から駐車場へと下山します。

剣ヶ峰、朝日岳。

標高を下げて緑が増えてきました。

ムラサキヤシオ。アカヤシオとの違いがわからない・・・。

山ノ神。

ちょっと可愛い狛犬。

お疲れさん。

爽やかにタバコを吸ったその手で。

下山しました。

峠の茶屋駐車場へ到着。

お疲れさまでした。

おわり

漫画的山行記録
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本日の山行情報

複数人山行/2日目/避難小屋泊/ハイキング/マイカー登山

茶臼岳(ちゃうすだけ)
標高1915m
詳細(外部リンク)
南月山(みなみがっさん)
標高1776m

本日のスケジュール

那須岳避難小屋[着] 03:10 - [発] 03:10
 ↓ 60分 
茶臼岳[着] 04:10 - [発] 04:35
 ↓ 45分 
牛ヶ首山頂分岐[着] 05:20 - [発] 05:20
 ↓ 25分 
牛ヶ首[着] 05:45 - [発] 06:10
 ↓ 45分 
南月山[着] 06:55 - [発] 07:30
 ↓ 35分 
牛ヶ首分岐[着] 08:05 - [発] 08:10
 ↓ 35分 
峰の茶屋跡避難小屋[着] 08:45 - [発] 08:45
 ↓ 45分 
峠の茶屋駐車場[着] 09:30 - [発] 09:30

行動時間:4時間50分(休憩含む)

本日のおすすめ(お土産/温泉情報)

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