テントに吹き付ける風の音で目が覚めました。
強風は変わりませんが、昨日からの雨は止んでいるようです。
テントから出ると、雨の効果もあって澄み切った夜空が広がっています。
静寂の涸沢カール。
奥穂高岳、涸沢岳。
そして北穂高岳方面。
常念山脈が白んできました。
紅きに染まりゆく岩稜。
紅き奥穂高岳。
紅き涸沢岳。
陰と陽とのコントラストが美しい。
モルゲンロート全開。
『朝焼け』ではなく『モルゲンロート(ドイツ語)』とお洒落っぽく言いたくなる美しさです。
おおっ、今度は金色に。
金色の北穂高岳方面。
金色の涸沢岳。
そして奥穂高岳。
大げさでも無く黄金郷エル・ドラードを彷彿させる光景です。
涸沢カールと黄金に輝く奥穂。
足元の氷にモルゲンロートが映ります。
氷モルゲン。
雲ひとつない快晴の涸沢モルゲンロートショーでした。
涸沢カールにはまだ朝日が射さず寒々しい状況です。
お日様を拝むため少し登ってきます。
静まり返っている涸沢小屋。
でも11月初旬まで営業中です。
陽のあたる場所まで登ります。
お日様はすぐそこ。
おはようございます。
はぁ、あったかい・・・。
朝焼けタイムは完全に終了しました。
正面には前穂高岳から派生する岩稜。
見下ろすと寂しげな国設涸沢野営場。
本日は何処にも登る予定はないのでテントに戻って二度寝します。
しばらくして外に出てみると。
快晴の青空!
そして、周囲にはもう誰もいない。
つまり・・・
この絶景をーっ!
独占!
だぁーっ!!
わははははッ!!
涸沢を大満喫したところで下山します。
足元には古代の壁画っぽい地図。
名残惜しいわぁ。
整備されて下山しやすい山道です。
ほのかに残るナナカマド。
晩秋の雰囲気です。
横尾沢の出合いまで下りました。
正面には蝶ヶ岳。
ここまで下れば暖かく快適です。
屏風岩を回って、
静かな山道を緩やかに下ります。
横尾大橋まで下山。
いやぁ、快晴快晴。
後は上高地まで林道を淡々と歩くのみです。
途中の徳沢に立ち寄ります。徳沢と言えば・・・、
徳澤園のソフトクリーム!コレは欠かせない。
心地よい穏やかな天気がたまりません。
水辺も静か。
明神橋まで来ると観光客でそこそこ賑わってきます。
ここからはヨメの希望により嘉門次小屋へ向かいます。
明神橋を渡って、
穂高神社の鳥居をくぐれば、
嘉門次小屋に到着です。
嘉門次小屋は創業1880年の歴史を持つ山小屋です。
そして目的はコレ。
イワナの塩焼きです。
くうっ、塩加減がたまらないっ!
ごちそうさまでした。
後回しになってしまいましたが穂高神社奥宮に参拝。
よく、
来たな。
神社は晩秋が良く似合う。
遊歩道伝いに上高地バスターミナルへ戻ります。
日が傾くのが早くなりました。
西穂、奥穂、前穂の岩稜を眺めます。
河童橋まで戻りました。
橋の上から焼岳へ沈む夕日を眺めます。
混雑のイメージで避けていた涸沢でしたが終始静かで快適な山行となりました。
ベストシーズンでなくとも快晴であれば最高ですね。
最後に沢渡公営第2駐車場前の温泉山小屋『ともしび』の露天風呂(入浴料300円)へ。
美しい景色を見て、美味しいモノを食べて、ホッコリと温まって帰る。
幸せだなぁ。
財布の中身は極めて寂しくなりましたが・・・。